妊活中に「鍼灸がよいらしい」と耳にしたことはありませんか?
体質を整える補助療法として注目される一方で、「効果がわからなかった」「通い続けるのが大変だった」という声もあります。
この記事では、不妊鍼灸の効果や副作用、向き不向きの見極め方、よくある疑問点に加え、漢方など、ほかの選択肢も含めて丁寧に解説します。
大切な時間を納得のいく形で使うためにも、今の自分に必要な情報から、少しずつ見直してみましょう。
不妊鍼灸の「意味ない」「効果なし」は本当?

基本的には妊活に効果なしです。記事の後半で理由を述べています。
「鍼灸で妊娠しやすくなる」と期待される一方で、「本当に効果あるの?」と不安に感じる方も少なくありません。
鍼灸は、ホルモンや血流のバランスに働きかけるとされる療法ですが、その効果をめぐっては賛否が分かれます。
まずは、不妊鍼灸に関する研究報告や実際の臨床データをもとに、「意味ない」と言い切れるのか、「誰に向いているのか」といった視点から整理しました。
不妊鍼灸に関するエビデンス
不妊治療における鍼灸の効果は、近年さまざまな研究で検証されています。
2025年に公表された調査では、40以上の臨床試験の結果をまとめて分析したところ、体外受精(IVF)と併用した鍼灸で妊娠率がわずかに高まる傾向があると報告されました。
施術によって痛みや不安が和らいだという声も見られます。
一方で、流産率に関して一部で上昇が認められたほか、施術内容(刺す場所やタイミング、頻度)にばらつきがある点も課題です。
また、本物の鍼とそっくりの偽の鍼(刺さない比較用の鍼)を使った試験では、明確な差が見られなかった例もあり、効果の出方には個人差があると考えたほうがよさそうです。
出典:
Acupuncture for women undergoing in vitro fertilization|ScienceDirect
An Overview of Systematic Reviews of Acupuncture for IVF|Frontiers in Public Health
不妊鍼灸の向き不向き
不妊鍼灸は、すべての人に同じ効果をもたらすわけではありません。
月経不順やストレスによる自律神経の乱れ、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)など、ホルモンや血流のバランスが関係しているケースでは、補助的な方法として取り入れられることがあります。
一方で、卵管の閉塞や癒着といった構造的な問題がある場合や、重度の男性不妊が主な要因のケースでは、医療的な治療との併用が前提となります。
また、針を刺した部分に出血や痛み、赤み(発赤)が生じることがあると報告されています。
抗凝固薬の使用や出血傾向がある方、針への強い恐怖感がある方は、施術前に医師や専門家へ相談すると安心です。
出典:Adverse reactions to acupuncture|National Library of Medicine
不妊鍼灸で考えうる主なデメリット
「鍼灸で妊娠しやすくなるなら、ちょっと試してみようかな」と思ったことがある方も多いのではないでしょうか。
ここでは、不妊鍼灸を始める前に知っておきたい注意点として、考えられるデメリットをみていきましょう。
誰にでも効果が出るとは限らない
「鍼灸で妊娠できた」という声がある一方で、「何度通っても変化がなかった」「体調は整ったけれど妊娠にはつながらなかった」という方もいます。
鍼灸の効果には、体質や体調、施術内容との相性などによってばらつきがあり、すべての人に同じような結果が得られるわけではありません。
特に、医学的に効果があるはずと強く信じて受けると、実感とのギャップに戸惑うこともあるでしょう。
通い続ける手間や時間の負担が大きい
不妊鍼灸は一度の施術で完結するものではなく、数カ月にわたって継続的に通院する必要があります。
体外受精(IVF)との併用では、移植の3〜6カ月前から週1回のペースで通院し、採卵日や移植日には追加の施術を受けるプランが一般的です。
このように回数を重ねていく過程で、仕事のスケジュール調整が困難になったり、家事や育児との両立に支障をきたしたりする場合があります。
また、施術後に眠気や倦怠感を感じることで、その後の予定に影響が出てしまうケースも少なくありません。
不妊治療はもともと、スケジュールが過密になりやすいものです。
そこに鍼灸通院を加えることで、生活に無理が生じないか。長期間にわたって現実的に続けられるかどうか。
こうした点は、あらかじめしっかりと検討しておく必要があります。
保険適用外のため期待する効果に対する費用負担が大きい
日本では、不妊治療(体外受精など)の一部が保険適用の対象となりましたが、鍼灸は原則として自費診療です。
東京では不妊鍼灸1回あたり6,000〜10,000円程度が一般的で、継続すると数十万円規模になるケースもあります。
交通費や移植当日の追加施術などを含めれば、負担はさらに膨らむこともあるでしょう。
こうした背景から、費用に見合うかどうかを冷静に見極め、無理のない範囲で検討することが重要です。
不妊鍼灸にデメリットを感じている人の声
不妊鍼灸は「体を整えることで妊娠を後押しする」という期待から、多くの方が取り入れている一方で、SNSには思い通りの結果が出なかった人の声も散見されます。
ここで、実際に投稿された個人の声をもとに、不妊鍼灸に対する不安や疑問、迷いの背景を紹介します。
高額な費用をかけても結果が出ずに苦しんだ声
8週で流産したあと、通っていた不妊クリニックでは涙を見せても「なんでやろおかしいな」と言われ、支えを感じられず辟易。
体質が悪いのかもと思い不妊鍼灸に通い始めた日々。
続きはnote →
流産後、治療を続けるか迷った日々|しゃちもち https://t.co/HsXtFMkSg3— しゃちもち (@shachimochii) September 7, 2025
「妊娠8週で流産したあと、体質が悪いのかもと思い不妊鍼灸に通い始めた」という声があります。
この方はその後の体験をnoteにまとめており、1回15,000円の施術を2週に1回、8カ月間続けたといいます。
しかし妊娠には至らず、積み重なった費用だけが重くのしかかりました。
通うほどに「これだけやっても妊娠できないのか」と不安や自己否定の気持ちが増していった様子も綴られています。
この声は、鍼灸が補助療法であるため必ずしも結果につながらず、費用負担が精神的な重圧になる可能性があることを示しています。
広告規制を知って不信感を抱いた声
全然知りませんでした!「不妊鍼灸」だけでアウトとは、かなり厳しい基準なんですね。
我が家の近所にも不妊鍼灸をバリバリ前面に出している鍼灸院があるので、厚生労働省や保健所に通報しておこうかな… https://t.co/mb2nzxWZL1— よしかげ@胚培養 (@embryo_yoshi) April 2, 2025
「不妊鍼灸という言葉が広告で使えないと知って驚いた。そんなに厳しいなら怪しいのでは?と思った」という声が見られます。
厚生労働省のガイドラインでは、施術内容や効能を連想させる名称は誤解を招くとして広告での使用が制限されており、「不妊鍼灸」もその1つに含まれています。
こうした規制の存在を知ったことで、不妊鍼灸そのものに不信感を抱く人がいるのも事実です。
過大広告を防ぐための制度でありながら、利用者にとっては「情報が制限されている=信用できない」と映ってしまうこともあるようです。
「医学的根拠がない」と厳しく指摘する声

「鍼灸で体を整えるのは理解できるが、不妊治療は産婦人科医の範疇。根拠も免許もないのに語るのは無責任」といった強めの意見も投稿されています。
実際、鍼灸師には医師免許がないため、診断行為や医学的効果の断定はできません。
こうした背景を知らないまま「妊娠に効く」といった表現を信じて通い続けた結果、医学的ケアが遅れるリスクや、不要な不安を招いてしまう可能性もあります。
鍼灸を否定する意図ではなく、「補助的な療法として捉えるなら良いが、主治療のように受け取るのは危険」という慎重な意見として、参考になる声です。
「とりあえず試す」前に検討したい、妊活鍼灸以外の選択肢
鍼灸は妊活を支える手段の1つですが、「費用や通院の負担を考えると慎重に決めたい」と迷う声も少なくありません。
鍼灸に限らず、体の内外から整える方法としては漢方や整体、よもぎ蒸しなども知られており、補助的に取り入れている方もいます。
それぞれの特徴や注意点を知っておくことで、自分に合った方法を見つけやすくなるかもしれません。
漢方
漢方は、月経周期やホルモンバランスを整え、卵子や子宮の状態を内側から高めるアプローチとして注目されています。
特に30代後半以降は卵子の酸化ストレスが課題になるため、抗酸化作用のある生薬を組み合わせた処方は、妊活とエイジングケアの両面から期待されています。
体質に合わせて柔軟に調整できる点も漢方の特長で、冷えやストレスによる自律神経の乱れにも働きかけるとされています。
富山の「漢方薬房こうのとり」では、妊活を専門とする薬剤師が生活習慣まで丁寧にカウンセリングし、適切な漢方を一人ひとりに合わせて提案しています。
医療と並行しながら、体調をじっくり整えていきたい方にとって、頼れる選択肢の1つです。
整体
整体は、骨格のゆがみや筋肉の緊張をゆるめ、骨盤内の血流や自律神経の働きを整えることで、妊活を支える方法として注目されています。
猫背や骨盤のゆがみを調整することで、ホルモンバランスや睡眠の質の改善につながったという声もあります。
ただし、刺激の強い矯正は控えたほうがよい時期もあるため、妊活中であることを事前に伝え、必要に応じて医師に相談することが大切です。
頻度は週1〜隔週で通う方が多く、鍼灸や漢方と組み合わせてストレスケアの一環として取り入れる人もいます。
施術者との相性や、無理のない継続ペースを意識することがポイントです。
よもぎ蒸し
よもぎを煮出した蒸気で下半身を温める「よもぎ蒸し」は、冷え対策やリラックスを目的に取り入れられることが多い民間療法です。
「足先まで温まった」「汗をかいてスッキリした」といった体感の声も多く、冷えやストレスが気になる方には人気があります。
ただし、妊娠率の向上に直結する医学的な根拠は今のところ十分とはいえず、あくまで補助的なセルフケアとして考えるのが現実的です。
また、妊娠中は子宮への刺激を避けるため、よもぎ蒸しは控えるかフットスチームに切り替えるなど、施術側も慎重な対応が求められます。
やけどや感染予防のためにも、衛生管理の整った実績のあるサロンで、医師と相談しながら利用するのが安心です。
不妊鍼灸を選ぶ場合のポイント
不妊鍼灸は補助療法とはいえ、数カ月単位の通院や費用の負担があるため、始める前にいくつかのポイントを確認しておくと安心です。
信頼できる鍼灸院の選び方や、通うペース、治療法に合わせた施術のタイミングなどを押さえておけば、焦りや遠回りを防ぐことにもつながります。
ここでは、実際に不妊鍼灸を受ける際に知っておきたい基礎知識を押さえていきましょう。
鍼灸院の選び方
鍼灸院選びで重視したいのは、症例数や実績の公開情報の透明性です。
不妊専門をうたっていても、妊娠率の算出方法や施術回数が曖昧なところもあるため、実績を数値で示しているか、婦人科や専門医と連携しているかを確認しておきましょう。
また、国家資格(はり師・きゅう師)を持っているかは基本条件ですが、不妊治療の経験が豊富な施術者が在籍しているかどうかも重要な判断ポイントです。
長期間にわたって通院する可能性があるため、以下のようなポイントも続けやすさに関わってきます。
- 自宅や職場から無理なく通える場所かどうか
- 営業時間がライフスタイルに合っているか
- 初診時に通院計画や料金を明示してくれるか
不妊鍼灸に通う頻度
妊活を目的とした鍼灸治療では、週1回のペースで3〜6カ月間継続する治療院が多く見られます。
冷え性が顕著な方、月経周期に乱れがある方、40歳以上の方については、治療開始から数週間は週2回に頻度を上げるケースもあります。
体調が安定してきた段階で、隔週または月2回程度に頻度を減らし、メンテナンス的な治療に移行するのが一般的な流れです。
ただし、通院頻度を高めすぎると身体的な疲労が蓄積したり、経済的な負担が重くなったりするおそれがあります。
施術者としっかり相談し、ご自身の体調や日常生活とのバランスを考慮しながら、適切な頻度を見つけることが重要です。
不妊鍼灸に行くタイミング・時期
自然妊娠を目指す場合は、排卵期に骨盤内の血流を改善する目的で施術を受けるタイミングが効果的とされています。
体外受精では、採卵の3〜6カ月前から週1回程度の通院を開始し、移植当日にも追加の施術を行うクリニックもあります。
移植後は子宮の緊張を和らげて着床しやすい環境を整えるため、より刺激の少ない手技に変更するのが一般的です。
生理痛や冷え性にお悩みの方については、高温期にも鍼灸治療を取り入れて自律神経のバランスを整えることもあります。
治療を成功させるポイントとして、担当医師と鍼灸師の間でスケジュールを共有し、薬剤使用のタイミングと施術が重複しないよう細かく調整することを意識しましょう。
【FAQ】不妊鍼灸に関するよくある質問
不妊鍼灸に関しては、施術のタイミングや頻度、通院中の注意点など、初めての方にとってわかりづらい点も少なくありません。
実際に多く寄せられる質問をもとに、現場での対応や考え方を一緒に確認していきましょう。
採卵前に行くと効果的というのは本当?
施術の頻度や方法には研究ごとにばらつきがあり、「採卵前に通えば確実に効果が出る」とは言い切れません。
採卵時期とあわせて鍼灸を検討する際は、主治医と鍼灸師がスケジュールを共有し、薬剤とのタイミングや体調面を考慮しながら進めることが大切です。
出典:Acupuncture for women undergoing in vitro fertilization: An updated systematic review and meta-analysis with trial sequential analysis|National Library of Medicine
生理中でも行くべき?
生理中の鍼灸は、月経痛や関連する不快症状の緩和に役立つ可能性があるとする報告があります。
ただし出血量が多い時や体調がすぐれない日は、刺激を控えめにする、または施術を1回休む判断をすることもあります。
強い症状がある日に無理に施術を受けると、かえって疲労感が残るケースもあるため、「低刺激で緩和を狙う」か「体調回復を優先する」かを施術者と相談して判断するとよいでしょう。
出典:The efficacy and safety of acupuncture in women with primary dysmenorrhea|National Library of Medicine
施術は痛い?副作用はある?
鍼灸で使用される鍼は非常に細く、太さは髪の毛ほどと言われています。
そのため、痛みは感じにくいとされますが、刺す部位によってはチクッとした刺激を覚えることもあります。
大規模なレビュー研究によると、主な副作用は痛み・微出血・内出血で、いずれも軽症にとどまり、重篤なケースはまれとされています。
一部の人には、めまいや倦怠感が見られることもありますが、多くは一過性です。
不安がある方は、使い捨て鍼の有無、衛生管理や緊急時の対応体制を事前に確認しておくと安心です。
施術中もリラックスできる姿勢で臨むと、刺激を感じにくくなります。
出典:Adverse effects associated with acupuncture therapies: An evidence mapping from 535 systematic reviews|National Library of Medicine
不妊治療で効果がでていない……そんなときは漢方が有効な選択肢に
不妊鍼灸は「体を整える」補助療法として一定の評価を受けていますが、効果の個人差や通院の手間、費用の高さに悩む声も少なくありません。
実際に通った方の中には、「期待していたほどの効果がなかった」とギャップを感じるケースも見られます。
そもそも鍼灸や整体については、専門学校で使用される教科書の冒頭に 「内臓病には効果がない」 という記述があります。ここでいう「内臓」には、子宮・卵巣・精巣といった妊活に関わる臓器も含まれます。
そのため、卵子や精子の質を高める・着床しやすくする といった目的では、鍼灸・整体・よもぎ蒸しに過度な期待を寄せないほうがよいでしょう。
一方で、メンタル面の安定や気持ちの切り替えがうまくいくなど、心身のバランスが整うことで妊活を前向きに続けられるのであれば、これらの施術を完全に否定しているわけではありません。実際に、鍼灸や整体を続けながら「漢方薬房こうのとり」の子宝漢方を併用し、妊娠・出産に至った方も毎年複数おられます。
また、よもぎ蒸しについても、冷えの改善には一定の効果がある と考えています。
ただし、妊娠に直結する根本改善を目指す場合、体の内側へ働きかける漢方という選択肢が挙げられます。ホルモンバランスや自律神経の乱れ、冷え、血流の滞り(瘀血)など、複数の要因が絡み合う不調に対し、多角的にアプローチできる点が特徴です。
北陸富山の「漢方薬房こうのとり」では、妊活専門の薬剤師が月経周期や体質を丁寧に確認し、現代中国の最先端理論に基づいた漢方を用いてサポートしています。生理痛や排卵痛の原因となる瘀血を整えることで、痛み自体が起こらなくなる方や、服用終了後も再発しないケースも珍しくありません。
当店には、
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北陸富山の「漢方薬房こうのとり」では、妊活専門の薬剤師が月経周期や体質に応じて処方提案を行っており、毎年30〜50件前後の妊娠報告が寄せられています。
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