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男性の不妊漢方

精子の質とは?精液量を増やす方法や運動率、濃度改善の対策を紹介

この記事を監修した人

京都薬科大学特命教授 兼 薬剤師
戸口 瑞之
漢方薬房こうのとり 代表

不妊治療や妊活は「女性に関わること」とイメージしている方も多いでしょう。

しかしWHOによれば、不妊の原因の48%が男性にあるとされています。とくに精子の質によって、妊娠のしやすさが大きく左右されると考えられています。

男性側が原因で不妊になっている場合、精子の質を改善する(精液量を増やす、運動率を高める、濃度を上げる)方法はあるのでしょうか?

この記事では精子の質をテーマに、改善方法や原因についてもわかりやすく解説していきます。

精子の質は妊娠のしやすさに影響する?

WHOによると、どのような精子であるかも含めた「精子の質」が妊娠に強く影響を与えると報告されています。

詳しくは後述しますが、不妊の可能性がある場合、男性は精子の質を高めることが大切だと考えておきましょう。

たまに「精液量が多いのに妊娠しない」と悩む方もいますが、実は、精液量(精子の数)は質を左右する要素の一つに過ぎないのです。

参考:
厚生労働省子ども・子育て支援推進調査研究事業 我が国における男性不妊に対する 検査・治療に関する調査研究 平成27年度総括・分担研究報告書 ダイジェスト版│横浜市立大学附属市民総合医療センター
WHO laboratory manual for the examination and processing of human semen│WHO

精子の質(状態)は何によって決まる?

精子の質(状態)を決める要因としては、WHOが発表した、ラボマニュアルのデータが一般的に知られています。2021年に10年ぶりに改訂され、第6版が発刊されました。

第6版では、以下の正常下限基準値が示されています。

項目精子所見:正常下限基準値
運動率42%
精液量1.4ml
精子濃度1600万/ml
正常形態率4%

「正常下限基準値」とは、避妊中止後に1年以内にパートナーが妊娠した男性の精液所見の内、下位5%のデータを基準値としたものです。

この数値を下回る場合は、自然妊娠が難しいと考えられ、医療機関の受診を検討する指標になります。

表のそれぞれの項目に関して、もう少し詳しく解説していきます。

参考:WHO laboratory manual for the examination and processing of human semen│WHO

精子の運動率

正常な精子の運動率は55%以上といわれますが、正常下限基準値は42%です。

この基準を下回ると、精子の運動率がとても低いと判断され、精子無力症と診断されます。

精子無力症とは、精子が前進するために必要なエネルギーが不足しているため、精子の運動率や前進する力が不足している状態です。

精子無力症は食生活やストレス、環境ホルモン等の有害物質が影響しているともいわれていますが、結局のところ原因はわかっていません。

当社(漢方こうのとり)のデータでは、精子の運動率が20~40%の8割の方が、74日(精子が何もないところからできるまでの日数)服用されたあと、精子の運動率が70~90%台まで回復されています。

精液量

精液量とは、射出された精液の量で、正常下限基準値は1.4mlです。

精液量が極端に少ない場合(1ml以下の場合)は、逆行性射精が疑われます。

逆行性射精では、正常なら射精時に閉じているはずの膀胱の一部(膀胱頸部)が開いたままになり、精液が膀胱に逆流します。前立腺肥大症に対する手術や、 糖尿病、 脊髄損傷、特定の薬、一部の手術(腹部や骨盤内の大きな手術など)などが原因としてあげられています。

参考:逆行性射精 – 21. 男性の健康上の問題│MSDマニュアル家庭版

精液量の平均は?

1997年9月から1999年に、聖マリアンナ医科大学で妊娠中の女性のパートナー男性255名を対象に行った研究結果では、精液量の平均値は3.2mlでした。

1999 年から 2002 年に札幌、大阪、金沢、福岡の都市部で妊娠8〜12週の女性のパートナー(男性792名)を対象に行った研究結果では、精液量の平均値は3.1mlでした。

これらの結果から、自然妊娠が望める精液量の平均値は約3.2mlであると考えられます。

精子の濃度(精子の数)

精子濃度の正常下限基準値は1,600万/mlです。

精子濃度とは、1mlの精液に含まれている精子の数を示す値です。この基準値を下回ると無精子症・乏精子症と診断されます。

無精子症・乏精子症とは、射精はできるにもかかわらず、精子の数が少なかったり、全くいなかったりする状態を指します。

(「漢方こうのとり」では、無精子症の方が自然妊娠できるまでになった事例もあります。)

参考:Semen quality of fertile Japanese men: a cross-sectional population-based study of 792 men│BMJ Open

精子の正常形態率

精子の正常形態率の正常下限基準値は4%です。

1960年代から電子顕微鏡によるヒト精子の外部形態や内部構造の観察が広く行われてきました。その結果、健康な精子の割合が高いほど、人工授精や顕微授精法の成功率が高いことがわかっています。

また異常精子の割合が高いほど、妊娠率のみならず、流産リスクの上昇や、生まれてくる子供の健常性に影響を及ぼすリスクがあるともいわれています。

参考:
ヒト精子の形態異常と男性不妊│和歌山県立医科大学
染色体の数異常や構造異常による男性不妊の精子の臨床応用について│一般社団法人日本生殖医学会

「精液量が少ない」「精子の質がよくない」場合に考えられる原因

精子の質は年齢、食事や運動などの生活習慣、射精頻度、温度環境の影響を受けることがわかっています。

年齢による問題

精子の質は、老化によって起きる酸化ストレスの影響で悪化することがわかっています。

酸化ストレスは、活性酸素やフリーラジカルが原因として起こります。

活性酸素・フリーラジカルとは、反応性の高い酸化物質で、細胞に損傷をもたらし、体内で有害な作用を引き起こす物質です。

酸化ストレスが増えると、若い人ではめったに起こらない癌や心臓病の頻度が増加します。

卵子や精子のような生殖機能も、酸化ストレスにより影響を受けるといわれています。

食事や生活習慣による問題

生活習慣の乱れも、精子の質に影響を与えます。

例えば、タバコの影響で精子の数も運動性も低下したという報告や、習慣的なアルコール摂取や深酒が精子形成に悪い影響を与えたという報告があります。

不規則な食生活や生活、運動不足や睡眠不足などのストレスは酸化ストレスを増やし、精子の質を悪化させるだけでなく、高血圧、糖尿病、高脂血症といった生活習慣病の原因になります。

また、生活習慣病になると、精子の質がさらに悪化することもわかっています。

参考:
ヒト精子の形態異常と男性不妊│和歌山県立医科大学
染色体の数異常や構造異常による男性不妊の精子の臨床応用について│一般社団法人日本生殖医学会
Effects of medical comorbidity on male infertility and comorbidity treatment on spermatogenesis│PubMed

射精頻度による問題

一週間以上射精がないと、精液中の死滅精子など異常精子の割合が増加します。精子は次から次へ産生されますので射精が多くて枯渇は基本的にしません。

最低でも、週一回程度は定期的に射精して精液中の精子のリフレッシュを常に考えたほうがよいでしょう。

参考:Abstinence Time and Its Impact on Basic and Advanced Semen Parameters│PubMed

暑さや寒さなどの温度環境による問題

精巣の温度が上昇すると精子形成が障害され、精子の質が低下する一因になります。

精子の質を保つ温度として32〜34℃程度が最もよいとされており、39℃以上ではダメージを与えてしまう可能性があります。

精巣を温めないように、通気性の良い下着を身に着けるなどの対策が必要です。

参考:
Results of lifestyle modification promotion and reproductive/general health check for male partners of couples seeking conception│PubMed
高温で精子が作られないメカニズムの解明に向けて前進│国立研究開発法人日本医療研究開発機構

精子の質を高めるための対策

精子の質は年齢、食事や運動などの生活習慣、射精頻度、温度環境の影響をうけることがわかりましたね。

それでは、精子の質を上げるためには、具体的にどのような対策をとればよいのでしょうか?

漢方薬を服用する

精子の質を高めるのに、漢方は非常に有効です。漢方の世界では、性機能や生殖能力のみなもとは「腎」にあると考えます。漢方では、からだを温め、「腎」を強化する「八味地黄丸(ハチミジオウガン)」「牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)」などが使用されます。

そのほか、体力を補う漢方として「補中益気湯(ホチュウエッキトウ)」が使用されるケースもあります。

出典:
男性不妊における補中益気湯の臨床効果について│産婦の進歩
男性不妊症患者に対する八味地黄丸の効果について│京都大学
男性不妊症に対する牛車腎気丸の効果│京都大学

食べ物による精液濃度の改善を図る

バランスの良い、添加物のできるだけ少ない、栄養をしっかり含んだ食事をとりましょう。

高脂肪、赤肉または加工された肉、精製した小麦などの穀類、お菓子と加糖飲料などの摂取割合の高い食事は、精液濃度の低下と関係していると報告されています。

参考:
Diet and Male Fertility: The Impact of Nutrients and Antioxidants on Sperm Energetic Metabolism│PMC
High dietary intake of saturated fat is associated with reduced semen quality among 701 young│PubMed

精液量を増やすサプリメントを検討する

還元型コエンザイムQ10、カルニチン、セレニウム、ビタミンB12は精子の質を良くするとする論文が複数報告されています。気になる方はサプリメントで摂取してみてもよいでしょう。

参考:
Coenzyme Q10 Improves Sperm Parameters, Oxidative Stress Markers and Sperm DNA Fragmentation in Infertile Patients with Idiopathic Oligoasthenozoospermia│PubMed
A placebo-controlled double-blind randomized trial of the use of combined l-carnitine and l-acetyl-carnitine treatment in men with asthenozoospermia│PubMed

妊娠しやすくするには不妊漢方の服用も効果的◎

不妊治療で受診するのは女性が多く、パートナーである男性も、一緒に産婦人科で治療を受けているケースもあるでしょう。

しかし、男性不妊の診察・治療を専門とするのは、泌尿器科の専門医です。生活指導や男性側にたった診療が受けられるため、不妊で悩む男性は、はやめに泌尿器科を受診されてはいかがでしょうか。

これまで解説してきたように、妊娠できない原因はさまざまです。

精子の質だけが問題ではない場合もあるため、さまざまなケースを想定し、妊娠力を上げる効果がある漢方を利用する方法もおすすめです。

「漢方薬房こうのとり」では、北陸富山の妊活漢方専門家が、多くの方に漢方を通じた妊活のサポートをしています。オンライン相談も可能なので、悩む前にぜひ問い合わせてみてくださいね。

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