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男性の不妊漢方

男性不妊に効く有名な漢方薬とは?症状別に期待する効果も解説

この記事を監修した人

京都薬科大学特命教授 兼 薬剤師
戸口 瑞之
漢方薬房こうのとり 代表

元富山総合薬局代表。現漢方薬房こうのとり代表・管理薬剤師 / 現京都薬科大学特命教授。
飲む量の加減のみ必要で万人に合う現代の中国漢方(中医)に大学病院時代から36年携わる。
漢方薬房こうのとりでは、直近3年で100人以上の方が目標を達成されています。

女性中心で進められることが多い不妊治療ですが、男性に原因があるケースが不妊全体の約5割を占めます。女性が治療をおこなってもなかなか妊娠できず、パートナーの男性が検査をおこなったところ、精液に異常がみられるケースも多いです。

漢方薬には、男性不妊を改善する効果は期待できるのでしょうか。また、市販で購入できる有名な漢方薬があるなら知りたい方も多いでしょう。

今回は、男性不妊に対する有名な漢方薬の効果や、市販薬の有無などを解説します。また、男性不妊から漢方薬を服用して妊娠した人の声も紹介するので、ぜひ参考にしてください。


男性不妊は漢方薬で治る?

2017年のWHOの調査によると、不妊症のうち男性のみに原因がある場合は24%男女ともに原因がある場合は24%で、男性側に不妊の原因があるケースが多いことがわかっています。

男性不妊の有無は、2回以上の精液検査で精液量や精子の数、運動率を調べることで判断します。精液検査の基準値は以下のとおりです。

項目精液所見:正常下限基準値
運動率42%
精液量1.4mL
精子濃度1600万/mL
正常形態率4%

男性不妊の原因に応じて、薬物療法や手術がおこなわれます。しかし、男性不妊は原因不明のことも多く、西洋医学的アプローチのみでは十分な効果が得られない可能性があります。

精液量の増加や精子の質の向上を目指すためには、漢方薬での体質改善がおすすめです。漢方薬を継続的に服用することで、男性不妊でも妊娠したケースがあります。

出典:
原因は男性にもある?!男性不妊治療の今|沢井製薬
WHO laboratory manual for the examination and processing of human semen│WHO

参考:男性の妊活にも漢方薬は有効?

男性の妊活にも漢方薬の効果が期待できます。妊活中にやるべきことの1つである体質改善を目指して、漢方薬を服用するのをおすすめします。

【症状別】男性の不妊治療と漢方薬に期待する効果

男性不妊の症状はどのようなものがあるのでしょうか。また、治療法や漢方薬に期待する効果も気になりますよね。

ここからは、症状別に男性不妊の治療や漢方薬に期待する効果をみていきましょう。

精子無力症

精子の運動率が42%未満の場合を精子無力症と呼びます。わかりやすく言えば、精子無力症は、自然妊娠させることができない精子の運動率でしかないということです。精子無力症の原因はさまざまで、特定されないケースが多いです。

運動率が悪い場合は、人工授精や体外受精、顕微授精がすすめられます。また、不動精子しかいない場合は、精巣内精子採取術(TESE)が推奨されます。漢方薬の中には運動率の改善効果が期待できるものがあるので、これらの治療と併用するとよいでしょう。

出典:
第1回コラム:意外に多い男性の不妊症について|日本メンズヘルス医学会
男性不妊の検査 診断 治療の手順(方針)|東邦大学医療センター大森病院リプロダクションセンター

無精子症・乏精子症

精液中に精子が全く見られない無精子症は、自然妊娠を難しくする不妊の原因です。精液の通過路が閉じている閉塞性無精子症か、精液を作る能力が低下している非閉塞性無精子症かによって、治療方法が異なります。

精路の閉塞を手術で取り除き、精液内に精子が見られれば、自然妊娠の可能性が出てきます。また、精巣からわずかでも精子が確認できたりすれば、顕微授精で妊娠できる可能性はあります。

監修者コメント

北陸富山の漢方薬房こうのとりでは、漢方医学的アプローチのみでも、無精子の状態から自然妊娠できるところまで改善したと思われる事例もみられます。

 

精液内の精子の数が少ない乏精子症では、精索静脈瘤がある場合は手術、精索静脈瘤がない場合は精子の数を増やす効果が期待できる漢方薬やビタミン剤、血流改善薬、内分泌療法がおこなわれます。

出典:生殖医療Q&A Q15. 男性不妊の場合の治療はどのようになるのですか?|日本生殖医学会

精索静脈瘤

精索静脈瘤とは、内精索静脈を血流が逆流し、陰嚢や鼠経管内のつる上静脈叢に血液がうっ滞して異常に膨らんだ状態のことです。

陰嚢内は体温より低い温度で、精子が作られやすい状態です。しかし精索静脈瘤の場合、体温と同じ温度の血液が精巣付近に存在するため、精巣内の温度が低下しません。その結果、精子の質が低下してしまうのです。

精索静脈瘤が原因の不妊では、手術によって自然妊娠率や、不妊治療の成功率が上がる可能性があります。また漢方医学では、精索静脈瘤を血の巡りが悪い瘀血(おけつ)と考えて、痛みの緩和に対して駆瘀血作用のある漢方薬が使用されます。

漢方薬でも精索静脈瘤の改善は望めることもありますが、手術の方が不妊の改善効果が出るのが早いため、早期の手術を検討してください。

精索静脈瘤の治療や効果が期待できる漢方薬については、以下の記事でくわしく解説しています。

出典:
精索静脈瘤|ときわ会
市立貝塚病院における男性不妊症の治療|泌尿器科紀要

男性不妊で処方される有名な漢方薬は?

漢方医学では、男性不妊には五臓の「腎(じん)」が深くかかわっているととらえます。腎は生きるためのエネルギーや精(せい)を貯蔵し、人の生殖をつかさどります。腎の状態が低下すると、精子の状態も低下してしまうのです。

また、体内の気血水(きけつすい)のバランスが崩れることで、体調不良が生じると考えられています。気血水の役割は次のとおりです。

  • 気:血を運ぶ、体を温める、体を動かすためのエネルギーになる
  • 血:全身に栄養を運ぶ、ホルモンを作る
  • 水:潤いをもたらす

男性不妊のケースは、疲れが溜まっている気虚やストレスが原因の気滞、喫煙や乱れた食生活で血流が滞っている瘀血が多いと考えられています。漢方でそれぞれのバランスを整えることで体質改善が期待でき、不妊の解消につながります。

ここからは、男性不妊を改善する効果が期待できる、有名な漢方薬についてみていきましょう。

補中益気湯(ホチュウエッキトウ)

補中益気湯は、胃腸が弱く疲れやすい人の虚弱体質や食欲不振、疲労倦怠感の改善に用いられる漢方薬です。疲れが溜まった人の気を補い、巡らせる効果がある生薬が含まれています。

男性不妊については、精子数の増加や運動率の上昇がみられたという報告が一部あります。しかし、疲れやストレスが原因で精子の質が落ちている場合にはほとんど効果を期待できないでしょう。

監修者コメント

漢方薬房こうのとりでは、精子数には改善効果があることもありますが、精子の運動率に関しては、あまり良い結果はありません。

 

出典:
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)|クラシエ
男性不妊における補中益気湯の臨床効果について|産婦人科の進歩
乏精子症に対する補中益気湯の臨床的効果について|泌尿紀要

八味地黄丸(ハチミジオウガン)

八味地黄丸は、疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量に異常がみられる人に用いられる漢方薬です。腎の機能をサポートし、造精機能を高めると考えられています。

乏精子症や精子無力症に八味地黄丸が処方されるケースが多いです。また、補中益気湯で精液所見が改善しなかった症例に投与し、精子濃度が改善したという報告もあります。

出典:
男性不妊症に対する漢方治療の検討|泌尿器科漢方研究会
男性不妊症患者に対する八味地黄丸の臨床効果について|泌尿紀要

牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)

牛車腎気丸は、八味地黄丸に2種の生薬を加えた漢方薬です。八味地黄丸と同じく、腎の働きをサポートする効果が期待できるため、乏精子症や精子無力症に用いられることが多いです。

八味地黄丸と同じく精子濃度、運動率が改善したという報告があります。

出典:男性不妊症に対する牛車腎気丸の効果|泌尿紀要

柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)

柴胡加竜骨牡蛎湯は、仕事や人付き合いでイライラし、思い悩んでしまう人の気の巡りを改善する漢方薬です。

精神的な疲労やストレスを改善することで、精子の質を向上させると考えられています。また、精神的ストレスによる勃起障害にも効果が期待できます。

出典:柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)|クラシエ

桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)

桂枝茯苓丸は、瘀血を改善する効果が高く、女性不妊によく用いられる有名な漢方薬です。男性不妊において、精索静脈瘤の内科的治療でよく用いられています。

ここで紹介した漢方薬は、どれもドラッグストアで購入できます。市販薬は気軽に試せるのがメリットです。しかし、市販薬は原料価格の高騰で有効成分の濃度が低下しており、期待通りの効果が得られない可能性が高いです。

また、体質や症状に合わない漢方薬を服用することで、体調を崩すおそれがあります。漢方薬を服用する際には、漢方薬の専門家に相談してください。

北陸富山の「漢方薬房こうのとり」では、一人ひとりの体質や症状を丁寧にヒアリングし、その方に合う漢方薬を選びます。男性不妊の専門家と連携しているため、西洋医学と漢方医学双方からアプローチが可能です。

自然妊娠を希望する女性が漢方や西洋医学の検査で問題がない場合でも、旦那様の精子の運動率が影響を与えることが多いです。運動率が70%以上の精子を持つ夫婦は、ほとんどが3カ月以内に妊娠判定で陽性となりますが、70%未満の場合は1年以上タイミングを取っても妊娠に至らないことが多いです。

漢方薬房こうのとりの子宝漢方を15日間服用することで、運動率が70%以上に改善した方が多くいらっしゃいます。3ヶ月以上タイミングを取っても妊娠しない場合、もしくは、検査・人工授精で旦那様の精子の運動率が42%~69%になってしまったことがある方は、まずは2週間、漢方薬房こうのとりの子宝漢方を飲むことをご検討ください。

出典:男性不妊|慶応義塾大学病院 医療・健康情報サイト

【口コミ】男性不妊から漢方薬で妊娠できた人の声

実際に男性不妊から漢方薬で妊娠した人はいるのか気になりますよね。ここからは、実際の口コミをみていきましょう。

男性不妊漢方1

精索静脈瘤のパートナーが手術を拒否したため、桂枝茯苓丸を服用したそうです。節酒もおこない、顕微授精で妊娠できたという声です。

男性不妊漢方2

精子の数が少なく、運動率も悪かったパートナーが補中益気湯を服用したところ、運動率が回復したそうです。4年の妊活を経て自然妊娠したのはこのおかげだと感じているようですね。

男性不妊漢方3

精子の運動率が低いパートナーが八味地黄丸を服用したところ、2ヶ月で妊娠したそうです。

漢方薬での体質改善は、継続服用が必要です。不妊治療に取り組むときは、夫婦それぞれでできることを積極的におこないましょう。

漢方薬以外に、食事やサプリで男性不妊は改善できる?

漢方薬以外に、食事やサプリ、運動で不妊を改善できるのでしょうか。ここからは、漢方薬以外の体質改善法を解説します。

男性不妊と食事

精子の質を上げたり、精液量を増やしたりするには、精子の材料であるタンパク質を摂取しましょう。タンパク質は現代人に不足しやすいので、食事で足りない分は短期間(2~3年)に限りプロテインを活用するのもおすすめです。

また、高脂肪の肉の過剰摂取で精子の質が低下し、不妊になりやすいという報告もあるため、魚介類も食事に取り入れましょう。

ほかにも高脂肪、赤肉または加工された肉、生成した小麦などの穀物類、お菓子や甘い飲み物を多く摂取すると、精液濃度の低下がみられるという報告もあります。栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。

出典:
Diet and Male Fertility: The Impact of Nutrients and Antioxidants on Sperm Energetic Metabolism|International Journal of Molecular Sciences
High dietary intake of saturated fat is associated with reduced semen quality among 701 young Danish men from the general population|The American Journal of Clinical Nutrition

男性不妊とサプリ

「男性不妊には亜鉛やマカがよい」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。サプリはドラッグストアで購入できる手軽さがありますが、単体での男性不妊の改善は期待しにくいです。また、男性不妊への亜鉛の効果についての意見は割れているのが実情です。

サプリの摂取にこだわらず、運動や食事習慣の見直しに加えて、医療機関での不妊治療も検討してくださいね。

出典:
Effect of Folic Acid and Zinc Supplementation in Men on Semen Quality and Live Birth Among Couples Undergoing Infertility Treatment: A Randomized Clinical Trial|JAMA
男性不妊と亜鉛に関する基礎的研究|神戸大学

男性不妊と運動

適度な負荷の運動は、体内で抗酸化物質を増やし精子のDNA損傷度を低下させるといわれています。肥満や糖尿病の男性の場合は、適度な運動でテストステロンの分泌が改善し、精子の質が向上するという報告もあります。

一方で激しい筋トレをおこなうと、次の理由で精子の質が低下する可能性が高いです。

  • 体内の活性酸素が増え、精子DNAを傷つける
  • テストステロンの分泌量が減る
  • 慢性的な炎症で精子の質が低下する

男性不妊を改善する目的なら、適切な運動量と休養を意識してくださいね。

出典:運動による疲労の蓄積を感じたら、オーバートレーニング症候群にご用心|サワイ製薬

男性不妊向けの漢方薬のことは専門家にご相談ください◎

西洋医学では対応が難しい男性不妊は、漢方薬で改善するケースも多くみられます。精子の質や精液の濃度、運動率が低く悩んでいる方には、漢方薬での体質改善がおすすめです。

男性不妊の有名な漢方薬は市販で購入できるものが多いですが、体質に合う漢方薬を自己判断するのは難しいので、専門家のアドバイスをもらいましょう。

「漢方薬房こうのとり」では、男性不妊の治療を積極的におこなっています。男性不妊の専門家と提携し、漢方医学・西洋医学双方のアプローチも取り入れたアドバイスをいたします。

無精子症および精子無力症(精子の運動率が42%未満)の方々は、ART(体外受精や顕微授精)を検討するケースが多いです。精子が完全に生成されるまでには74日間かかり、この期間は漢方薬房こうのとりの子宝漢方を使用して体外受精の採卵に臨む方が多い期間になっています。

漢方薬房こうのとりでは、精子無力症の8割以上の方が74日間の服用により運動率が80%以上に改善した実績があります。2022年6月から2024年4月までの期間では、精子無力症の16名中13名が漢方薬を使用して運動率が80%以上に向上したケースもあります。

さらに、無精子症の方でも改善が見られ、妊娠に成功した事例もあります。運動率が70%未満の場合でも、漢方薬房こうのとりのパワーアップした新しい子宝漢方を試すことで結果が出る可能性がありますので、ぜひご相談ください。

店頭でのカウンセリングだけでなく、オンラインでも相談を受け付けていますので、男性不妊に悩んでいる方は気軽にお問い合わせ・ご予約くださいね。

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