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妊活・不妊治療

体外受精の失敗で落ち込む、判定日が怖くなるという声は多い

この記事を監修した人

京都薬科大学特命教授 兼 薬剤師
戸口 瑞之
漢方薬房こうのとり 代表

元富山総合薬局代表。現漢方薬房こうのとり代表・管理薬剤師 / 現京都薬科大学特命教授。
飲む量の加減のみ必要で万人に合う現代の中国漢方(中医)に大学病院時代から36年携わる。
漢方薬房こうのとりでは、直近3年で100人以上の方が目標を達成されています。

体外受精は、妊娠を望む多くのご夫婦にとって、大きな希望であり挑戦でもあります。しかし、全力を尽くして臨んでも、結果が「陰性」と出たとき、そのショックや喪失感は計り知れないものです。

この記事では、体外受精における「失敗」とはどの段階でわかるのか、陰性の結果に直面した際に感じる心の痛みの理由、また、回数を重ねた体験者たちのリアルな声を紹介していきます。失敗の経験を乗り越え、新たな一歩を踏み出すために、この記事が少しでもあなたの心の支えとなり、妊娠という夢への道を照らす助けになれば幸いです。

体外受精で「失敗」とわかる段階について

体外受精(IVF)は、体外で卵子と精子を受精させた後、受精卵(胚)を子宮に移植し、妊娠を目指す治療法です。この過程には採卵、受精、培養、胚移植、妊娠判定といった段階があり、いずれかの段階で期待する結果が得られない場合、「失敗」と判断されます

「失敗」と判断される主なタイミング

一般的に体外受精における「失敗」とは、胚移植後に妊娠が成立しないことを指します

以下の段階で「失敗」が明らかになります。

  • 妊娠判定(血液検査)で陰性だった場合
  • 超音波検査で胎嚢が確認できなかった場合

胚移植から約10~14日後に、血液検査で血中hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)値を測定します。通常、妊娠が成立していればhCG値が上昇しますが、一定基準に達しなかった場合、妊娠していないと判断されます。

また、妊娠判定が陽性であった場合でも、5~7週頃の超音波検査で胎嚢(赤ちゃんの袋)が確認できなければ、化学流産や異所性妊娠の可能性が考慮され、治療失敗とされることがあります。

参考:産婦人科診療ガイドラインー産科編2023|日本産婦人科学会

体外受精の各段階での「失敗」の可能性

体外受精では、次の各段階でも失敗が起こることがあります。

  • 採卵に失敗(卵が採れない、質が悪い)
  • 受精に失敗(受精できない)
  • 胚の成長が止まる(分割不良、胚盤胞にならない)
  • 移植後、着床に至らない

こうした段階のいずれかで問題が発生した場合も、治療の結果として「妊娠に至らなかった」という意味で失敗とされます。

「もう立ち直れない」体外受精で陰性だったとき、なぜこんなに落ち込むのか

体外受精に臨んだ多くの方が、結果が「陰性」とわかった瞬間、深い絶望感に襲われます。

なぜこれほどまでに心が打ちのめされるのか。その理由は、大きく3つに分けることができます。

体外受精にかける期待と喪失感

体外受精は、単なる治療行為ではありません。

治療に至るまでには、多くの時間、労力、そして強い希望が込められています。「これが最後のチャンスかもしれない」「今度こそ」という思いを胸に、勇気を振り絞って臨む方がほとんどでしょう。

その分、結果が「陰性」と出たときのショックは、夢を失う喪失感として心に深く刻まれます

「頑張ったのに報われなかった」という無力感が、さらに自己否定感を強めることも珍しくありません。

心身への負担と限界

体外受精にともなう肉体的・精神的負担は、想像以上に大きなものです。

排卵誘発剤によるホルモンコントロール、採卵や移植時の体への負担、不安と緊張が続く日々……。これらは身体だけでなく、心にも少しずつストレスを蓄積させていきます

限界ギリギリまで努力し、耐え抜いた末の陰性判定。この結果は、「もうこれ以上頑張れない」という気持ちを引き起こし、深い絶望へとつながります。

経済的負担と時間への焦り

体外受精には高額な治療費がかかり、1回ごとの費用も決して安くありません。

さらに、治療のために生活リズムを犠牲にし、時間とエネルギーを大きく費やしてきた方も多いでしょう。

「これだけの犠牲を払ったのに」という思いは、陰性という結果と相まって、失ったものの大きさを痛感させます。

加えて、年齢に伴う妊娠率の低下を意識すればするほど、「次はあるのか」という時間への焦りと恐怖感が、心を追い詰めます。

このように、体外受精の失敗による落ち込みは、単なる「結果」に対する反応ではありません。そこに込めた希望、耐えた痛み、積み上げた時間と費用。それらすべてが絡み合い、心に深い痛みを残すのです。

どうか、こうした感情が湧き上がるのは自然なことだと受け止め、自分を責めすぎないでください

1回目・3回目・6回目……体外受精失敗を経験した方々のリアルな声

体外受精に挑戦するということは、簡単な決断ではありません。

そして、その一回一回に込められた思いの深さは、実際に経験した人にしかわからないものがあります。

なお、体外受精(生殖補助医療)に関しては、3回目や6回目が、保険適用外となり経済的な負担が増すことから、節目になります。(治療開始時の女性の年齢が40歳未満であれば、6回目の胚移植までは保険適用の対象となります。​一方、治療開始時の女性の年齢が40歳以上43歳未満であれば、保険適用は3回までとなり、4回目以降の治療は保険適用外となります。​)

ここで、ほかの方が経験した体外受精で陰性だったときの声をご紹介します。

1回目の失敗

初めての体外受精に挑戦し、結果が陰性だったときのショックは計り知れません。​多くの方が、期待と不安の中で治療に臨み、結果に心を痛めています。​

「初めての体外受精、結果は陰性。頑張ったのに……涙が止まらなかった。」
(30代前半・女性)

「1回目でうまくいくと思っていた自分が甘かった。現実は厳しい。」
(30代後半・女性)

「初めての体外受精で陰性。夫婦で泣いた夜を忘れない。」
(40代前半・女性)

その他、Xでの声

3回目の失敗

治療を重ねるごとに、心身の疲労や経済的な負担が増していきます。​3回目の挑戦で結果が出なかったとき、限界を感じる方も少なくありません。​

「3回目の体外受精も陰性。もう何を信じていいのかわからない。」
(30代後半・女性)

「周りは妊娠報告ばかり。私は3回目の失敗。心が折れそう。」
(30代前半・女性)

「3回目の体外受精で陰性。これ以上続ける勇気が持てない。」
(40代前半・女性)

その他、Xでの声

6回目の失敗

長期間にわたる治療は、精神的にも肉体的にも大きな負担となります。​6回目の挑戦で結果が出なかったとき、多くの方が深い絶望感を抱えています。​

「6回目の体外受精も陰性。もう泣く力も残っていない。」
(40代前半・女性)

「これが最後の挑戦と思っていた6回目。結果は陰性。どうして…」
(30代後半・女性)

「6回目の体外受精でまた陰性。自分を責める日々が続いています。」
(40代前半・女性)

その他、Xでの声

体外受精の失敗は、回数を重ねるごとに心身への影響が大きくなります。​しかし、同じような経験をされた方々が多くいることを知ることで、少しでも心の支えになればと思います。

体外受精失敗の原因と、原因不明不妊について

なぜうまくいかなかったのかを知ることは、次に向けた大切なステップです。

ここでは、体外受精がうまくいかない主な原因と、原因不明不妊について詳しく解説します。

主な原因

体外受精がうまくいかない理由には、さまざまな要因が関与しています。主な原因は以下の通りです。

原因詳細
卵子の質加齢に伴い卵子の質が低下することは、体外受精の成功率に大きな影響を与えます。
特に35歳を超えると卵子の染色体異常率が上昇し、着床率が低下する傾向があります。
精子の質受精に必要な運動性や形態に問題がある場合、体外受精でも受精が成立しにくくなります。
着床環境の問題子宮内膜の厚さや質、免疫的な要因が影響し、胚が子宮にうまく着床できないケースもあります。
胚の異常胚自体に染色体異常があると、たとえ見た目が良好でも着床・発育に至らないことがあります。
最近では、胚盤胞の段階でのPGT-A検査(着床前染色体異数性検査)によって、リスクの把握が進められています。

原因不明不妊について

検査を重ねても特に異常が見つからない場合、「原因不明不妊」と診断されることがあります。

しかし、これは「問題がない」という意味ではありません。

現代医学で解明できていない微細な要因(受精障害、着床障害、免疫反応の異常など)が隠れている可能性もあります

注意点として

一部のクリニックでは、限られた検査しか行わず、早々に「原因不明」と結論づけてしまうケースもあります。

こうした場合、より専門的な視点から再評価することで、隠れた原因が見つかることも少なくありません。

セカンドオピニオンのすすめ

もし「原因不明」と言われたとしても、あきらめる必要はありません。

検査結果に異常がなくとも、検査項目が限られているケースや、西洋医学の範囲内での診断である可能性もあります。

そのような場合は、体質や生活習慣なども含めて総合的に診ることのできる専門機関でのセカンドオピニオンを検討しましょう。

北陸富山の「漢方薬房こうのとり」では、これまでに「原因不明」と診断された多くの方に対して、漢方医学の視点から原因を見つけ、妊娠・出産へ導いてきた実績があります。

実際に、漢方的に見て「気・血・水・腎」の4つの観点のうち1~4つの問題を抱えていた方が多く、それらを整えたことで、妊娠判定陽性から出産に至った方は9割近くにのぼります

現代医学で「原因不明」とされた場合でも、それはあくまで「西洋医学の枠組み内での原因不明」であることがほとんどです。

医療機関によっては検査の範囲が限られていたり、体質や生活背景にまでは踏み込めていないケースも見受けられます。

もちろん、多くの医師はご自身の専門領域での正確な判断をされていますが、漢方医学的な視点についてはカバーしていないこともあり、「その点については分からない」と率直に話してくださる医師もいます。

一方で、十分な情報がないまま否定的な意見を述べる医師がいることも事実です。

大切なのは、複数の視点から自分の体と向き合うこと

漢方薬房こうのとりでは、西洋医学とも連携しながら、一人ひとりの体質や背景に合わせた妊活サポートを行っています。

「原因不明」とされても、それは「可能性がない」という意味ではありません。ぜひ一緒に、新たな選択肢と可能性を探っていきましょう。

体外受精に失敗したときパートナーと支え合うためにできること

体外受精の結果が「陰性」だったときこそ、パートナーと互いに支え合い、心をつなぎ直すことがとても大切です。

ここでは、失敗を乗り越えるためにパートナーとできる具体的なアクションについて紹介します。

失敗の悲しみを一緒に受け止めるためにできること

無理に前向きな言葉をかけるのではなく、まずは「つらいね」「悔しいね」と、相手の感情をそのまま受け止めるとよいかもしれません。相手が泣きたいときには、黙ってそばにいてあげるだけでも十分な支えになります。

大切なのは、結果よりも「このつらさを一緒に感じている」という安心感を持ってもらうことです

かける言葉・かけない言葉

失敗後の心は非常に敏感になっているので、かける言葉には、より慎重になる必要があります。

かける言葉

「頑張ったね」
「一緒に乗り越えよう」
「つらいときはいつでも話してね」

避けたほうがよい言葉

「次があるよ」(結果を軽視しているように感じる)
「気にしすぎじゃない?」(感情を否定されていると感じる)
「もっとリラックスすればいいのに」(本人の努力を否定するニュアンス)

「励まそう」とするあまり、相手を追い込んでしまうこともあります。まずは受容し、その後、少しずつ前向きな言葉を伝えるのがよいかもしれません

体外受精で失敗しても次回に向けてできること

体外受精で陰性だったとき、落ち込みや無力感を抱くのは自然なことです。しかし、少しずつでも前を向くために、次に活かせる準備を整えていくことができます。

まず、今回の治療内容や体調を冷静に振り返りましょう。採卵・受精・胚の成長・移植・体調管理のどこかに改善できるポイントがないか、医師と共有しながら分析していきます。必要に応じて、治療方針の見直しや、より専門的な検査も検討しましょう。

また、転院やセカンドオピニオンを考えるのもひとつの選択肢です。これまでと異なる視点で診てもらうことで、思いがけない改善策が見つかる場合もあります。

漢方薬房こうのとりでは、西洋医学と連携した妊活支援を行い、次回に向けた総合的な体作りをサポートしています

次回移植までの一般的なスケジュール

一般的には、生理1~2周期(1〜2カ月)を挟んでから、次の胚移植に進むことが多いです

これは、子宮内膜の回復や体調調整を優先するためです。

ただし、状態が良好で、医師が問題ないと判断すれば、早めに次の移植を行うケースもあります。

逆に、身体や心の回復を優先し、数カ月休む選択をすることもあります。焦らず、医師と十分に相談しながら、自分自身のペースで次に進みましょう。

【FAQ】体外受精の失敗に関するよくある質問

ここでは、体外受精がうまくいかない方の疑問や不安にお答えします。

陰性でも妊娠していたケースはある?

ごく稀ですが、最初の妊娠判定(血液検査)で陰性に見えても、後から妊娠が判明するケースがあります。

しかし、基本的には妊娠判定の結果(陰性)は正確と考えてよいでしょう

体外受精失敗後、すぐ次の移植に進んでいい?

体調が良好で、医師の判断で問題ないとされれば、次の周期ですぐ移植を行うこともあります。

焦る気持ちが強いときこそ、医師としっかり相談し、自分にとってベストなタイミングを選びましょう

何回失敗したら治療方針を見直すべき?

明確な「〇回で見直すべき」という基準は設けられていませんが、2〜3回連続で胚移植を行っても妊娠に至らない場合は、原因を再検討し治療方針を見直すことが推奨されます。

ただし、この「見直し」の必要性は、現在の体の状態や治療の進め方そのものに無理がなかったかという観点からも考えるべきです

たとえば、日本では体外受精(顕微授精)に対して過剰な期待が先行しがちですが、実際の出産成功率(生産率)は13.8%と、世界的に見ても極めて低い水準にあります(※日本産科婦人科学会より)。

この数値は、移植できるだけの受精卵が採れる方が4割前後に限られるという実情からも裏付けられています。

一方で、ドイツやオランダ、アメリカなどでは、過去半年の基礎体温の記録において、高温期が10日以上持続した周期が4回以上あることが、体外受精に進む最低条件とされています。

つまり、基礎体温の安定という「妊娠しやすい体」の土台が整っていなければ、ステップアップを認めないという姿勢です。

日本では「基礎体温は見なくてよい」とされることもありますが、これは先進国の中では非常に珍しいアプローチです。

「漢方薬房こうのとり」では、こうした国際的な考え方を参考にしつつ、基礎体温の高温期の安定など、妊娠に向けた身体の状態を整えることを重視しています。

実際、富山を中心に北陸三県にお住まいの方々だけでなく、海外(ドイツ、オランダ、ベルギー、アメリカ)でも、体外受精の成功・出産につながった事例があります。

「体外受精を続けるか、それとも体の状態を見直すか。」

その判断の鍵は、回数だけでなく、「今の体が本当に妊娠に向けて整っているかどうか」を見つめ直すことにあります

過剰な期待が積み重なって心身のバランスを崩す前に、一度立ち止まって、自分の体と丁寧に向き合ってみましょう。

漢方薬房こうのとりでは、相談者の9割近くを出産までサポートしています

漢方薬房こうのとりでは、体外受精をはじめとする不妊治療に取り組む方に対して、妊娠だけでなく出産までを見据えたトータルサポートを行っています。妊活・不妊に特化した漢方相談を長年行っており、数多くのご夫婦を支えてきました。

主なサポート内容としては、以下の通りです。

  • 採卵や移植に向けた体調管理
  • 着床環境を整えるための体質改善
  • ストレスやホルモンバランスのケア
  • 妊娠継続のための安胎薬の使用

相談は完全予約制で、専門の薬剤師が一人ひとりの体質や生活習慣を丁寧に把握し、オーダーメイドの提案を行っています

また、相談者の8割以上は「妊娠できるか」だけでなく、「メンタルが安定した、身体の強い子を授かるにはどうしたらよいか」といった次のステップへの関心をお持ちです。自然妊娠で第二子に女の子を希望された方も多く、2025年現在では13例中13人が実際に女の子を出産されています。

こうのとりでは、基本に忠実に以下の4つの漢方的視点に基づいてサポートを行い、9割近い方が目標を達成されています。

  • 卵子の質が良好であること(過去6カ月のうち高温期が10日以上あった周期が4回以上、理想は6回とも14日以上)
  • 精子の運動率が70%以上であること
  • 子宮内膜が柔らかく、着床しても流産しない状態であること
  • 子宮内膜の厚さが12mm以上あること

妊活の道のりは決して一人で抱えるものではありません。「こうのとり」と共に、あなたに合った新たな可能性を探してみませんか。

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