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妊活・不妊治療

タンポポ茶は妊活に効果的?成分や飲み方を詳しく解説

この記事を監修した人

京都薬科大学特命教授 兼 薬剤師
戸口 瑞之
漢方薬房こうのとり 代表

元富山総合薬局代表。現漢方薬房こうのとり代表・管理薬剤師 / 現京都薬科大学特命教授。
飲む量の加減のみ必要で万人に合う現代の中国漢方(中医)に大学病院時代から36年携わる。
漢方薬房こうのとりでは、直近3年で100人以上の方が目標を達成されています。

妊活中の飲み物として注目されているタンポポ茶は、ホルモンバランスや血流を整える働きが期待され、体にやさしいノンカフェイン飲料として親しまれています。

一方で、製品の比較情報や副作用・妊娠中の安全性、「ショウキ T-1」との違いなど、気になる情報も多く存在します。

この記事では、タンポポ茶の効果や注意点に加え、口コミやよくある質問も詳しくご紹介します。

妊活を前向きに進めたい方に向けて、安心して取り入れるためのヒントをまとめました。

タンポポ茶の妊活における効果・効能

ノンカフェインの「タンポポ茶」は、古くから漢方の世界でも用いられており、特にホルモンバランスや血行の巡りを意識した体づくりに役立つとされています。

また、妊活との関連では、ホルモンバランスの乱れが原因となる生理不順へのアプローチや、自律神経の調整にも期待が寄せられています。

ホルモンバランスを整え、排卵のリズムをサポート

妊娠に向けた体づくりには、エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの分泌リズムが整っていることが望ましいとされています。

これは、ホルモンバランスが乱れると排卵の周期が不安定になり、妊娠のタイミングをとりにくくなる場合があるためです。

タンポポの根に含まれる成分は、肝機能や体内の水分代謝をサポートする働きがあるとされ、冷えや自律神経の乱れが気になる方に利用されることがあります

妊活中には、こうした体内環境の改善が排卵や月経リズムの安定につながる可能性があるため、補助的なセルフケアとして活用されることもあります。

血流を促し、着床しやすい子宮環境へ

冷えや血流の滞りは、妊娠の大敵と言われています。子宮内膜に十分な血流が届かないと、着床しやすい環境が整いにくくなるためです。

タンポポ茶に含まれる苦味成分(タラキサシン)やイヌリンは、血行を促進し、体を温める作用があるとされています

特に女性に多い下半身の冷えやむくみに悩む方にとっては、日常的にノンカフェインで飲めるタンポポ茶は心強い味方です。

体の内側から温まることで、子宮まわりの血流がスムーズになり、着床に適した状態を目指しやすくなります。

抗酸化作用で卵子の質を守る働きにも注目

卵子の質は、妊娠のしやすさや胚の成長に大きく影響します。

加齢や生活習慣の乱れによって卵子の老化が進むことが知られていますが、これを防ぐ方法の1つが「抗酸化ケア」です。

タンポポ茶に含まれるポリフェノールなどの抗酸化成分は、酸化による細胞のダメージを軽減する働きがあるとされます

特別な準備をせず、日々の飲み物でこうしたケアを取り入れられる点も、妊活中の女性に人気の理由です。

タンポポ茶と「ショウキ T-1」の違いについて

妊活中に「たんぽぽ茶」を検索していると、よく目にするのが「ショウキ T-1」という商品名です。どちらもタンポポの名が付くことから混同されやすいのですが、両者は原料こそ共通するものの、抽出する部位や主成分、働きに違いがあります。

ここではまず、「ショウキ T-1」がうたうはたらきを整理し、その特徴を明らかにします。

「ショウキ T-1」がうたうはたらき

「ショウキ T-1」は、タンポポの葉から抽出した「T-1糖鎖エキス」を主成分とする清涼飲料です。T-1糖鎖は、女性ホルモンのバランスを整える作用があるとされており、排卵や月経リズムをサポートする目的で使われています。

また、糖鎖成分には血流の巡りを助ける作用や、体の冷えを和らげる働きがあるとされ、子宮環境の改善を目的に使われることもあります。

さらに、精子・卵子・子宮内膜の間で行われる細胞間コミュニケーションに関わる糖鎖の働きが、受精や着床を支える仕組みに寄与しているという説明も見られます。

一部の不妊専門薬局では、糖鎖を含む製品が子宮内膜の厚みや排卵リズムに影響を与えたとする報告もあり、鍼灸などと組み合わせた活用例が紹介されています。

ただし、こうした効果はあくまで食品としての範囲で語られており、医薬品のような効能が科学的に確立されているわけではありません。生活習慣や体質改善とあわせて取り入れる姿勢が現実的と言えるでしょう。

タンポポ茶との成分・抽出部位の違いとは?

「ショウキ T-1」と一般的なタンポポ茶は、いずれもタンポポを原料としていますが、使われている部位と製法に大きな違いがあります。

タンポポ茶が「根(主に焙煎加工)」を使っているのに対し、「ショウキ T-1」は「葉」から抽出された糖鎖エキス(T-1エキス)を主成分としています。

また、タンポポ茶は体の冷えや巡りを整える目的で広く飲まれている一方、「ショウキ T-1」は妊活支援を前面に出した特化型の飲料です。

それぞれの作用や価格帯も異なるため、「何のために飲むか」を明確にして選ぶことが大切です。

「ショウキ T-1」だけに頼らず、体調全体の見直しも

「ショウキ T-1」は妊活のサポートとして注目されている一方、それだけで妊娠につながるわけではありません。

実際に、体外受精やタイミング法と併用しながら飲用されているケースが多く、妊娠率も個人差があります。

冷えやホルモンバランスの乱れといった妊活の背景には、「瘀血(血の滞り)」や「腎虚(体の土台の衰え)」など、漢方的に見た体質の問題が潜んでいることもあります。こうした根本的な体調の乱れを見直し、必要に応じて漢方や生活改善を取り入れていくことが、妊娠しやすい体を育てるための近道になる場合もあります。

タンポポ茶は妊活中に飲んで副作用や危険はない?

体調がデリケートになる妊活中、「本当に飲んでも大丈夫?」と心配になる方も少なくありません。自然由来とはいえ、体に取り入れるものだからこそ、安全性については事前にしっかり確認しておきたいところです。

ここでは、タンポポ茶の副作用に関する情報や、妊活中に気をつけたい飲み方のポイント、持病がある方・服薬中の方にとっての注意点などをまとめます。

妊活中の副作用リスクは?報告されている影響と注意点

一般的に、タンポポ茶は妊活中に飲んでも大きなリスクは少ないとされています。厚生労働省のeJIM(統合医療)サイトでは、通常の食品として摂取する量であれば、安全性の高い素材とされています。

ただし体質によって反応が異なることもあるため、初めて飲む際は少量から試すと安心です

また、タンポポには利尿作用があるため、冷えやすい方は就寝前の摂取を避けるなど、タイミングに配慮しましょう。「自然のものだから安心」と思い込まず、体調に合わせて取り入れることが大切です。

出典:タンポポ|厚生労働省

持病がある人・服薬中の人が注意すべきことは?

タンポポ茶は自然由来の飲み物ですが、持病がある方や薬を服用している方は飲み合わせに注意が必要です。利尿作用のあるため、腎機能に関わる薬や降圧薬を使用している場合は、医師に相談のうえで飲むと安心です。

また、タンポポはキク科の植物に分類されるため、キク科アレルギーをもつ方はアレルギー反応のリスクがあります。妊活中は体の変化に敏感になりやすいため、不安がある方は医師や薬剤師に確認しながら取り入れましょう。

飲みすぎはNG?妊活中の適量と飲み方の目安

タンポポ茶はノンカフェインで日常的に飲みやすいお茶ですが、体によいからといって飲みすぎてしまうのは避けたいところです。

特に妊活中はホルモンバランスが変化しやすく、過剰な摂取によって体調が乱れる可能性もゼロではありません。

明確な上限量は示されていませんが、1日2〜3杯を目安に、体調を見ながら取り入れるのが一般的です

胃腸が弱い方や冷えやすい方は、空腹時や就寝前の摂取を避けるとよいでしょう。

また、ハーブティーや健康茶に共通することとして、一定期間飲み続けたらいったん休む「お休み期間」を設けるのも1つの方法です。タンポポ茶もハーブティーに含まれるため、こうした飲み方の工夫は相性を確かめながら継続するうえで役立ちます。

毎日の習慣として取り入れる際には、自分の体との相性を見ながら、無理のない範囲で続けていきましょう。

妊娠中でもタンポポ茶を飲むと効果がある?

妊娠中は体の変化が大きく、普段飲んでいるお茶でも「飲み続けて大丈夫かな」と不安になることがあります。

タンポポ茶は一般的にノンカフェインで、安全性の高い飲み物とされていますが、妊娠中に多量に摂取した場合の安全性については、十分なデータがありません

一方、「ショウキ T-1」(タンポポ葉エキス)については、母乳分泌を促す目的での使用に一定のエビデンスがあるとされ、産後に取り入れるケースも見られます。

ただし、妊娠中の利用に関しては個人差が大きく、過信せず慎重な判断が求められます。妊娠中の利用については個人差が大きいため、医師や助産師に相談したうえで、体調に応じて慎重に取り入れるようにしましょう。

出典:タンポポ|厚生労働省

【口コミ】タンポポ茶の妊活における評価・評判

口コミを見てみると、「体がぽかぽかした」「腸内環境が整った」「母乳が出やすくなった」といった体感の声がある一方、「妊娠にはつながらなかった」と正直な感想も見られます。なかには「不妊治療で藁にもすがる思いでタンポポ茶を購入した」と話す方もおり、切実な気持ちから取り入れるケースも少なくありません。

味や香りに特徴はありますが、「妊活のためなら続けられる」と前向きに捉える声もあります。

妊娠を目指すうえでの直接的な効果は限定的かもしれませんが、補助的なセルフケアとして取り入れるのも1つの方法です。

おすすめのタンポポ茶は?

妊活中に取り入れられているタンポポ製品には、主に「根」を使ったお茶タイプと、「葉」から抽出したエキスタイプの2種類があります

例えば、「オーガニック ローストタンポポティー」は、焙煎したタンポポの根を使っており、香ばしく飲みやすいノンカフェインのお茶として人気です。

血流や巡りのサポートを期待して、日常的に取り入れやすいのが特長です。

一方「「ショウキ T-1」プラス」は、タンポポの葉から抽出されたT-1エキスを主成分とし、ホルモンバランスのサポートや母乳分泌を目的に扱われることが多い製品です。いずれも医薬品ではありませんが、成分や目的が異なるため、自分の体調や妊活ステージに合わせて選ぶことが大切です。

以下の比較表も参考にしながら、自分に合ったものを見つけてみてください。

商品名主成分特徴期待される効果向いている人
オーガニック ローストタンポポティータンポポの根(焙煎)・ノンカフェイン
・香ばしく飲みやすい
・血流促進
・巡りを整える
・老廃物の排出サポート
手軽に始めたい/お茶感覚で続けたい人
ショウキ T-1プラスタンポポ葉エキス(T-1)・妊活・母乳分泌サポート
・一部薬局で販売
・ホルモン分泌の調整
・排卵リズムのサポート
・母乳促進
成分にこだわりたい/子宝相談と併用したい人

【FAQ】タンポポ茶と妊活に関するよくある質問

ここでは、よく寄せられる質問をもとに、妊活中の方が安心してタンポポ茶を選べるよう、気になるポイントをQ&A形式で整理しました。

「たんぽぽの根っこ茶」も妊活に有用?

たんぽぽの根を使った「根っこ茶」は、焙煎することで香ばしい風味になり、ノンカフェインなので妊活中でも安心して飲める点が特徴です。根にはイヌリンやカリウムが含まれ、利尿や血流改善により冷えやむくみの解消が期待されるとされています。

また、タンポポ根には苦味成分「タラキサシン」が含まれており、肝機能をサポートする伝統的な効能が知られています。

つまり、根っこ茶には妊活に親和性のある作用がいくつか含まれており、補助的なセルフケアとして取り入れる人も多いようです。

カルディの「たんぽぽコーヒー」も妊活に有用?

カルディなどで販売されている「たんぽぽコーヒー」は、焙煎した根を濃く抽出したもので、香りがコーヒーに近く、コーヒー代替として飲む方も多いです。

その一方で、妊活への有効性を直接うたう科学的根拠は確認されていません

ただし、ノンカフェインであることから「冷え防止」「むくみ改善」など飲みやすさの面で評価されており、妊活中の生活に取り入れやすいとの声もあります。

葉と根、妊活にはどちらが良い?

タンポポには、葉と根で異なる成分が含まれており、妊活における目的や体質に応じて使い分けられることがあります。

葉にはホルモンバランスの調整を助けるとされる成分があり、生理周期の乱れが気になる方にはT-1エキスなどの製品が活用されています。

根には血流改善や利尿作用を持つ成分が豊富で、冷えやむくみの対策として選ばれることがあります。

妊活中の方は、「葉」はホルモンリズムの安定に、「根」は巡りや冷えの改善に向く傾向がありますが、明確な線引きが難しい場合もあります

迷うときは、飲みやすさや続けやすさを基準に試すのも1つの方法です。不安があれば、専門家への相談も検討しましょう。

実は、タンポポ茶よりも効果的な手段は多い

タンポポ茶は、妊活中の体づくりをサポートする飲みものとして紹介されることがありますが、「漢方薬房こうのとり」では妊活目的での使用はしておらず、母乳の出が気になる方へのサポートに限定して用いています

妊活においては、ホルモンバランスや血流の改善をはじめ、体質に合わせたアプローチが重要です。寝室を暖かく保つ・衣類で調整するなどの「冷え対策」、栄養や睡眠の見直し、そして1人ひとりの体質に応じた「漢方治療」など、日常生活からの多角的な見直しが妊娠を目指すうえで役立つと考えています。

「漢方薬房こうのとり」では、現代中国の医師と共同開発した『こうのとり漢方』を用いて、体の内側から妊活をサポートしています。

実際にこの漢方を服用された方のうち、妊娠判定で陽性が確認された割合は、半年以内で50%以上、1年以内で70%以上、1年半以内で80%以上、そして2年以内では89%以上に上るという結果が得られています

また、女性だけでなく男性不妊にも対応した個別のご相談を行っており、ご夫婦そろって安心して取り組める体制を整えています。

店舗での対面相談に加え、オンラインでのご相談も可能です。妊娠から出産まで、1人ひとりの状況に寄り添ったサポートをご提供しています。「自分に合った方法がわからない」と感じたときは、まずは一歩踏み出すところから。私たちと一緒に、妊活の可能性を広げていきましょう。

監修者コメント

薬学部で生薬を学んだ方の中には、タンポポについて「母乳の出をよくする作用がある」と学んだ記憶がある方も多いかもしれません。私自身も当時の教科書やノートを見返してみましたが、「母乳分泌」に関する記載はあっても、妊活との関連について触れられた記述は見当たりませんでした。信頼性の高い資料として広く用いられている『健康食品・サプリ「成分」のすべて ナチュラルメディシン・データベース日本対応版(第7版)』(日本医師会/日本歯科医師会/日本薬剤師会 総監修)でも、タンポポ(Dandelion)については以下のような説明がなされています。

「タンポポの葉や根は、ヨーロッパでは胃腸の症状に広く用いられ、ドイツ当局により、軽度の肝機能低下や食欲不振、消化不良、排尿の改善などに対する使用が認められている」

ただし、同書内には妊活に関わる記述は一切なく、そうした目的での使用実績についても特に紹介はされていません。

また、妊活関連で名前の挙がる健康補助食品の一つに「ショウキT-1」がありますが、ある県で妊活支援に力を入れている漢方薬局の先生によれば、「ショウキT-1単体で妊娠に至るケースは、全体の1割ほどではないか」といった見解があるようです。

この先生は、ショウキT-1を使用する場合でも、必ず体質に合わせた漢方薬を2種類ほど併用することを基本とし、そのうえで妊活のサポートを行っているそうです。体質やホルモンバランスは人によって異なるため、こうした個別対応が結果に影響する可能性があるとのことでした。

一方で、ショウキT-1を複数本まとめて購入させるような対応をとる販売者については、「十分な知識をもたないまま販売を行っているケースが見受けられる」と、やや批判的な見方をされていました。

このように、妊活に関心がある方が漢方や健康補助食品を取り入れる場合には、効果を期待するあまり情報を鵜呑みにせず、専門的な知見をもとに判断することが大切です。少しでも不安がある場合は、信頼できる専門家に相談してみるとよいでしょう。

 

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