不妊治療を長く続けても、なかなか子どもを授からず「そろそろあきらめたほうがよいのだろうか」と悩む方は少なくないでしょう。「後悔はしたくない」と治療を続けるものの、さまざまな理由から負担が増え、治療を断念せざるを得ない方もいます。
今回は、不妊治療をあきらめた理由や、治療を断念しても後悔しないために知っておきたいことや、同じ経験をした人の体験談、妊娠をあきらめた後の選択肢を解説します。
不妊治療の継続に迷いがある方にとって、さまざまな方向から自分の状況を見つめるヒントになるでしょう。
不妊治療の継続をあきらめた人の割合や年数に関するデータ
2020年の調査では、不妊治療をあきらめたり、一時的に中断したりした人の割合は、調査に参加した人の6割強を占めました。ただし、これ以上に不妊治療の継続を悩んだり、断念したりする人は多くいるでしょう。
実際、不妊に悩んだ経験がある人は22.7%にものぼり、多くの人が子どもを授かりたいのにうまくいかない状況に置かれているのです。
2021年の調査では、20~40代の不妊治療経験のある人の半数以上が、不妊治療の中断を経験または検討したと報告されています。
不妊治療を続ける年数は人それぞれで、治療を始めたらすぐに妊娠を叶える人もいれば、何年も続けても子どもを授からず、治療を断念する人もいます。最終的に不妊治療をあきらめた人が、治療を続けていた年数の平均については明らかになっていません。
しかし「できるだけ長く続けて、子どもを授かるチャンスがほしい」と考えて、行動を起こしている人は多い一方で、さまざまな理由から断念する人も多いのを忘れてはいけません。
出典:
「第4回 妊活®および不妊治療に関する意識と実態調査」調査結果概要|メルクバイオファーマ株式会社
「第5回 妊活®および不妊治療に関する意識と実態調査」調査結果概要|メルクバイオファーマ株式会社
不妊治療の継続をあきらめる理由
なかには、不妊治療をあきらめる人も少なくありません。精神的ストレスが大きいことや、頑張っても治療の効果が得られるとは限らないためです。
また、不妊治療の継続を難しくする要因はさまざまなものがあり、多くの制限のなかで治療に励む必要があります。ここからは、不妊治療の継続をあきらめる理由についてくわしく解説します。
年齢
不妊治療をあきらめる原因の1つに、年齢が挙げられます。妊娠しやすさは加齢とともに減少していき、35歳を超えると不妊症に悩む人が増えていきます。不妊の頻度は、35歳~39歳では21.9%、40歳~44歳では28.9%とされています。
なかなか妊娠できないことに悩みながらも治療を続けるうちに高齢になり、治療を断念する人が出てくるのです。
また、不妊治療の1つである体外受精や顕微授精において、保険適用される年齢や回数に制限が設けられているのも原因の1つでしょう。
条件 | ||
---|---|---|
年齢制限 | 治療開始時において女性の年齢が43歳未満であること | |
回数制限 | 40歳未満 | 通算6回まで(1子ごとに) |
40歳以上43歳未満 | 通算3回まで(1子ごとに) |
経済的負担が増大することで、治療継続がますます困難になるのです。
出典:
不妊症Q&A|東京都妊活課
生殖医療Q&A Q22 女性の加齢は不妊症にどんな影響を与えるのですか?|日本生殖医学会
令和4年4月から、不妊治療が保険適用されています。|厚生労働省

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お金
不妊治療をあきらめる理由として、経済的負担が大きいことが挙げられます。経済的負担によって治療を中断した人への調査によると、不妊治療にかかる費用の平均は年間95万円と報告されています。
その内訳は、医療機関に支払う治療費や、サプリメントや漢方にまつわる費用、通院のための交通費やガソリン代とさまざまです。
また、不妊治療のために残業ができなかったり、通院や体調不良で欠勤扱いをされたりすることで収入が大きく減ってしまうことも、経済的負担につながるでしょう。
出典:「第4回 妊活®および不妊治療に関する意識と実態調査」調査結果概要|メルクバイオファーマ株式会社

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仕事
不妊治療と仕事を両立するのが難しく、不妊治療をあきらめた人もいるでしょう。実際に、不妊治療を経験した人の約30%が、治療を続けるために仕事を変えていることが明らかとなっています。
不妊治療をおこなっている人への支援制度が十分に用意されている会社はまだ少なく、治療と仕事の両立が難しいと感じる人が多くいます。また、通院のために異動や転職をしたことで、収入の減少を経験した人も少なくありません。
有給休暇を使いながら治療を続けている人も多いですが、休みの取りやすさは会社によって異なり、取りやすくないと感じる人は30%以上という調査結果も出ています。
現在の職場環境や周囲から協力を得にくい状況では、不妊治療を続けたいけれど、仕事とうまく両立できずに、治療をあきらめてしまう人がいるのは無理のないことでしょう。
出典:
「第4回 妊活®および不妊治療に関する意識と実態調査」調査結果概要|メルクバイオファーマ株式会社
不妊治療を受けながら働き続けられる職場づくりのためのマニュアル|厚生労働省
不妊治療のやめどきを見極めるときの注意点
後々後悔しないためには、不妊治療のやめどきを見極めることが重要です。ここからは、注意点を解説します。
あきらめる理由は適切か
不妊治療をあきらめる前に、クリニックや医師を信頼したうえでの決断か、改めて自分の気持ちを確認しましょう。
クリニックの力不足や、医師の勉強不足で治療に失敗するケースがあることを忘れてはいけません。なかには、お金儲けのために保険診療の範囲である6回ぎりぎりまでよい卵子を選ばない悪質なケースもあります。
「信頼できる医師のもとで、十分に治療をおこなった」という納得感があるかどうかは、今後の人生で後悔しないために大切です。治療終了に納得できるか、今一度気持ちと向き合いましょう。
西洋医学以外の治療を検討したか
西洋医学的アプローチ以外にも、漢方による体質改善によって妊娠の可能性が高まるケースもあります。
クリニックで漢方が処方されるケースもありますが、担当の医師が漢方をくわしく知らないために、体質や症状に合わない漢方を漫然と続けていることも少なくありません。漢方の専門家のもとで体質改善をおこなうのも、治療の選択肢の1つにいれるとよいでしょう。
北陸富山の「漢方薬房こうのとり」では、半年以内で51.8%以上、2年以内に86.1%の方が結果を得ています。また、専門医とのタイアップによって、西洋医学と漢方医学の両面からのアプローチも可能です。
最後までできる治療をおこないたい方は、ぜひ一度ご相談ください。
夫婦で同じ結論に納得しているか
夫婦で不妊治療をやめることに納得しているかを話し合うことは、今後の人生のために必要です。夫婦だけの家族の形を続けていくのか、養子縁組を検討するのかなど、これからの人生についての考え方を共有しましょう。
「私と結婚しなければ夫は子どもをもてたのではないか」と葛藤し、離婚を検討する方もいますが、夫の自分への想いや今後の展望を聞き、離婚せずに二人の人生を歩むことになるケースも多くあります。
一人で結論を出さずに、夫婦で話し合う時間を設けてくださいね。
出典:不妊治療終結後の女性が子どものいない自分らしい生き方を見出すプロセス|日本看護科学会誌
【その後】不妊治療をあきらめて楽になった・幸せになった人について
不妊治療をあきらめた人が、どのような人生を歩んでいるか気になる方も多いでしょう。心身ともにつらい治療から解放されて、楽になった・幸せになったと感じる人はとても多いです。
ここからは、ケース別に不妊治療をあきらめた後について解説します。
自分のやりたいことを始めたケース
新しいことにチャレンジし、人生を充実させる人はとても多いです。不妊治療の経験を活かして新しい資格を取ったり、周囲の人の子どもをかわいがる選択をしたりして、幸せに生きています。
「夫と二人の人生を楽しめるようになった」と感じる人も少なくありません。つらい治療をともに乗り越えたからこその幸せだといえるでしょう。
自分の人生を肯定できたケース
つらかった不妊治療を終えて「今までよく頑張ってきた」「治療を続けたことも人生の宝物」と思い、人生を肯定できる人も多くいます。不妊治療の終了には決断力が必要です。自分自身や夫のために、大きな決断をしたことが自信につながる方もいます。
自然妊娠したケース
「不妊治療をあきらめて新しい人生を歩もうとしたら、自然妊娠した」というケースもみられます。治療のストレスから解放されたことで体調が改善し、妊娠にいたることもあるのです。

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【その後】不妊治療をあきらめて後悔した人について
幸せな人生を歩む人がいる一方で、不妊治療をあきらめて後悔する人もいるのを忘れてはいけません。ここからは、不妊治療をあきらめて後悔した人のその後について紹介します。
自分を責めるケース
「子どもを授かれなかったのは自分のせいだ」「もっと若いうちから妊活すればよかった」などと、自分を責めてしまうケースがみられます。
妊娠のしやすさには、年齢や体質、環境などさまざまなファクターが複雑に絡み合っています。そのため、自分を責める理由が無数に湧いてきてしまい、自己嫌悪に陥ることがあるのです。
夫に離婚を切り出すケース
「自分と結婚していなければ、夫は子どものいる幸せを手に入れられたかもしれない」と考え、自責の念から離婚を切り出す女性もいます。特に、不妊の原因が自分にあると診断された場合、その思いが強くなる傾向があります。
一方で、夫が不妊治療に非協力的だったり、精神的なサポートが乏しい場合にも、将来を共にすることに限界を感じ、離婚を決意するケースもあります。孤独感やすれ違いが積み重なり、「このまま夫婦でいる意味があるのか」と感じるようになるのです。

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出典:不妊治療終結後の女性が子どものいない自分らしい生き方を見出すプロセス|日本看護科学会誌
【事例】不妊治療をあきらめた芸能人のエピソード
芸能人のなかにも、不妊治療をあきらめて新たな人生を踏み出した人がいます。ここからは、実際の事例を紹介します。
アンミカさん
アンミカさんは40歳で結婚後、自然妊娠を希望していたものの、1年経っても自然妊娠せず、婦人科を受診しました。そこで、タイミング法を始めたものの、半年おこなっても妊娠せず、体外受精に切り替えたそうです。
しかし、卵子がなかなか取れなかったことや、着床後にすぐに子どもを流産してしまったことで、精神的に不安定になりました。その後、心身を休めるために治療を中断し、体質改善に励みます。
44歳で顕微授精にチャレンジしたところ、受精卵ができたものの、流産してしまったそうです。そして46歳で生理が止まったことで、不妊治療からの卒業を決めました。そして、今は周りの子どもをかわいがるようになったそうです。
陣内貴美子さん
37歳で結婚後、39歳から不妊治療を始めた陣内貴美子さんは、仕事と治療の両立で心が不安定だったそうです。治療を頑張っても結果が出ないことが、心身ともにつらさを増していました。
その後、45歳で治療をあきらめた後は、友人や知人、後輩の子どもの成長を見守ることにしたそうです。今は、大勢の子どもたちに囲まれて、にぎやかな日々に送っているようです。
武内由紀子さん
タレントの武内由紀子さんは、妊娠をあきらめた日に「特別養子縁組」という選択をしたそうです。親になることをあきらめたくなかったそうで、4年間の不妊治療を終えた病院からの帰り道で、夫に気持ちを伝えました。
民間の養子縁組あっせん機関は、親の年齢に上限を設けていることも多いため、できるだけ早く行動に移したかったとのことです。セミナーや審査、面接を受けて、養親候補として正式登録後、無事に養子を迎え入れ、子育てに励んでいます。
漢方薬房こうのとりは多くの「あきらめかけた」方々をサポートしてきました
不妊治療をあきらめてしまう理由は、経済的負担、年齢、治療の限界感、仕事との両立、そして精神的な疲弊など、さまざまです。なかなか妊娠に至らず、希望が見えなくなる日々に、「もう無理かもしれない」と感じる方も多いのではないでしょうか。
しかし、そうした思いを抱えて「漢方薬房こうのとり」に来店された方の中には、もう一度前を向き、実際に妊娠・出産された方が多数おられます。
たとえば、最高齢での出産例は50歳。この方は47歳10カ月で結婚し、県内の不妊治療クリニック2か所では年齢だけで門前払いを受けました。47歳11か月で「先生も門前払いですか?」と不安そうに「こうのとり」の扉を開かれたときの姿は、今でもスタッフの心に残っています。
「こうのとり」では、卵子の在庫があれば年齢だけで不妊治療を諦めないという方針のもと、近県の体外受精を扱う医療機関との連携を提案。医療機関で卵子の在庫が確認されたのち、48歳から漢方での体づくりをスタートしました。
漢方服用によって卵子の質の改善に9ヶ月、精子の質改善に4ヶ月、受精卵保存に3ヶ月、子宮内膜の柔らかさ・厚さ改善に約1年2ヶ月。最終的に、50歳4ヶ月で妊娠判定陽性、無事に男児を出産されました。
このような奇跡のような事例が、漢方薬房こうのとりでは現実に起こっています。2023年には、47歳で出産された方もおられました(中学校の先生で、夏休み中の体外受精により陽性判定)。
一方で、多くの方が「体外受精に進めばきっと授かる」と信じて治療を受けていますが、現実は厳しく、日本産科婦人科学会の最新統計(2024年)によればART(生殖補助医療)の出産成功率は13.8%にすぎません。
さらに、体外受精に進んでも採卵でよい受精卵が得られず、移植に進めない方が全体の6割前後と推定されます。この事実をあらかじめ知っている方は、「こうのとり」に来られる方の中でもいまだにほとんどいません。
「ステップアップすればうまくいく」と信じて治療を重ねた末、突然の壁にぶつかり、落ち込んでしまう方、うつ状態に近くなる方も少なくありません。
「漢方薬房こうのとり」では、そうした“もう無理かもしれない”というタイミングで相談に来られる方を、4つの漢方医学的視点から丁寧にサポートしています。
初回のカウンセリングでは、「できない理由がはっきりわかった」「生活習慣から変えてみようと思えた」と言ってくださる方が多数いらっしゃいます。こうのとり漢方を飲み始めて6ヶ月以内に妊娠判定陽性となった方が51.8%、2年以内での陽性判定率は86.1%という実績があります。
現在は、2022〜2023年まで使用していた旧処方(桃福宝など)より2割以上安価で、平均2割早く効果が出ている新処方を使用しており、費用面でも時間面でも継続しやすくなっています。
「もう年齢的に無理かもしれない」「体外受精もうまくいかなかった」と感じている方も、まだできることがあるかもしれません。
ぜひ一度、「漢方薬房こうのとり」へご相談ください。店舗での対面相談に加え、全国どこからでも利用できるオンライン相談も承っています。
お1人で悩まず、一緒に可能性を探していきましょう。
