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FSH(卵胞刺激ホルモン)の値が高い……下げるには何をすべき?

この記事を監修した人

京都薬科大学特命教授 兼 薬剤師
戸口 瑞之
漢方薬房こうのとり 代表

病院などで「FSH(卵胞刺激ホルモン)の値が高すぎて、妊娠は難しい」と伝えられることがあります。値を下げるには、どのように対処すべきなのでしょうか。

この記事ではFSHと妊娠の関係、改善方法などを解説します。

FSH(卵胞刺激ホルモン)が高いと起こりうる問題

FSHは、脳の下垂体からLH(黄体形成ホルモン)とともに放出される性腺刺激ホルモンの1つです。卵巣を刺激して卵胞を成熟させ、エストロゲンの分泌を促す働きがあります。

FSHの値の変化サイクルは以下の通りです。

  1. 卵胞期の前半、上昇します。
  2. 卵胞期の後半、卵胞の発育が進むと低下します。
  3. 排卵直前、LHサージ(黄体形成ホルモンの大量分泌)のときに再度上昇します。
  4. 排卵後、黄体期に入ると低下します。
  5. 黄体期後半には、次の卵胞発育を促進するため再び増加します。

つまりFSHの値には、高い時期も低い時期もあります。問題になるのはFSHの値の高さではなく、それが常に高い状態にあることなのです。

FSHの値が常に高いと、どのような問題が起こりうるのでしょうか。

FSHの値が常に高いと採卵できない

不妊治療では、採卵が必要となるケースがあります。

しかし、FSHが常に過剰に分泌されていると卵巣の機能が低下して反応が鈍くなり、誘発剤などで刺激しても十分な排卵が期待できません

つまり、FSHが高いと、卵胞が十分に成熟できないと判断され、採卵できない、あるいは採卵を見送ることになってしまうのです。

FSHの値が常に高いと自然妊娠が難しくなる

FSHの値が高いと卵胞の成熟や排卵がうまくいかないため、自然妊娠も難しくなります。

無理なダイエットなど、一時的なホルモンバランスの乱れが原因であれば、卵巣機能の問題ではありません。そのため、生活習慣を変えれば元に戻るケースもあります。

とはいえ、FSHの値が高い状態が長く続くと卵巣機能がダメージを受ける可能性も指摘されているため、将来的に自然妊娠が困難になる可能性も否定できません。

FSHの値が常に高いとエストロゲンが減少する

FSHの値が高い状態が続き卵巣機能が低下すると、女性ホルモンであるエストロゲンも減少します。

エストロゲンの減少は、骨粗しょう症や高脂血症を引き起こす原因です。また、ホットフラッシュ(ほてり、のぼせ、発汗)やうつなどのいわゆる更年期症状が起こりやすくなるという問題もあります。

参考:FSHの値が常に高いと卵子の質が落ちる?

卵子の質は染色体異常などが原因で低下します。一般的には、FSHの値が高いことによって卵子の質が悪化するわけではないと考えられています。

しかしFSHの値が高いと採れる卵子の数が限られるため、必然的に良質な卵子に出会う確率も下がります。そのため、「FSHの値が高いと卵子の質が落ちる」と感じる方がいても不思議ではありません。

また、年齢が高い女性ほどFSHの値が上昇しやすくなります。加齢によって卵子の染色体異常率も同時に高まるため、FSHによって卵子の質が悪化したような印象をもつ方もいるでしょう。

出典:
An elevated basal FSH reflects a quantitative rather than qualitative decline of the ovarian reserve|National Library of Medicine
エストロゲンの機能とストレス ~生涯を通じて健康を維持するために~ |内田さえ
卵子の質、胚の質とはどういう意味ですか?|一般社団法人日本受精着床学会
加齢に伴う卵子の質の低下はどのような影響があるのですか?|一般社団法人日本生殖医学会
「卵子の老化」説から考える年をとることへの恐れと生殖医療技術の拡大の関係|柘植あづみ

FSH(卵胞刺激ホルモン)が高い原因として多いこと

FSHの値の上昇には、いくつかの原因が指摘されています。

加齢による卵巣機能の低下

卵巣は、年齢とともに反応が鈍くなります。反応が鈍くなると、卵巣に刺激を与えるFSHが大量に必要です。

更年期障害は、FSHやLHの過剰分泌が自律神経に影響を及ぼす症状と考えられています。その背景にあるのが、加齢による卵巣機能の低下です。

生活習慣の乱れや強いストレスなどの影響

寝不足や運動不足、無理なダイエットなどの生活習慣の乱れ、仕事などのストレスもFSHの値が高くなる原因の1つです。

そのほか、タバコやお酒に代表される嗜好品、香料などの化学物質、冷え、肥満といった体質がホルモンバランスを乱し、FSHに影響を及ぼすこともあります。

疾患や薬剤による影響

通常よりも早く卵巣機能が低下することを医学的には「卵巣機能不全」といい、40歳未満で閉経状態になることを「早発卵巣不全(早発閉経)」といいます。

20代で1000人に1人、30代では100人に1人ほどの割合で見られる症状です。

この疾患でも、FSHが高くなることが報告されています。

また、まだ明らかにはなっていませんが、卵巣の自己免疫疾患、抗がん剤治療や放射線治療の影響といったことも、FSHを高くする原因として研究されているようです。

出典:
機能性 FSH 産生性下垂体腺腫の特徴と治療成績|長谷川洋敬、Cody L. Nesvick、Jamie J. Van Gompel、Fredric B. Meyer、Michael J. Link、Bruce E. Pollock、Todd B. Nippoldt、Dana Erickson、Caroline J. Davidge-Pitts、John L. Atkinson
内分泌乱化学物質(環境ホルモン)と生体への影響|内山巌雄
女性ホルモンと更年期障害|磐田市立総合病院
MSDマニュアル 原発性卵巣機能不全|MSDマニュアル

FSH(卵胞刺激ホルモン)が高い……値を下げるためにはどうする?

では、FSHの値を下げるためには、どうしたらよいのでしょうか。効果が期待できる方法として挙げられるのが、次の2つです。

  • 漢方を使用する
  • 生活習慣を改善する

漢方を使用する

方法の1つは、漢方を使ってみることです。

東洋医学では、生命を維持するエネルギーの貯蔵場所を「腎」とよび、FSHが高い状態を「腎にエネルギーが不足している」ととらえます。その足りないエネルギーを補う漢方が「補腎薬」です。

そのほか不妊治療には、加齢への焦り、仕事との両立、身体的苦痛、経済的な負担など、さまざまなストレスがあります。そういったストレスを和らげる漢方も、有効といえるでしょう。

例えば、補腎薬の「八味地黄丸(ハチミジオウガン)」、ホルモンバランスを整える「桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)」、ストレスや血の巡りを改善し、精神不安を和らげる「温経湯(ウンケイトウ)」は、卵巣機能を改善する効果が報告されています。

生活習慣を改善する

前述したように、寝不足、運動不足、無理なダイエットといった生活習慣の乱れ、仕事などのストレス、タバコや、お酒、化学物質のほか、冷え、肥満といった体質もホルモンバランスを乱す原因です。

FSHの値を下げやすい状態にするためにも、できることに取り組んでみましょう。

【食べ物】バランスのよい食事をする

食生活では、栄養バランスに気をつけ、食べすぎないようにすることが大切です。

BMI(体格指数)などを参考にして、カロリーの高いものを食べすぎない、間食を控えるといったことを心がけましょう。

なお、エストロゲンが不足するとFSHの値が高くなりますが、大豆には、エストロゲンに似た働きをするイソフラボンが含まれています。

豆乳や豆腐などの大豆製品や、サプリメントという形で積極的に摂取すると、FSHの改善に期待できそうです。

【運動】適度に体を動かす・ストレッチする

運動不足の解消、体質改善を図るためには、ウォーキングをはじめとした有酸素運動、ストレッチなど、適度な運動に取り組んでみましょう。

このような運動には、インスリン抵抗性を改善して血糖値を下げたり、肥満を防いだりする効果があると報告されています。

そのほか、ストレスの緩和、質のよい睡眠も、運動効果の1つです。

質のよい睡眠は、ホルモンバランスを整えてくれます。それだけでなく、寝不足による高血糖を改善し、妊娠しやすい土台を作ってくれるでしょう。

ツボを刺激する

鍼灸治療や指圧によるツボへの刺激で、夜間の自律神経を調整し、ホルモンバランスを改善したという実験結果があります。

出典:
体外受精の段階に合わせ決まったパターンで漢方薬を投与した20症例|J-STAGE
神経性食思不振症患者の無月経に対する温経湯による治療(摂食障害(7))|J-STAGE
不眠と糖尿病|山本直宗、大塚邦明、金光宇
夜間の自律神経機能を調整し更年期症状を緩和する 鍼治療と看護の協働|上妻尚子、田口太郎、樋口マキヱ
Pre-pregnancy maternal fasting plasma glucose levels in relation to time to pregnancy among the couples attempting first pregnancy|Oxford Academic
糖尿病治療ガイド2022-2023

FSHは薬(西洋薬)では下げられない?

FSHを下げる方法として漢方を紹介しましたが、西洋医学ではどのような治療が行われているのでしょうか。表にまとめました。

治療法治療内容注意点
カウフマン療法エストロゲンとプロゲステロンを投与し、正常な内分泌の周期をつくり、卵巣の機能を元に戻す
  • カウフマン療法中は排卵が抑制される
  • 治療に時間がかかる(3~6カ月程度)
  • 排卵が必ずしも誘発されるとは限らない
  • 開始時におう吐、胃痛などが生じる可能性がある
Delayed start(遅延スタート)法GnRHアンタゴニストを用いてFSHを下げる
  • 症例数が少なく、効果は不明

この治療で妊娠したという報告はあるものの、卵巣の機能が著しく落ちている場合は、効果が出ないこともあるようです。

また、一時的に改善しても治療を中止すると元の状態に戻ってしまう、卵巣機能が低下している状態でFSHの値を急激に下げると卵巣機能がさらに悪化するなど、問題点も指摘されています。

一方の漢方は、体質改善、ストレス軽減など、体全体に働きかけることで、卵巣機能の改善を促すものです。FSHの値を下げて自然妊娠を望むのであれば、漢方の使用が有効といえるでしょう。

出典:
随証漢方療法で生児を獲得した卵巣機能不全不妊症100例の漢方医学的ならびに西洋医学的解析|假野隆司、土方康世、清水正彦、河田佳代子、日笠久美、後山尚久
The acceleration of reproductive aging in Nrg1 Flox/flox ;Cyp19-Cre female mice|National Library of Medicine
A novel ‘‘delayed start’’ protocol with gonadotropin-releasing hormone antagonist improves outcomes in poor responders|Hakan Cakmak, M.D., Nam D. Tran, M.D., Ph.D., A. Musa Zamah, M.D., Ph.D., Marcelle I. Cedars, M.D.,and Mitchell P. Rosen, M.D.

高いFSHの値を下げるには漢方がおすすめ◎

ここまで解説してきたように、FSHが高い原因はさまざまです。

前章で説明したように、FSHの値を下げるのに漢方を使用することは非常に有効です。また、総合的に体を良い状態にすることで妊娠力の向上も期待できます。

しかし漢方の場合、どの薬をどのように組み合わせて利用すれば効果的なのかの判断が難しいことも事実です。

そのようなときは、北陸富山の「漢方薬房こうのとり」にご相談ください。「富山は遠くて行けない……」という方は、オンラインでもご相談をお受けしています。

FSHの値が高くて悩んでいる方は、ぜひ一度お問い合わせくださいね。

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