仕事のストレスは妊活に影響する?ストレスと不妊の関係も解説

仕事のストレスは妊活に影響する?ストレスと不妊の関係も解説

この記事を監修した人

戸口 瑞之

京都薬科大学特命教授 兼 薬剤師

戸口 瑞之

漢方薬房こうのとり代表

元富山総合薬局代表。現漢方薬房こうのとり代表・管理薬剤師 / 現京都薬科大学特命教授。 飲む量の加減のみ必要で万人に合う現代の中国漢方(中医)に大学病院時代から36年携わる。 漢方薬房こうのとりでは、直近3年で100人以上の方が目標を達成されています。

妊活や不妊治療を進める中で、仕事のストレスが気になっている方は多いのではないでしょうか。

「ストレスが妊娠に影響を与える」と聞いたことがあっても、実際にどのような影響があるのか、仕事と妊活をどのように両立すればよいのか、悩んでいる方もいるかもしれません。

この記事では、妊活と仕事の両立に悩んでいる方にとって、少しでも役立つ情報をお届けします。ぜひ最後までお読みください。

仕事のストレスは妊活・不妊治療に影響する?


「仕事のストレスが妊活に悪影響を与える」と聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。実際に、ストレスはホルモンバランスを乱し、自律神経の働きを不安定にすることで、妊娠の可能性に影響を及ぼすことが分かっています。

ストレスがホルモンバランスに与える影響


ストレスを感じると、体内で「コルチゾール」や「プロラクチン」といったホルモンが分泌されます。これらは女性ホルモンの分泌を抑制し、排卵のリズムを不安定にする可能性があります。

また、山梨大学の研究によると、ストレスは月経周期にも影響を与え、排卵のタイミングが乱れることが報告されています。排卵の周期が不規則になると、妊娠しやすいタイミングが分かりにくくなり、妊活の成功率が低下することが考えられます。

自律神経の乱れと生殖機能への影響


ストレスが続くと、自律神経のバランスが崩れ、交感神経が優位な状態が続きます。その結果、血流が悪化し、子宮や卵巣への血流が不足することで、子宮内膜が厚くなりにくくなったり、卵巣の働きが低下したりする可能性があります。

さらに、厚生労働省の調査では、不妊治療と仕事の両立が難しい理由として、以下のようなストレス要因が挙げられています。

  • 通院の待ち時間が長く、スケジュールが立てにくい
  • 仕事の都合で医師が指定した通院日に行けない
  • 精神的な負担が大きい


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ストレスは男性の生殖機能にも影響する


妊活は女性だけの問題ではありません。ストレスは男性の生殖機能にも影響を及ぼし、精子の運動率を低下させたり、形態異常のリスクを高めたりすることが指摘されています。

そのため、パートナーと協力しながらストレスを軽減することが、妊活を成功させるために重要になります。

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出典:
不妊治療を受けている女性がおかれている環境についての実態調査|J-STAGE
不妊治療中の女性に及ぼすストレス因子の分析|西脇 美春
不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック|厚生労働省



仕事を続けながら妊活・不妊治療をするためのポイント


仕事を続けながら妊活や不妊治療を進めるためには、職場の理解と適切な制度の活用が重要です。以下に、具体的なポイントをまとめました。

職場への伝え方と相談方法


不妊治療は通院頻度や時間が不規則になることが多いため、上司や人事部門に状況を伝えることが大切です。厚生労働省が提供する「不妊治療連絡カード」を活用すると、治療内容や通院頻度を職場に伝えやすくなります。

不妊治療連絡カードの記載例



連絡事項

記載内容

不妊治療の実施(予定)時期

令和○年○月○日

特に配慮が必要な事項

当該治療日については、2時間の勤務時間の短縮が必要であり、配慮をお願いする。

その他


出典:不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック|厚生労働省



利用できる制度や支援の活用


多くの企業では、妊活や不妊治療を支援するための制度を導入しています。主な制度を以下にまとめました。

制度名

内容

不妊治療のための休暇制度

不妊治療専用の休暇を設けている企業があります。

時差出勤制度

通院時間に合わせて出勤時間を調整できる制度です。

短時間勤務制度

治療期間中、勤務時間を短縮することで負担を軽減します。

フレックスタイム制

勤務時間を柔軟に設定でき、通院や体調に合わせて働けます。

テレワーク制度

自宅での勤務を許可し、通院や体調管理をしやすくします。


職場環境の整備と企業の取り組み


企業側も、不妊治療と仕事の両立を支援するための環境整備が求められています。例えば、休暇制度の導入や勤務体制の柔軟化、管理職や従業員への啓発活動などが効果的です。

これらのポイントを踏まえ、職場と連携しながら妊活・不妊治療を進めることで、仕事との両立がよりスムーズになるでしょう。

妊活・不妊治療中の仕事に対するストレスの解消法


妊活や不妊治療中のストレスを軽減するための方法を4つ紹介します。

  • パートナーや信頼できる人に話を聞いてもらう
  • リラックスタイムを設ける
  • 適度な運動を取り入れる
  • 専門家に相談する


パートナーや信頼できる人に話を聞いてもらう


妊活中の不安や悩みを一人で抱え込まず、パートナーや信頼できる友人、家族に話すことで、気持ちが軽くなることがあります。コミュニケーションを通じて、精神的な支えを得ることができます。

リラックスタイムを設ける


意識的にリラックスできる時間を作ることが大切です。例えば、好きな音楽を聴く、読書をする、温かいお風呂にゆっくり浸かるなど、自分に合った方法で心身をリフレッシュしましょう。

適度な運動を取り入れる


ウォーキングやヨガなどの適度な運動は、ストレス解消や血行促進に効果的です。無理のない範囲で、定期的に体を動かす習慣をつけると良いでしょう。

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専門家に相談する


妊活や不妊治療に関する悩みやストレスが大きい場合、専門のカウンセラーや医療従事者に相談することも検討してください。専門家のサポートを受けることで、適切なアドバイスや心のケアを得ることができます。

ストレス解消法にはさまざまな方法がありますが、すべての人にとって簡単に実践できるとは限りません。大切なのは、自分にとって無理のない方法を少しずつ取り入れていくことです。今すぐに実践できなくても、気持ちが落ち着いたときに試してみるくらいの気持ちで向き合うことも大切です。

仕事を辞めたら(仕事のストレスがなくなったら)妊娠できた人の体験談


ここでは、実際に仕事のストレスがなくなったタイミングで妊娠できた方々の声をご紹介します。

「私には、不妊と乳がんの経験があります。 健康体と思っていたのに、妊娠出来ず、何にもする気がなく、仕事をやめた途端、妊娠。仕事がストレスだったのかも、 そして、子育て中、夫との関係が悪くなった時に乳がんが見つかる。早期のため、手術をして今は寛解。 ストレスが体に及ぼす大きさを知った」



妊活に限らず、無自覚のストレスが体を蝕むケースはよくあるものです。仕事をやめる決断は容易ではないですが、そのストレスを少しでも取り除けると、物事が好転しそうですね。

妊娠するホルモンの司令塔は脳にある🧠 だから身体の疲れより、頭の疲れって妊娠にはダメージが大きいのよ 仕事のストレスがある時とかさ、採卵ホントできなかったもんなー 排卵抑制剤効かず、卵育たず 採卵できても着床できず… よく、妊活やめたら妊娠したとかいうのを聞くよね そういうことかも



採卵がうまくいかない方の中には、普段の生活の中で過度なストレスがかかっている方も多数います。不妊治療によるストレスもかかるので、なかなかうまくいかない状況にも頷けます。

妊活は人それぞれのペースがあり、仕事とのバランスも異なります。自分に合った方法を見つけることが、妊娠への近道になるかもしれません

妊活・不妊治療のために休職・退職を検討する際の注意点


妊活や不妊治療のために休職や退職を考える際は、慎重な判断が必要です。仕事を辞める前に、利用できる制度や経済的な影響をしっかりと確認しましょう。

退職の前に、今の職場でできる工夫を考える


仕事と妊活を両立する方法があるか、まずは現在の職場で調整できることを考えましょう

  • 業務量の調整
  • 勤務時間の変更
  • 休暇制度の活用
  • 職場との相談


まずはこれらの選択肢を試し、それでも難しい場合に休職や退職を視野に入れるのがおすすめです。

経済的な影響を考える


休職や退職をすると、収入が減少するため、治療費や生活費にどの程度の影響があるかを試算しておく必要があります。

  • 不妊治療の費用(治療のステップアップにより、負担額が大きくなる可能性がある)
  • 自治体の助成金制度(住んでいる地域の助成制度を活用できるか確認する)
  • 健康保険の給付(傷病手当金など、利用できる公的支援があるか調べる)
  • パートナーの収入や家計の見直し(収入が減る分、生活費の見直しが必要になる)


経済的な不安がある場合は、退職せずに制度を活用しながら治療を進める選択肢も考えましょう。

キャリアへの影響を考慮する


一度退職すると、復職が難しくなるケースもあります。特に、専門職やキャリアを積み重ねてきた場合、今後の働き方にどのような影響があるかをよく考えておきましょう

  • 復職のしやすさ
  • スキルの維持
  • 仕事と治療の両立可能性


また、退職を考える前に、短時間勤務や休職制度を利用するなど、ほかの選択肢がないかを検討してみましょう。

妊活のための体質改善には、漢方がおすすめです


妊活において、ストレスは大敵です。ホルモンバランスの乱れや自律神経の不調を引き起こし、妊娠の可能性に影響を及ぼすことがあります。

私たち漢方薬房こうのとりでは、一人ひとりの体質や妊活の状況に合わせたオーダーメイドの漢方処方を行っています。実際に、多くの方が当店の漢方サポートを通じて妊娠・出産を叶えています。

また、西洋医学でなかなか成果が出なかった方でも、漢方を取り入れることで体調が整い、自然妊娠につながるケースも珍しくありません。特に、以下のような方には、漢方のアプローチが適しています。

  • 何度も人工授精・体外受精を試しても結果が出ない
  • 病院の検査では異常がないのに、なかなか妊娠しない
  • 冷え性や生理不順、PMS(月経前症候群)がある
  • 仕事や妊活のストレスが大きく、心身ともに疲れている


漢方薬房こうのとりでは、じっくりとカウンセリングを行い、あなたの体質に合わせた最適な漢方と生活習慣の改善方方法をご提案します

「妊活をもっと前向きに進めたい」「西洋医学の治療だけでなく、体質改善にも取り組みたい」とお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。妊娠しやすい体づくりを、漢方の力でサポートいたします。

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