40代になると自然妊娠できる確率は低くなり、不妊治療が必要になるという印象を持つ方は多いのではないでしょうか。ただできることなら自然妊娠がよいと思うのは当然かと思います。
今回は、40代で自然妊娠を望む方に向けて、40代の自然妊娠確率や妊娠しやすい人の特徴について詳しく解説します。
実際に40代で自然妊娠した人の声も紹介するので、参考にしてくださいね。
奇跡ではない？40代の自然妊娠の可能性
40代は20代よりも自然妊娠の確率が落ちるため、自然妊娠が可能かどうかに年齢が関わってくるのは事実です。もしかすると「40歳を超えたら自然妊娠するのは奇跡だ」という声を、SNSやブログで見て落ち込んだ経験がある方もいるかもしれません。
たしかに30歳を超えると不妊症が増加し、自然に妊娠する確率は低下します。しかし令和4年に厚生労働省によって行われた調査によると、40代女性の出産数は約5万人で、45歳以上女性の出産による出生数は前年よりも増加しています。
高齢出産と呼ばれる年齢になっても自然妊娠できる可能性は十分にあるのです。
また不妊症には、年齢以外にも健康状態や生活習慣などが大きな影響を及ぼします。たとえば、性感染症の既往歴や食生活の乱れ、喫煙などが不妊症の原因になるといわれています。
妊活中の40代でも、生活習慣を整えて不妊症の原因になりうる要素を取り除くことで、自然妊娠を叶えられるのです。
参考：
生殖医療Q&A：Q22．女性の加齢は不妊症にどんな影響を与えるのですか？│一般社団法人日本生殖医学会
令和４年（2022）人口動態統計月報年計（概数）の概況│厚生労働省
不妊症│公益社団法人 日本産科婦人科学会
不妊症Q&A│東京都妊活課
生殖医療Q&A：Q5．どんな人が不妊症になりやすいのですか？│一般社団法人日本生殖医学会
40代女性が自然妊娠する確率はどのくらい？
40代女性で自然妊娠できた人がどれほどいるか気になりますよね。ここからは、40代で自然妊娠した人の確率について詳しく解説します。
40代前半の妊娠確率
実際に40代前半の自然妊娠確率を表にまとめました。ご自身の年齢に該当する箇所を参考にしてくださいね。
| 女性の年齢 | 1年以内の自然妊娠率 |
|---|---|
| 40歳 | 27% |
| 41歳 | 27% |
| 42歳 | 23% |
| 43歳 | 21% |
| 44歳 | 20% |
年齢が上がるにつれて確率は下がりますが、40代でも自然妊娠を叶えている人が5人に1人います。ただし、高齢になると流産率も上昇するため、実際に妊娠を維持できる人はもう少し減ると考えられます。
また排卵1周期あたりの妊娠率は20代女性では25〜30%であるのに対し、40〜44歳女性では5%程度まで落ち込みます。自然妊娠を叶えるためには、長い目で見て妊活に取り組む姿勢が大切だとわかりますね。
さらに、不妊の原因は旦那様側にある場合もあります。実際に、旦那様が治療や漢方服用に積極的な場合は、出産成功確率が高いというデータもあります。
出典：Expanding reproductive lifespan: a cost-effectiveness study on oocyte freezing│Human Reproduction
40代後半の妊娠確率
40代前半において20%以上の人が自然妊娠を叶えていることがわかりましたが、40代後半でも自然妊娠は可能なのでしょうか。
海外の調査によると、45〜49歳の自然妊娠確率は5%前後だと発表されています。また参考として、不妊治療の1つである生殖補助医療を行って妊娠した確率を年齢別にまとめました。
| 女性の年齢 | 生殖補助医療で妊娠する確率 |
|---|---|
| 45歳 | 3% |
| 46歳 | 2% |
| 47歳 | 1% |
| 48歳 | 1% |
| 49歳 | 1% |
40代前半と比較して大幅に自然妊娠できる確率が低下していることが見て取れます。また生殖補助医療を行ったとしても、50歳に近づくにつれ妊娠の確率が1%まで落ち込みます。
自然妊娠が不可能ではないですが、かなり難しいという現実が伺えますね。
出典：ART妊娠率・生産率・流産率 2019│公益社団法人 日本産婦人科学会
経産婦のほうが妊娠確率は高い？
初めて妊娠を経験する初産婦と、妊娠・出産経験のある経産婦では、自然妊娠の確率は違うのでしょうか。
結論は、初産婦と経産婦の自然妊娠率に差はありません。
海外の研究結果によると、初産婦と経産婦の間で自然妊娠率に差があるとは説明できないとされています。その研究では、42歳初産婦の自然妊娠率は15%であるのに対し、42歳経産婦の自然妊娠率は19%と示されています。ただそれぞれの確率に有意な差がみられないという結論でした。
妊娠・出産経験の有無は自然妊娠率に影響はなく、加齢が自然妊娠率に大きく影響すると考えられるでしょう。
参考：Age-related natural fertility outcomes in women over 35 years: a systematic review and individual participant data meta-analysis│Human Reproduction
【参考】40代男性の妊娠確率は？
近年、不妊の原因は女性だけでなく男性不妊も知られるようになりました。不妊の約半数は男性側に原因があるとまでいわれています。
男性不妊の原因にも加齢があります。40代男性の妊娠率は30代後半男性の確率よりも10%低下するといわれています。
40歳以降は精巣機能の低下により精子の質が低下してしまい、妊娠率が下がるのです。
参考：
男性が知っておくべき不妊のリアル│三重県総合文化センター
生殖医療Q&A：Q25．男性の加齢は不妊症・流産にどんな影響を与えるのですか？│一般社団法人日本生殖医学会
実際に40代で自然妊娠した人の声
ここまでは40代で自然妊娠する確率をみてきましたが、実際に40代で自然妊娠した人の生の声が気になりますよね。
ここからは、実際の口コミを4つ取り上げて紹介します。
投稿した方は不妊治療で双子を出産した経験があるようですが、3人目は44歳で自然妊娠されたそうです。
妊活中に勇気になるであろう、41歳で自然妊娠を叶えた方の口コミです。
気づいたら43歳で自然妊娠しており、検診でも問題なく出産した方の投稿です。
この方は年齢を考慮して妊娠を諦めていたそうですが、不妊治療なしに42歳で自然妊娠を叶えたそうです。
SNSやブログなどを見てみると、ほかにも40歳以上で自然妊娠したという口コミを複数見つけられますよ。
また近年は「35歳以上は妊娠しにくい」と考え避妊を怠り、望まない妊娠をしてしまった40代の方が増えているようで、知恵袋などで相談が散見されます。
以上のことから、40代でも自然妊娠できる可能性があることがわかりますね。
40代で妊娠しやすい人の特徴
同じ40代でも自然妊娠できる人とそうではない人に違いはあるのでしょうか。ここからは40代で自然妊娠しやすい人の特徴を詳しく解説します。
妊娠しやすい体作りをしている
40代で自然妊娠を叶える人は、さまざまな工夫を日常生活に取り入れることで妊娠しやすい体作りを行なっています。
妊娠しやすい体の条件は以下の通りです。
- 規則正しい生理周期
- 卵巣や子宮の機能が良好
これらの条件を叶えるためには、女性ホルモンバランスがよいことや血行が良好なことが必要です。女性ホルモンバランスを整え、血行を良好に保つことで、妊娠しやすい体に近づきますよ。
実際に、ホルモンバランスを整え血行を改善するためにできる工夫を紹介します。
- たんぱく質やビタミンなどの栄養素を意識したバランスのよい食事をとる
- 7～8時間の良質な睡眠をとる
- 体を温める温活を取り入れる
- 適度な運動を取り入れる
- タバコ、お酒を控える
たんぱく質やビタミンは卵子の質に関わるため、積極的に摂取したい栄養素です。ただ、これらだけを摂ればよいわけではなく、栄養バランスのよい食事を心がけましょう。
睡眠不足は、女性ホルモンのバランスを乱したり、卵子の質低下の原因といわれるコルチゾールというホルモンを増やしてしまったりする恐れがあります。
また、冷え性が不妊に関係するという情報を見聞きした方も多いかもしれません。冷え性を放置すると血行不良を招き、妊娠しづらい体になってしまいます。温活を取り入れることで血行を改善し、妊娠しやすい体に近づけます。
適度な運動も血行改善に効果的です。ほかにも睡眠の質向上、ストレス発散が期待できますよ。
タバコやお酒は卵子の質を低下させる活性酸素を増やすので、妊娠したいと思うなら控えるのがベストです。
2023.10.05
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参考：一般のみなさまへ – 生殖医療Q&A：Q5．どんな人が不妊症になりやすいのですか？│一般社団法人日本生殖医学会
長い目で見て妊活に取り組む
40代で妊娠しやすい女性は、妊娠できるまでは長期戦になると捉えて前向きに妊活に取り組んでいます。
「40代になると自然妊娠は難しい」などの情報に触れると焦ってしまいますよね。また妊娠を希望する人は、妊娠検査薬の陰性結果や毎月の生理を目の当たりにすると落ち込んでしまい、ストレスが溜まって苦しくなってしまいます。
女性ホルモンの分泌に関わる脳の視床下部や脳下垂体はストレスに弱いといわれていますから、自然妊娠を叶えるにはストレスを溜めないことがとても大切です。
40代で自然妊娠を叶えた人は、時には妊活のことを忘れるほど毎日を充実させることを心がけています。
また、妊活中は他人の妊娠報告などが気になりやすいですが、他人の発信に一喜一憂してしまうことを考慮してSNSを控えていた人も多いですよ。
定期的に検診を受ける
40代で妊娠した女性は必ず定期検診を受けていた人が多いです。
たとえば、性感染症の1つであるクラミジア感染症に気づかずに放置すると、子宮頸菅炎や子宮内膜症を発症したり、炎症が卵管に及ぶと卵管閉塞を招いたりすることがあります。
また子宮頸がんや月経困難症も不妊につながります。
自然妊娠を叶えるためには、年に1度定期検診に行き疾患や感染症を事前に発見できる機会を作ることと、少しでも不調があればすぐに受診することが大切です。
参考：
妊娠しやすい体づくりに効果的な生活習慣はありますか。│オムロン式美人
生殖医療Q&A：Q5．どんな人が不妊症になりやすいのですか？│一般社団法人日本生殖医学会
漢方で卵子の質を上げる努力をしている
40代の自然妊娠を叶えた人が、漢方で卵子の質を上げる取り組みを行なっていたケースが多いです。
卵子の質は以下の3つの力が関わっていると言われています。
- 成熟する力
- 受精する力
- 細胞分裂する力
これらの力が正常に備わったものを質の良い卵子と呼びます。
卵子の質は排卵までに決まるといわれています。排卵までの間に血行不良やホルモンバランスの乱れがあると、卵子に十分な栄養が届かず正常に成熟できなくなってしまいます。
漢方薬には血行不良やホルモンバランスの乱れを改善する効果があり、卵子の質を保つことが期待できるのです。
2023.10.05
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参考：【漢方解説】加味逍遙散（かみしょうようさん）│クラシエ
自然妊娠確率が下がる40代こそ、漢方の効果に期待◎
40代でも自然妊娠できる可能性はあるので、諦める必要はありません。
ただ45歳を超えると仮に不妊治療を行ったとしても妊娠率が大きく低下してしまいます。妊娠出産を望んでいるのであれば、できるだけ早いうちから自身に合った妊活を始めるとよいでしょう。
自然妊娠の確率をより高めたいのであれば、漢方薬局で体質や症状に合った漢方を選んでもらうことをおすすめします。
北陸富山の「漢方薬房こうのとり」では、漢方と妊活の知識や経験が豊富なプロが1人1人丁寧なカウンセリングを行なっています。妊活の情報や漢方薬の使用実績も豊富にあり、サポートを充実させています。
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