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精子凍結とは?やり方や保存方法、費用、メリットなど徹底解説【大学教授監修】

この記事を監修した人

京都薬科大学特命教授 兼 薬剤師
戸口 瑞之
漢方薬房こうのとり 代表

元富山総合薬局代表。現漢方薬房こうのとり代表・管理薬剤師 / 現京都薬科大学特命教授。
飲む量の加減のみ必要で万人に合う現代の中国漢方(中医)に大学病院時代から36年携わる。
漢方薬房こうのとりでは、直近3年で100人以上の方が目標を達成されています。

インフルエンサーが将来の妊娠のために精子凍結をしたというニュースがあってから、精子凍結に関心を持つ男性が増えています。

不妊の原因の半分は男性にあるといわれ、精子の運動率や奇形率によってなかなか妊娠できないケースが多いです。

精子凍結は、男性不妊の人にとって妊娠率を上げるための手助けになります。

不妊治療における精子凍結は、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。また費用面や治療の成功率も気になりますよね。

今回は、精子凍結の内容や費用、メリット、妊娠率などについてくわしく解説します。


不妊治療における精子凍結とは?

精子凍結は、採取した精子を保存液で処理したのち、-196℃の超低温で保存する技術です。

不妊治療において精子凍結がなぜ選択されるのか、疑問に思う方もいるかもしれません。

精子凍結が選択される理由の例は、以下のとおりです。

  • がんなどの病気によって、今後精子形成に障害を持つ可能性がある場合
  • 人工授精や体外受精当日に精子を用意できない場合
  • 精子所見が不良の場合
  • 無精子症の場合

精子の運動率の低下や奇形率の上昇は、妊娠率の低下や染色体異常を引き起こすおそれがあります。

人工授精や体外受精の当日に採取した精子に異常があると、受精できない可能性が高まるため、あらかじめ精子凍結をすすめられることがありますよ。

また無精子症のタイプによっては、精子を精巣から取ってくる精巣精子採取術(TESE)をおこない、採取できた精子を凍結保存しておきます。

TESEを複数回おこなうと、精巣の萎縮や不可逆性の男性ホルモン低下を招くおそれが高まるため、2回以上の施術は推奨されていません。

1度の施術で採取できた精子を複数のチューブに冷凍保存することで、人工授精や体外受精のチャンスが増えますよ。

精子凍結の流れは、以下のとおりです。

  1. 精液を持参もしくは院内で採取する
  2. 精液検査で精液量、精子濃度、運動率、形態を調べる
  3. 精液の洗浄や濃縮をおこなう
  4. -196℃の液体窒素で凍結保存

不妊治療で使用する際は、凍結保存していた精子を微温湯内で融解し、融解後ただちに特殊な液で洗浄して、凍結保存液を除去して受精に使います。

出典:
精子凍結保存についてQ&A|筑波学園病院
精子の凍結保存について|福田病院

精子凍結のメリット・デメリット

精子凍結を考えるうえで、メリットやデメリットを知ることが大切です。ここでは、精子凍結におけるメリットとデメリットを解説します。

メリット

精子凍結には、2つのメリットがあります。

  • 男性が不在でも治療できる
  • 精子の運動率や濃度を補える

あらかじめ精子を凍結しておけば、仕事や家庭の事情があり、男性が体外受精や人工授精の日に受診できなくても、治療がおこなえます。

精子の質が安定しない人は、良好な所見時の精子を凍結することで、不足している精子量や精子の運動率を補える可能性が上がりますよ。

またがんで化学療法や放射線療法を受けると、精巣にダメージが加わり精子が正常に生殖しなくなりますが、治療前に精子を凍結しておくことで、子どもを持つことが望めます。

デメリット

次に精子凍結のデメリットをみていきましょう。

  • 費用がかかる
  • 精子の運動率が低下する
  • 人工授精や体外受精ができず、顕微授精になる可能性がある

凍結保存の費用だけでなく、保管にも年ごとに費用がかかることを押さえておきましょう。

精子は凍結・融解の段階で障害を受けないように考慮されています。しかし、ある程度の障害を受けることは避けられず、凍結前と完全に同じ状態には戻らない点に注意しましょう。

凍結から融解を経由することで、精子尾部の断裂によって前進運動が低下します。精子の運動率は、凍結前に比べて5~15%ほど低下することが多いです。

運動率が低下した精子は、人工授精や体外受精では使用できない可能性があります。病院によっては、凍結時の所見によって顕微授精が検討されるケースもありますよ。

なお、凍結保存による精子の遺伝子レベルの変化や、胎児への影響の報告はありません。

出典:
精子凍結保存についてQ&A|筑波学園病院
精子の凍結保存について|福田病院

精子凍結・冷凍保存にかかる費用は?

精子凍結は原則自費診療なので、病院によって費用が異なります。後悔しないためにも、受診予定の病院での精子凍結にかかる費用を確認しておきましょう。

精子凍結や冷凍保存にかかる費用の相場は、以下のとおりです。

費用の名前相場
精子凍結基本料2~4万円
※保存するチューブ数が1本増えるごとに1万円追加
精子凍結保管料1年ごとに1本あたり1~3万円

ただし、無精子症と診断されてTESEをおこなう場合は、保険が適用されますよ。

手術の名前費用の相場
TESE
MD-TESE(顕微鏡下精巣内精子採取術)
TESE:約48,000円(保険適用)
MD-TESE:約8万円(保険適用)

TESEでは、精子凍結まで費用に含まれています。ただし、1年ごとの保管料は自費扱いになる点に注意しましょう。

出典:
不妊治療に関する支援について|厚生労働省
精子の凍結保存について|福田病院
生殖補助医療の費用について|自治医科大学附属病院

精子凍結は保険適用?適用外?

前述のとおり、精子凍結は原則保険適応外です。ただし、無精子症でTESEをおこなった場合は保険が適用されます。

医療機関は、保険診療と自費診療を同時におこなうことはできません(混合診療の禁止)。そのため、精子凍結は保険診療が始まる前に済ませておく必要があります。

保険診療中に精子凍結を希望する場合は、すべての治療が自費診療に切り替わる点に留意しましょう。

出典:保険診療と保険外診療の併用について|厚生労働省

精子を冷凍保存できる期間

精子凍結した後に融解して使用するまで、どれくらいの期間保存しておけるのか気になりますよね。

精子は半永久的に冷凍保存できると考えられています。

中国での調査では、長期保存した凍結精子での妊娠率や流産率、出産率は年数を重ねても明らかな差はなかったと報告されていますよ。

出典:Long-term cryostorage of semen in a human sperm bank does not affect clinical outcomes.|Fertility and sterility

参考︰人工授精・体外受精で使用する精子を病院に持参するまでの保存方法は?

ここからは、人工授精や体外受精の度に採取する精子の自宅での保存方法について紹介します。

精子を保存するときは常温がよい?

病院での精子凍結は-196℃でおこなわれ、精子が常温や冷蔵で保存されることはありません。

精子は、34度以下もしくは44度以上になると死んでしまいます。そのため、自宅で尚且つ常温で保存するのは現実的に厳しいといえます。

持ち運ぶ際は、ARTの施設でもらう専用の容器などを使用するようにしましょう。

監修者コメント

精子の運動率を保つためには人肌の温度が重要です。専用の容器が提供されない場合、ブラジャーの中に入れて持参するよう指示する施設が多いようです。

 

精子の保存は自宅の冷蔵庫でもよい?

精子を自宅の冷蔵庫で保管してしまうと、精子の運動率が低下してしまいます

また、先述したとおり精子は、34度以下もしくは44度以上になると死にます。

そのため、冷蔵庫で生かしたまま精子を保存することも現実的とはいえません。

精子凍結後の人工授精・体外受精について

凍結した精子で妊娠するためには、人工授精もしくは体外受精が必要になります。また精子の運動率によっては、顕微授精が選択されます。

ここからは、精子凍結後の人工授精・体外受精についてみていきましょう。

人工授精に使用する場合

人工授精は、凍結した精子を融解し、パートナーの排卵に合わせてパートナーの子宮に注入する技術です。

新鮮精子を用いた場合の人工授精での妊娠率は5~8%と低いです。また5~6回で妊娠できない人は、それ以上続けても人工授精での妊娠は難しいとされています。

凍結精子を用いた人工授精の妊娠率は約3%という報告もあります。

精子凍結の本数は限られているため、3回おこなった時点で体外受精への切り替えを推奨するクリニックや、人工授精そのものを推奨しない医療機関もありますよ。

出典:精子凍結保存に関する説明書|虎の門病院産婦人科リプロダクションセンター

体外受精に使用する場合

体外受精では、融解した精子を採取した卵子と受精させて、その受精卵をパートナーの子宮に移植(胚移植)します。

1移植あたりの体外受精での妊娠率は、20%程度とされています。

凍結した精子は解凍すると約半数が死に、平均して10~15%は運動率が低下しているため、新鮮精子での妊娠率よりも低下する可能性が高いです。そのため、顕微授精が検討されるケースがあります。

顕微授精とは、精子1個を卵子の中に注入する技術です。精子凍結・融解は、顕微授精後の妊娠率や生児獲得率に影響を及ぼさないという研究結果が得られています。

この結果は、1つのチューブに凍結されている複数の精子の中から、運動性が保たれている精子を探し卵子に注入するためと考えられています。

出典:
Q1. ART治療はどういう治療ですか?(定義)|日本受精着床学会
Sperm cryopreservation does not affect live birth rate in normozoospermic men: analysis of 7969 oocyte donation cycles.|Human Reproduction

成功率(妊娠できる確率)はどれくらい?

凍結精子による妊娠率は、以下のとおりです。

治療法1回の胚移植あたりの妊娠率
人工授精3%
顕微授精30~35%

凍結精子を用いた際の妊娠率は、凍結時の精子の状態や、精子を利用する時点でのパートナーの年齢などに影響される点を押さえておきましょう。

出典:
知っておきたい精子凍結保存の知識|筑波大学附属病院総合がん診療センター
精子凍結保存に関する説明書|虎の門病院産婦人科リプロダクションセンター

男性の妊活・不妊治療の相談は「漢方薬房こうのとり」まで

不妊治療における精子凍結は、仕事や家庭の事情で忙しい男性や、精子の質が安定しない人にとって、妊娠率を高めるための有効な方法といえます。

無精子症の治療の一環以外での精子凍結は自費診療になります。この記事で紹介した相場を確認し、後悔しない病院選びをおこなってくださいね。

また精子凍結での妊娠率を上げるには、凍結前の精子の質を上げる心がけが必要です。精子の質を下げる喫煙や食習慣をやめ、ストレスが溜まる生活習慣を改善しましょう。

また、運動不足の解消と「スマホ断ち」も効果的です。

体質改善目的で、漢方を取り入れることもおすすめです。漢方医学的なアプローチによって、無精子の状態から自然妊娠できるところまで改善されたケースもあります。

北陸富山の「漢方薬房こうのとり」では、日本でトップクラスの男性不妊専門家と提携しています。

当店では、漢方医学と西洋医学の両方を取り入れた幅広い視点からのアドバイスを行い、無精子症をはじめとする男性不妊の症例に対して豊富なサポート実績があります。

また、女性不妊のサポートも多く行っており、夫婦でのご相談も可能です。

ここで、「漢方薬房こうのとり」の子宝漢方の実績をいくつかご紹介します。

精子無力症(精子の運動率が42%未満)の方の8割以上が、精子の運動率80%以上を達成しています。

精子の運動率が70%以上であれば、ほとんどの方が3カ月以内に自然妊娠に成功しています。

逆に、精子の運動率が70%未満の方は、1年以上タイミングをとっても妊娠に至らないケースが多いです。

3ヶ月以上タイミングをとっても妊娠しない場合は、男性側にも問題がないかを確認することが重要です。男性の精子の所見を調べることを検討してください。

人工授精を行う施設でも精子の運動率を調べてもらえる場合が多いので、各県の有名な泌尿器科(メンズヘルス外来)を受診するのも良いでしょう。

精子の運動率を70%以上に改善できた場合、その後3ヶ月以内に妊娠判定が陽性となるケースが大半です。

実際に、精子の運動率が42%~69%の方が、「漢方薬房こうのとり」の子宝漢方を15日間服用しただけで、運動率が70%以上に改善された例も多くあります。

もし、検査や人工授精で精子の運動率が42%~69%であった場合、まずは2週間、「漢方薬房こうのとり」の子宝漢方を試してみることをおすすめします。

精子無力症や精子の運動率が42%未満の方は、ART(体外受精、顕微授精など)を検討される方が多いです。

精子が作られるまでには74日間かかり、この期間を1クールと考えます。この74日間で、「漢方薬房こうのとり」の子宝漢方を服用しながら、体外受精の採卵に備える方が多いです。

この期間中に精子の運動率が70%以上に達した場合、精子を凍結保存するケースがほとんどです。

「漢方薬房こうのとり」の子宝漢方の実績として、精子無力症の方の8割以上が、子宝漢方を74日間服用することで、精子の運動率が80%以上に改善しています。

2022年6月から2024年4月までの2年間で、精子無力症の方16名中13名が、生活習慣の改善と「漢方薬房こうのとり」の子宝漢方を連続74日間服用することで、精子の運動率が80%以上に改善しました。

また、無精子症の方でも改善が見られ、現在妊娠中の事例もあります

特に、ART(体外受精、顕微授精など)で精子の運動率が30%未満を理由に失敗を繰り返している方には、「漢方薬房こうのとり」のパワーアップした新しい子宝漢方をお試しいただきたいと考えています。

先天性の無精子症の方では、睾丸の大きさが3歳児の平均以上であれば、結果が出ることが多いです。

最短では6週間の漢方服用で精子が確認された事例もあります。先天性・後天性ともに、運動率が42%を超えるまでに約5カ月(2クール)かかることが多く、さらに運動率が65~80%以上に改善されるには、もう約2ヶ月半(1クール)が必要です。

後天性の無精子症の方では、3クール(7ヶ月半)後に精子の運動率が80%を超え、自然妊娠可能な数に達し、2024年11月には出産予定の方もいらっしゃいます。

対面カウンセリングだけでなく、オンライン相談も受け付けています。精子凍結を検討している方は、ぜひ一度ご相談ください。

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