医師から「胎嚢が小さい」と言われてしまい、赤ちゃんに何か問題があるのではないかと不安になりますよね。
また、「流産の確率が高い」という情報を見聞きしたことがある方もいるかもしれません。
胎嚢の大きさと流産率には関係があるのでしょうか。また関係があるなら、胎嚢を大きくすれば流産を防止できるのか気になりますよね。
今回は、胎嚢の大きさと流産率の関係や、胎嚢が小さいときに考えられる原因などを解説します。胎嚢の大きさと染色体異常の関係性も解説するので、ぜひ参考にしてください。
染色体異常について、医師がその原因を強調するあまり、多くの夫婦が「自分たちの遺伝的な問題で子どもを授かれない」と誤解してしまうケースが多く見られます。この誤解から精神的に追い詰められる方も少なくありません。しかし、実際には染色体異常も、生活習慣の改善によって改善される場合が多く、あきらめる必要はありません。誤解を解消し、正しい情報をもつことが大切です。
胎嚢の大きさと流産率の関係
胎嚢は、子宮の中にできる赤ちゃんが育つ袋で、妊娠4週目以降に超音波検査で確認できます。このときの胎嚢の大きさは直径2mmほどですが、胎芽が育つとともに大きくなっていきます。
胎嚢の大きさと流産率に関係がないとは言い切れません。
妊娠12週目までに流産するケースの多くは、不規則な生活習慣に起因しています。
一方で胎嚢の大きさにかかわる流産原因として挙げられるのは胎児の染色体異常です。胎児側の成長する力が備わっていない場合は胎嚢も成長が止まり、妊娠継続できず流産にいたる可能性があります。
しかし胎嚢が小さいことと流産をつなげて、過度に不安になる必要はありません。胎嚢が小さくとも順調に赤ちゃんが成長し、出産にいたったケースは多いですよ。
女性の場合、不規則な生活習慣が原因となっていることが多いです。一方、男性では精子の運動率が低い(40~50%台)か、精子のDNA損傷が原因である場合も多く見られます。
【週数別】胎嚢の平均的な大きさと流産の確率
胎嚢は妊娠5週ごろまでは1日1mmのペースで大きくなります。胎嚢の週別の大きさは、次の式で計算できます。
- 胎嚢の直径(cm)=妊娠週数-4
- 胎嚢の直径(cm)=0.70×妊娠週数-2.54
ここからは、週別の胎嚢の平均的な大きさをみていきましょう。しかしあくまでも平均値で、数値よりも小さくても神経質になりすぎないようにしてくださいね。
また、週数別の流産の確率についてもあわせて紹介します。
出典:妊娠初期と超音波断層法|千葉医学
5週目の胎嚢の大きさの平均と流産率
妊娠5週目の胎嚢の大きさは5~15mmで、平均は10mm前後です。まだ胎芽の様子はみえず、妊娠に気づかない人もいます。
この時期の流産率は高く、多くは染色体異常によるものですが、決して遺伝的な問題だけではないことを理解しておきましょう。
胎児の染色体異常は、ほとんどの場合、生活習慣の改善で簡単に解消されます。生活リズムの改善や十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動など日ごろから意識することで回避できる問題なので、深く考えすぎる必要はありませんよ。
また、染色体異常の改善には漢方の服用も効果的です。「漢方薬房こうのとり」では、漢方を用いて1人ひとりの症状に合った療法で流産防止をサポートしてくれます。
6週目の胎嚢の大きさの平均と流産率
妊娠6週目の胎嚢の大きさは15~20mmで、平均は10mm後半です。つわりが始まる人も多い時期です。
6週目になると心拍が確認できることもあるでしょう。しかし、この時期に「胎嚢が小さい」といわれて心拍確認できないとしても、過度な心配はいりません。
7週目を過ぎるころには心拍を確認できることが多いです。また体外受精の場合は、妊娠7週目ごろに心拍を確認します。
この時期の流産率は9.4%で、引き続き流産率は高めです。
7週目の胎嚢の大きさの平均と流産率
妊娠7週目の胎嚢の大きさは15~35mm程度と個人差が大きくなり、平均は25mmです。このころには心拍が確認できます。
この時期の流産率は4.2%です。7週目になっても胎嚢が小さく心拍確認できない場合は、流産している可能性が高いでしょう。
胎嚢の大きさ以外にも、年齢や子宮内膜・卵子・精子の質など、流産率に影響をおよぼす要素があります。
流産のリスクを減らして妊娠を継続させたいときには、漢方の服用が効果的です。流産防止には、当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)や婦人宝(フジンホウ)(旧:当帰養血精)などの漢方がよく用いられます。
当帰芍薬散は痩せ型の方が服用すると、瘀血を悪化させる可能性がありますが、婦人宝は、痩せ型の方でも服用できます。
漢方は、体質や症状に合うものを服用しないと、体に悪影響をおよぼすおそれがあります。また胎嚢がみられる妊娠初期は、服用する薬を厳選すべき時期ですから、プロのサポートを受けることが重要です。
北陸富山の「漢方薬局こうのとり」では、妊活から妊娠・出産までのサポートをおこなっています。一人ひとりの体質や症状に合わせて、流産防止に効果的な漢方を選択します。
胎嚢が小さく流産してしまうことへの不安が強い方は、ぜひお問い合わせください。
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出典:Miscarriage risk for asymptomatic women after a normal first-trimester prenatal visit.|Obstetrics & Gynecology
胎嚢が小さいと赤ちゃんに何か影響することはある?
「妊娠初期に胎嚢が小さいと、ダウン症の子どもが生まれる」という情報を見かけ、不安に思う方もいるかもしれません。
羊水量に異常があり胎嚢が小さい場合は、肺形成不全や奇形などの障害が起こる可能性があります。またダウン症では、胎嚢が小さいケースが見受けられます。
しかし胎嚢が小さいからといって、必ず障害につながるわけではありません。発育のスピードとダウン症などの障害の因果関係は不明です。
胎嚢が小さい・成長しない原因とは?
胎嚢が小さい・成長が遅い原因は4つあります。
- 不規則な生理周期から算出した妊娠周期が間違っていた
- 超音波検査や胎嚢の位置の影響で小さく計測された
- 個体差によるもの
- 流産
日頃から生理不順があり排卵が遅れていると、妊娠週数がずれている可能性が高いです。また超音波検査で装置を当てる角度が影響し、胎嚢が小さく見えることもあります。
胎嚢が育たず、週数を重ねても心拍が確認できない場合は、流産している可能性が高いです。
胎嚢の成長スピードには個体差があります。一度の検査では、異常の有無や発育の状態を判断するのは難しいため、定期検診を通じて経過を観察します。
受精卵の成長は、精子の運動率が高いほど速やかに進む傾向があります。
胎嚢を大きくする方法はある?
結論、胎嚢を大きくする方法はありません。
心拍が確認できて胎芽の成長がみられれば、妊娠が継続できる可能性が高いです。胎嚢の大きさにそれほど神経質になる必要はありません。
妊娠初期は、赤ちゃんを支える胎盤が完成していないので、激しい運動や不規則な生活は控えましょう。
また胎嚢が成長する妊娠4~8週目は、心臓や脳などが作られる器官形成期と重なります。この時期は、薬や飲酒、喫煙、感染症などの影響を大きく受け、奇形や胎児の発育不全を引き起こすおそれがあります。
そのため、以下のことを日常生活で心がけてください。
- 薬を服用する際は医師に相談する
- 禁煙・禁酒をおこなう
- 人混みを避け、マスク・うがい・手洗いを活用して感染症に気をつける
- 神経管閉鎖障害の発症リスクを抑えるために葉酸を積極的に摂取する
参考:体外受精と胎嚢が小さいことの関係性
体外受精で妊娠した後も胎嚢が小さいと言われると、流産してしまうのではないかと不安になりますよね。
ここでは、体外受精と胎嚢が小さいことの関係性について解説します。
体外受精で胎嚢が小さい原因
体外受精での妊娠は受精した日が明確なので、妊娠週数のずれは起きないと考えられがちですが、体外受精でも週数ずれは起こりえます。
よって体外受精で胎嚢が小さい原因は、自然妊娠のケースとほぼ同じと考えてよいでしょう。
体外受精で胎嚢が小さくても出産できる?
体外受精では、自然妊娠と比較して胎嚢が小さい傾向にあるという研究報告があります。
しかし心拍が確認できれば、妊娠8週目以降で自然妊娠と同程度まで胎嚢の大きさが近づくとされています。
【FAQ】胎嚢の大きさと流産に関するよくある疑問
ここからは、胎嚢の大きさと流産の関係や、胎嚢の成長スピードに関するよくある疑問について解説します。
胎嚢が小さい状態から急成長する?
胎嚢が小さい状態から急成長することはあります。また、超音波検査での測定角度によっては、胎嚢の測定値にばらつきがみられるため、急成長したように感じるケースもあります。
胎嚢が小さいのは染色体異常?
ダウン症の項目でも解説しましたが、胎嚢が小さいことと染色体異常に関係があるとは言い切れません。
しかし、胎嚢はあっても心拍が確認できなかったり、発育が確認できなかったりするケースでは、多くの場合は染色体異常のある受精卵が自然淘汰されたと考えられます。
出典:8.稽留流産の診断|日本産婦人科医会
胎嚢が小さいとつわりなし?
「胎嚢が小さいとつわりがないのではないか」と気にする方もいますが、胎嚢の大きさとつわりの間に因果関係はありません。
また「妊娠すれば必ずつわりがある」と思い込んでいると、「つわりがないと流産してしまうのではないか」と考えてしまうかもしれません。
しかしつわりの程度には個人差があり、まったくつわりを感じずに出産にいたるケースが20~50%あります。
つわりがみられないことと赤ちゃんの成長は、結びつけられないことに留意しましょう。
胎嚢が小さいと流産の確率が心配…それなら専門家へ流産防止の相談を◎
「胎嚢の大きさは流産率と関係がない」とは言い切れません。胎児に染色体異常がみられ、成長する力が備わっていない場合は、胎嚢も大きくならず流産にいたることが多いからです。
しかし、胎嚢が小さいからといって必ず流産するわけではなく、多くの人が出産にいたっていることを忘れないでください。
また、胎嚢の小ささとダウン症などの染色体異常の間に因果関係があるとは言い切れません。胎嚢の大きさにとらわれず、規則的でストレスのない生活を心がけてください。
胎嚢が大きくなる時期は、重要な臓器が作られるタイミングでもあります。赤ちゃんに悪影響をおよぼす喫煙やお酒は控え、体調管理を徹底しましょう。
今まで流産をくり返していたり、「胎嚢が小さい」と言われたりすると、妊娠を継続させるためにできることが気になりますよね。現在妊活中の方も、「赤ちゃんに障害が生まれるのではないか」と不安になることもあるでしょう。
現在妊娠中で流産を防止したい方にも、妊活中で元気な赤ちゃんを生みたい方にも、漢方の服用がおすすめです。
胎児への影響がほぼなく、妊娠中にも安胎薬として服用できる漢方があります。また妊活中の方は、卵子や精子の質を改善したり、子宮内膜をふかふかに保ったりする漢方が効果的です。
妊娠初期は特に、服用する薬に気をつかうべき時期ですから、専門家にサポートを受けることが大切です。
「漢方薬房こうのとり」では、妊活中から妊娠・出産までのサポートを幅広くおこなっています。流産を防止したい方の相談ももちろん可能です。
- 染色体異常の改善
- 精子の運動率向上
- 卵子の質の向上
このような妊娠12週までに流産する原因を解消できるさまざまなアプローチを有しています。
また一例として、42歳・43歳の際ときに胎嚢が小さく、流産を繰り返した方がいらっしゃいます。この方は44歳で妊娠判定陽性が出ず、漢方薬房こうのとりを訪れました。こうのとりの「子宝漢方」を9ヶ月服用した結果、45歳で自然妊娠し、このときは胎嚢が小さくなることもありませんでした。そして、46歳で無事に第一子となる男児を出産されました。
対面のカウンセリングだけでなく、オンラインでの相談も受け付けています。「胎嚢が小さく流産が心配」「障害のない赤ちゃんを産みたい」という方は、ぜひ一度お問い合わせください。