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妊活・不妊治療

着床しやすくする運動とは?妊活中のポイントや不妊を招く注意点を解説

この記事を監修した人

京都薬科大学特命教授 兼 薬剤師
戸口 瑞之
漢方薬房こうのとり 代表

元富山総合薬局代表。現漢方薬房こうのとり代表・管理薬剤師 / 現京都薬科大学特命教授。
飲む量の加減のみ必要で万人に合う現代の中国漢方(中医)に大学病院時代から36年携わる。
漢方薬房こうのとりでは、直近3年で100人以上の方が目標を達成されています。

「着床しやすくするために運動がおすすめ」と昔から言われますが、妊活や不妊と運動の間にはどんな関係があるのでしょうか。

今回は、妊活と運動の関係について扱うとともに、妊活中におすすめの運動について詳しく紹介します。

ほかにも、子宮内膜を厚くする運動や、運動以外の着床をうながす方法の効果なども詳しく解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。


妊活・不妊と運動の関係

毎日30分程度の適度な負荷の運動を行う女性は、排卵性不妊のリスクが低いという研究結果があるほど、運動は大切です。

妊活中の運動には、以下のような効果を見込むことができます。

  • ストレスや自律神経の乱れの解消・改善
  • 肥満の改善
  • 血流の促進

ストレスや自律神経の乱れは、女性ホルモンバランスを乱れさせるため、不妊の原因になりえます。また、ストレスが溜まると、卵子や精子の質を低下させる活性酸素が体内で増えてしまいます。

適度な運動を取り入れることでストレスを発散でき、自律神経のバランスが活性酸素の増加を抑えられるため、妊娠しやすい体作りにつながるでしょう。

また、肥満は妊娠率を低下させることが報告されているため、妊娠を望む際には、適度な運動を取り入れて、BMIを20~24の範囲に収めることを心がけましょう。

さらに、運動によって骨盤内の血流が高まると、生殖器官の働きが活発になることが期待できるため、妊娠率が上がる可能性があります。冷えに悩む人は子宮内膜や卵子の質が低下しやすい傾向にあるため、運動などで血流を改善することが必要です。

ちなみに、コロナがきっかけで運動不足になり、子宮内膜が薄くなった人も多いといわれています。デスクワークによって長時間座っていることが多くなり、骨盤内の血流が滞ったことが原因だと推測できます。

ほかにも、男性が運動を取り入れることで、体の機能が向上し、勃起力や射精能力が高まることが期待できます。

一方で、長時間の激しい運動は妊娠率の低下を引き起こす恐れがあると報告されています。男女ともに、妊活や不妊治療を行っている際には適切な強度の運動を心がけましょう。

参考:【漢方医監修】妊活を始めるならまず温活を!| ロート製薬

着床しやすくする運動

着床のしやすさは、受精卵と子宮内膜の質の両方が関わると考えられます。

なぜなら、受精卵の染色体に異常があると、着床できずに流産するリスクが高まりますし、子宮内膜が薄く硬いと受精卵が着床できない可能性があるからです。

それでは、妊活中や不妊治療を行っている中で、着床しやすくする運動の強度や内容はどんなものでしょうか。

ここからは、着床しやすい体作りにおすすめの運動を紹介します。

ウォーキング

妊活中の運動は有酸素運動が効果的であり、その代表例がウォーキングです。

ウォーキングによって下半身の大きな筋肉が刺激されるため、短時間でも血行がよくなり、全身が温まりやすいです。

全身の血行がよくなることで子宮や卵巣に十分な栄養が行き渡り、体を着床しやすい状態に導くことが期待できます。

また、一定のリズムで歩くことで、セロトニン神経系が活性化され、ストレス解消に効果を発揮します。

一定のリズム運動を5分以上続けるとセロトニンの分泌が始まり、20~30分でピークに達するといわれています。毎日30分程度のウォーキングを取り入れることで、血行改善やストレス解消が期待でき、着床しやすい体に近づくでしょう。

ストレッチ

ストレッチにも、血行を改善して体を温める効果が期待できます。

ウォーキングの習慣化のハードルが高かったり、忙しい日や天候が悪い日にウォーキングに行くのが難しかったりするなら、自宅でできるストレッチもおすすめです。

例えば、デスクワークなどで固まった股関節を中心にほぐすと、適度に筋肉がほぐされて、全身が温まるのを実感できるはずです。ストレッチも1日30分程度で気持ちよいと感じられるペースや強度で行いましょう。

体操

妊活中に自宅でできる体操を取り入れることもおすすめです。

たとえば、ラジオ体操は正しいやり方で筋肉を意識して行うと、有酸素運動、筋トレ、ストレッチ、バランス運動をまとめて行えるように組まれています。短時間でも体がほぐれ、全身に血が巡る感覚がわかるはずです。

ほかにも、床に座ってできる「お尻歩き」も、骨盤周りの筋肉を刺激できます。やり方は以下のとおりです。

  1. 足を伸ばして座る
  2. 左右の骨盤を交互に持ち上げるように動かし、前に進む
  3. 1畳程度進んだら、後ろに戻る
  4. 3回1セットで行う

普段使わない筋肉を使うことで、骨盤周りの血流が改善し、着床のしやすさにつながりますよ。

子宮内膜を厚くする運動

前述のとおり、子宮内膜が薄いと受精卵が着床できず、流産するリスクが高まります。多くの病院では、子宮内膜の厚さが7mm以下だと体外受精の移植が中止になるケースが多いです。

子宮内膜を厚くするためにも血流の改善やホルモンバランスが整っていることが必要であり、着床しやすくする運動と同様の運動量が効果的です。

血流の改善で子宮内膜の肥厚に必要な栄養が十分に行き渡るとともに、ストレスや自律神経の乱れを解消することで、女性ホルモンバランスが整う効果が期待できますよ。

激しい運動は不妊につながるので要注意

適度な運動が、着床率や子宮内膜の質を上げるのに効果的な一方で、激しい運動は不妊につながるとされています。男女ともに、高負荷な運動が不妊につながる可能性があるため、注意が必要です。

ここからは、男女別に激しい運動によって起こりうる不妊のリスクについて解説します。

女性の場合

ノルウェーの研究では、60分以上激しく運動した女性の不妊のリスクが6.2倍に増加すると報告されています。

標準的な女性では、エネルギー摂取量を超える高負荷な運動を取り入れることで、生殖機能の維持に必要なエネルギーを減少させる可能性があるといわれています。

また、激しい運動は体内で活性酸素を増やし、卵子の質を低下させたり、着床に悪影響をもたらしたりする可能性があるのです。

男性の場合

男性の場合も、激しい運動で体内で活性酸素が増え、その影響で精子の活性が弱まってしまうリスクがあります。

また、視床下部-下垂体-性腺軸(HPT軸)というストレスに対応するホルモン分泌に関わる機能が低下し、体内で炎症が起こってしまいます。

その結果、テストステロンの分泌量が低下して、精液の質が低下する恐れがあるのです。

激しい運動が不妊につながるとはいえ、職業柄控えるのが難しい方は、妊活に詳しい専門家への相談を検討しましょう。

【運動以外】着床しやすくする方法はほかにもある?

SNSやブログでは、運動以外にも着床率を上げる方法に関するさまざまな噂が飛び交っています。

たとえば、「着床には寝方が大事」という噂を見聞きした方も多いかもしれません。ほかにも、着床率を上げる効果がある食べ物やツボなどの情報もありますが、実際に効果はあるのでしょうか。

ここからは、運動以外に着床しやすくするといわれる方法について効果などを解説します。

着床しやすい寝方はある?

着床しやすさと寝方の関連性を裏付ける研究データはありません。また、受精や着床のメカニズムからも、着床しやすい寝る態勢に関する情報の根拠は薄いと考えられます。

一方で、睡眠の質は着床のしやすさに関連が深いため、睡眠の質が低下するのを避けるためにも、着床しやすい寝方にこだわらず、リラックスしやすい体勢を選ぶようにしてくださいね。

着床しやすくする食べ物と飲み物はある?

子宮内膜をふかふかに厚くする食べ物や、着床率を上げる飲み物についても、明確な効果を裏付ける研究データがないのが現状です。着床率を上げるためにパイナップルやアーモンドがよいといわれていますが、どちらも研究報告がなく、明確な効果があるといえません。

ただし、たんぱく質を多め(1回の食事で3割以上)に摂取し、糖質を控える食事を取り入れることで妊娠率が上がるという報告はあるため、食事に取り入れる食材に気を配るのは大切です。

単一の食べ物や飲み物で体質を改善して着床率を上げるには無理がありますから、バランスのよい食事を心がけましょう。

着床しやすくするツボはある?

着床しやすくするツボについても、研究データがなく明らかな効果があるといえません。また「妊活中に押してはいけない」とSNSなどで紹介されているツボについても、妊娠率への影響に関する研究データはありませんので、神経質になる必要はないでしょう。

妊娠しやすい体に改善していくには、生活習慣を見直すだけでは効果が実感しにくいです。その場合は、専門家のサポートや適切な医療を取り入れるとよいでしょう。

漢方は自然な体質改善をうながし、着床率を上げることが期待できます。冷えなどの症状を改善したり、自律神経を整えたりする効果がある漢方を取り入れることで、妊娠しやすさにつながりますよ。

運動と妊活・不妊のことも、漢方薬房「こうのとり」に気軽にご相談ください◎

着床しやすくするのに適度な運動を取り入れることはおすすめです。ただし、激しい運動が不妊につながる恐れもあるため、無理のない範囲で取り組みましょう。

適度な運動としては、1日30分のウォーキングで十分です。

女性にとっては、軽い運動が瘀血の改善やストレスの軽減につながり、結果として活性酸素の除去に効果的です。

一方、男性は女性より、適度な運動の必要性が高くなります。精子の運動率向上には、運動が欠かせません。実際、運動習慣のない男性は、漢方を服用しても精子の運動率が80%に届かないケースが多いため、男性には必須であることを強調しています。

北陸富山の「漢方薬房こうのとり」では、妊活・不妊治療や漢方に精通したプロが1人1人体質や症状を丁寧にヒアリングし、その方に合った漢方を処方しています。

漢方のことだけでなく、妊娠しやすい体作りに必要な生活習慣のアドバイスや、激しい運動が必要なアスリートの方の妊活のサポートも行っています。

実際に、冷えや生理周期の乱れに悩んでいた元アスリートの方が、漢方薬房こうのとりで処方した漢方の服用で妊娠を叶えました。

店頭での相談だけでなく、オンラインでの問い合わせにも対応していますので、ぜひお気軽にご相談くださいね。

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