40代で妊活中の方は、卵子の質について気になりますよね。妊娠の可能性を高めるためには、卵子の質を低下させないことが重要です。
そこで今回は、40代で卵子の質を上げる方法や、妊娠の可能性を高める方法について解説します。生活習慣や漢方、サプリなどさまざまな角度から紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
40代の妊娠可能性について
40代でも妊活をしている方は多くいますし、自然妊娠する方もいます。しかし、20〜30代に比べて妊娠の可能性は低くなります。
海外の調査によると、20〜30代では妊娠確率が5割以上あるものの、40代前半では約3割、40代後半では1割にも満たないという結果が出ています。
2023.11.06
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40代になると妊娠の可能性が低下する原因として、次の2点が挙げられます。
- 卵子の質や数の低下
- 婦人科疾患にかかりやすくなる
卵子の質や数が低下すると、受精しなかったり、流産してしまったりする可能性が高まります。
また、40代では、20〜30代に比べて子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科疾患にかかりやすくなります。これらの疾患は不妊を引き起こすため、定期的な検査や早めの治療が不可欠です。
さらに、40代になると、役職の昇進や責任の増加、残業の増加により、疲労が蓄積する方が多く見られます。このような状況では、染色体異常の発生率が高まる傾向があります。しかし、同じ方でも、職場環境の改善や残業の減少によって、染色体異常が発生しなくなるケースも少なくありません。
40代になると卵子の質は低下する?
40代になると、卵子の質は低下します。そのメカニズムや低下するとどうなるか、解説するので参考にしてくださいね。
卵子は増やせる?
卵子は生まれる前に体内で作られ、その後新たに増えることはありません。そのため、今ある卵子の質を低下させないことが重要です。
卵子は胎児のときに約700万個作られ、出生時には約200万個となります。出生後、卵子が新たに作られることはなく、徐々に減少していきます。排卵が起こり始める思春期ごろの卵子の数は、30万個です。
卵子の数は37歳ごろから急速に減少し、閉経時には約1,000個以下になると言われています。排卵する卵子の年齢は実年齢とほぼ同じであり、実年齢が40歳であれば、その方の卵子も40歳くらいということになります。加齢とともに卵子も老化するため、卵子の質を下げないことが大切です。
出典:Q24.加齢に伴う卵子の質の低下はどのような影響があるのですか?|一般社団法人 日本生殖医学会
卵子の質が低下するとどうなる?
卵子の質が低下すると、染色体異常の受精卵が増加し、不妊や流産の可能性が高くなります。
通常、卵子や精子は染色体を各々23本ずつ持ち、受精して受精卵になると染色体の数は46になります。卵子の元となる卵母細胞は排卵する卵子になるまでに2回の分裂をおこない、23本の染色体になります。
しかし、卵巣内で卵子の質が低下すると、途中で染色体不分離と呼ばれる分裂異常が起こり、染色体を24本持つ卵子ができてしまうことがあります。
染色体不分離が起こった卵子が受精すると、染色体が47本の受精卵ができてしまいます。染色体異常の受精卵のほとんどは着床しないか、化学流産(尿や血液での妊娠反応は出たものの、超音波検査で妊娠が確認できる前に流産してしまった状態)に終わります。
出典:流産・切迫流産|公益社団法人 日本産科婦人科学会
卵子の質が低下するメカニズムは?
卵子の質が低下する原因として、以下のような問題が挙げられます。
- 卵子の減数分裂がうまくいかなくなる
- 卵子細胞質でのミトコンドリアの機能が低下し、発育のためのエネルギーが不足する
- 卵子細胞質でのカルシウム放出低下により、受精後の胚発生に悪影響を与える
- 細胞の老化に関与する染色体末端のテロメアが短くなり、細胞分裂が停止する
卵子は新たに作られないため、現在卵巣にある卵子の質をこれ以上低下させないことが大切です。また、減数分裂途中にある卵子が減数分裂を再開するときの条件が良いほうが、卵子の質を保てるでしょう。
出典:妊娠する力「妊孕能」とは|新百合ヶ丘総合病院産婦人科リプロダクションセンター
参考:40代男性の場合、精子の質も低下している?
妊活では、卵子の質だけでなく、男性の精子の質も重要です。精子の質は、精子の運動率、精液量、精子濃度、正常形態率によって決められます。これらが、WHO発表のラボマニュアル第6版に示されている正常下限基準値を下回ると、自然妊娠は難しいでしょう。
精子の質は年齢や、食事・運動などの生活習慣、射精頻度、温度環境などの影響を受けます。歳をとると、酸化ストレスが引き起こされ、精子に悪影響を与えます。そのため、40代男性は20〜30代男性に比べて、精子の質が低下しているでしょう。
また、不規則な食生活や、運動不足・睡眠不足などのストレスも酸化ストレスを増やし、精子の質を悪化させます。さらに、高血圧、糖尿病、高脂血症といった生活習慣病になるリスクが高まります。生活習慣病になると精子の質がさらに低下するため、注意が必要です。
2023.11.06
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40代向けの卵子の質を上げる方法
卵子の質を上げるためにできることがあるのであれば、知りたいですよね。体質改善や漢方薬、サプリメントの服用など、卵子の質を上げる方法を紹介しますので、ぜひ試してくださいね。
漢方薬の効果
卵子の質を上げるためには、漢方薬がおすすめです。漢方薬で血の巡りを良くし、身体中に栄養を行き渡らせることで、卵巣にも良い影響を与えます。
妊活に有効な漢方薬として、当帰芍薬散、桂枝伏苓丸、加味逍遥散、温経湯などが挙げられます。
当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、加味逍遙散は婦人科三大処方と呼ばれ、妊活や女性特有の疾患によく用いられる漢方薬です。これらの漢方薬は血液の巡りを良くする作用を持ち、卵巣に栄養を行き渡らせます。
さらに、当帰芍薬散には体内の余分な水分を排出し、全身を温める作用があります。温経湯も同様に身体を温めるため、血行を良くする効果が期待できますね。加味逍遙散はイライラや不眠など精神的な不調にも効果があり、ストレスを軽減させることで卵子に良い影響を与えるでしょう。
2023.10.05
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食べ物の効果
前提となる考え方として、栄養バランスに偏りがあると卵子の質を始め、妊活においてさまざまなデメリットが生じます。ですので、食生活を整えることが先決です。
また、ミトコンドリアの活性は卵子の質と関係しているとされています。ミトコンドリアの活性に有効な栄養素を食べ物から摂取することで、卵子の質の低下を抑えられる可能性があります。
例えば、カリウムが該当します。カリウムは、海藻類、いも類、豆類、肉類、魚介類、野菜類、果実類などに含まれます。水溶性であるため、茹でたり煮たりすると水に溶け出してしまいます。生野菜や生の果物を摂取したり、スープや味噌汁にしたりすることで、効率的にカリウムを補えますね。
なお、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、成人女性に求められる1日のカリウム摂取の目安量は2,000mgです。
出典:日本人の食事摂取基準(2020 年版)|厚生労働省
運動の効果
ミトコンドリアは酸素で活性化するため、有酸素運動も有効です。ウォーキングやヨガなどの有酸素運動を毎日30分程度おこないましょう。
サプリの効果
食生活の乱れやストレスなどによって、身体に酸化ストレスが発生します。酸化ストレスは、ミトコンドリアの機能を低下させます。
抗酸化作用のあるサプリメントとして、PQQ(ピロロキノリンキノン)があります。PQQには高い抗酸化作用があり、卵巣内の卵(卵胞)の成熟に良い影響を与えることが分かっています。
また、神経内分泌ホルモンであるメラトニンも抗酸化作用を持ち、卵子の質を保つ効果が期待できます。さらに、メラトニンは卵巣の加齢を軽減するという報告もあり、妊活に適したサプリメントと言えるでしょう。
出典:
妊娠に大切な「卵活」|ロート製薬
メラトニンの抗酸化作用と生殖|Glycative Stress Research
ツボ・マッサージの効果
妊活に冷えは大敵です。身体が冷えていると血行が悪くなり、卵巣に十分な栄養が行き渡りません。ツボやマッサージで身体を温めることで、質の良い卵子を育てられるでしょう。
身体を温める効果のあるツボは以下のとおりです。
- 三陰交(さんいんこう)
足首の内側のくるぶしから、指幅4本分ほど上に上がった部分。 - 労宮(ろうきゅう)
手を握ったとき、手のひらの中指と薬指の先の間。
上記のツボに親指をあて、5秒間強く押して指を離します。5秒経ったら同様に同じツボを押します。これを3分間ほどくり返しましょう。
2023.10.05
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40代で卵子の質を上げられるまでの期間
卵子が成長し、排卵される排卵期卵胞になるまでにかかる期間は180日です。
通常、卵子は卵巣の中で原始卵胞として存在し、約90日以上かけて前胞状卵胞まで成長します。そして前胞状卵胞からさらに約90日かけて排卵する卵胞まで成長します。
そのため、体質改善をおこない卵子の質に反映されるまでには180日以上の期間が必要です。漢方薬などで体質を改善しても、卵子の質がすぐに良くなるわけではありません。妊娠を望む方は、早めに対策をおこないましょう。
悩みの多い40代の妊活こそ、漢方薬房こうのとりにご相談ください◎
40代の妊活において、卵子の質は重要です。加齢に伴って卵子の質は徐々に低下し、妊娠の可能性が低くなります。
卵子の質を良い状態で保つためには、漢方薬がとくに効果的です。漢方薬は血行を良くしてエネルギーを身体中に巡らせるだけでなく、具体的な妊活の悩みについて、ピンポイントに対処することもできます。運動や食生活など、生活習慣の改善とあわせて取り組むことで、より妊娠しやすい体に近づけるはずです。
漢方医学では、卵子の質は基礎体温の高温期の状態からかなり正確に推測できるとされています。また、日本以外の先進国では、基礎体温の高温期の状態が悪い場合、体外受精を進められない国も多いようです。特に「冷え」と「睡眠不足」は、卵子の質を大きく低下させる要因とされています。
「漢方薬房こうのとり」では、40代で染色体異常が原因で妊娠に至らなかった方でも、生活習慣の改善と漢方の服用を半年以上継続することで、胚盤胞4~5グレードの受精卵が採取でき、無事に出産されたケースが10名以上あります。
具体例として、42歳の女性が毎日夜10時過ぎまで残業をしていた頃、染色体異常による流産を3回経験しました。しかし、職場を変えて残業が1時間以内となり、「こうのとり漢方」を服用。半年で胚盤胞4~5グレードの受精卵6個を保存し、すべて染色体異常なし。その後、3か月後に移植が成功し、43歳で男児を出産しました。現在は産休中で、2人目の移植を検討中です。
北陸富山の「漢方薬房こうのとり」では、丁寧にカウンセリングをおこない、一人ひとりに合った漢方薬を提案します。40代の妊娠の実績も豊富です。店舗だけでなく、オンラインでも相談を受け付けていますので、お気軽にご相談くださいね。