不育症に漢方は効果がある?柴苓湯や当帰芍薬散の使い分けと流産後の安全な体づくり

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流産や死産をくり返すたび、「私の体はもう赤ちゃんを育てられないのかもしれない」と、深い孤独を感じていませんか。
検査をしても原因がはっきりしない不育症では、その不安はいっそう募ります。
この記事では、漢方を取り入れて体質を整え、無事に出産に至った方の事例や考え方をもとに標準治療との向き合い方をお伝えします。
不育症で出産に至った漢方の事例からわかること
まず知っていただきたいのは、不育症と診断されても出産をあきらめる必要はないということです。
漢方による体質改善が、妊娠継続の後押しになったという声は少なくありません。
過去の相談では、何度も流産をくり返し、心療内科に通うほど追い詰められながらも、漢方薬局や専門外来で体質に合った漢方薬を続けたことで無事に出産できた方もいます。血流の滞りや冷え、ホルモンバランスの乱れといった体質の傾向は人によって異なり、それぞれに合った漢方薬を選ぶことが妊娠継続を支える一因になりえます。
監修者
もちろん、漢方はすべての不育症に等しく効くわけではありません。
実際、免疫因子が関わる不育症に対して当帰芍薬散の有効性を検証した研究では、有意な差は認められなかったと報告されています。漢方は原因や体質を見極めたうえで選ぶことが何より大切で、闇雲に服用すればよいというものではないのです。
出典:当帰芍薬散は免疫不育症に臨床的に有効か?|CiNii Research
そのうえで、体質改善というアプローチには一定の意味があります。
柴苓湯は水分代謝を整えて免疫バランスを整える働きが期待され、当帰芍薬散は血流を促し冷えを和らげる作用で知られています。
厚生労働省の不育症研究班による提言でも、リスク因子の検査と並行して、体質面のケアを含めた総合的な管理の重要性が示されています。
この記事では、こうした漢方の考え方と体質別の選び方、そして標準治療との併用で気をつけたい安全性のポイントを順にお伝えします。流産をくり返した経験があっても、体づくりを見直すことで次の妊娠に希望を持てる方が一人でも増えればと思います。
漢方医学の視点でみる不育症の原因
西洋医学では不育症の検査で異常が見つからないケースも少なくありません。
ここでは漢方医学がその背景をどうとらえているのか、体質という切り口から解説します。
不育症は、2回以上の流産や死産を繰り返す状態を指します。西洋医学の検査で子宮の形や血液の凝固機能、染色体などを調べても、原因がはっきりしない場合が半数近くあるといわれています。こうした「原因不明」とされる部分に、漢方医学ならではの視点が入り込む余地があるのです。
漢方医学では、妊娠を継続する力を「腎(じん)」の働きと結びつけて考えます。腎は生命エネルギーの源とされ、加齢や冷え、過労によって弱ると「腎虚(じんきょ)」という状態になります。腎虚になると子宮を温め、育てる力そのものが不足しやすくなると考えられています。

さらに、血のめぐりが滞る「瘀血(おけつ)」も重要な視点です。瘀血があると子宮内に十分な栄養や酸素が届きにくくなり、着床や妊娠の維持に影響すると考えられています。
ほかにも、血や気(エネルギー)そのものが不足する「気血両虚(きけつりょうきょ)」、ストレスで気のめぐりが乱れる「肝鬱(かんうつ)」といった体質パターンがあります。
自分の冷えや血の巡り、疲れやすさといった体質のクセを知ることが、妊娠を継続しやすい体づくりの出発点になります。
不育症に用いられる代表的な漢方の特徴
ここでは実際によく処方される柴苓湯、当帰芍薬散、桂枝茯苓丸の3種類について、どんな体質に合うのかを具体的に見ていきます。
柴苓湯(サイレイトウ)の特徴と適した体質
柴苓湯は小柴胡湯と五苓散を組み合わせた漢方薬で、もともと炎症や水分代謝の乱れに用いられてきました。
不育症の領域では、自己免疫異常や原因不明の反復流産に対して選ばれることが多い薬です。免疫バランスの乱れが疑われるケースで柴苓湯が第一候補になりやすいのは、体内の余分な水分をさばきながら炎症を鎮める働きがあるためです。
検査で明らかな異常が見つからない不育症、いわゆる原因不明不育症と診断された方の中には、この免疫的な要因が背景にあると考えられるケースがあります。柴苓湯は流産防止を目的として、こうした免疫異常による反復流産に用いられることがあります。
体質的には、むくみやすい、下痢気味、口が渇きやすいといった水分代謝の滞りを感じる方に向いています。
当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)の特徴と適した体質
当帰芍薬散は、当帰や芍薬など血を補い巡らせる生薬を中心に構成された処方です。もともと筋肉が軟弱で疲れやすく、腰や脚が冷えやすい方の貧血や倦怠感に使われてきました。
出典:ツムラ当帰芍薬散エキス顆粒(医療用)|医薬品医療機器総合機構
冷えと貧血傾向があり体力が落ちている方に当帰芍薬散が向いているのは、血を補う(補血)働きと巡らせる働きの両方を持つためです。
子宮まわりの血流が滞ると、着床後の胎盤形成や栄養供給が不安定になりやすいと考えられており、血を十分に補い巡らせることが流産予防の土台づくりにつながります。不育症で当帰芍薬散が処方される背景にも、この血虚(けっきょ、血が不足した状態)を整える狙いがあります。
柴苓湯が炎症や水分代謝に働きかけるのに対し、当帰芍薬散は虚弱体質そのものを底上げするイメージです。顔色が青白い、立ちくらみがする、経血量が少ないといった方は、当帰芍薬散が体質に合っている可能性があります。
ただし、BMI20以下の痩せている方は逆効果になることが多いです。
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桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)の特徴と適した体質
桂枝茯苓丸は瘀血(おけつ、血の巡りが滞った状態)に用いられる代表的な処方です。
医療用製剤の効能では、体格がしっかりしていて赤ら顔が多く、下腹部に抵抗や圧痛を感じるタイプの月経不順や炎症性疾患が対象とされています。
出典:ツムラ桂枝茯苓丸エキス顆粒(医療用)|医薬品医療機器総合機構
体力が比較的あり、のぼせや月経痛、経血に塊が混じるような瘀血症状がある方には桂枝茯苓丸が合いやすいです。同じく血に関わる処方でも、当帰芍薬散が「血が足りず巡りも悪い虚弱タイプ」向けなのに対し、桂枝茯苓丸は「血の量は足りているが滞っている実証タイプ」向けという違いがあります。
両者を見分けるポイントは、冷えより熱感が強いか、体力が落ちているというより充実しているかという点です。
漢方薬房こうのとりは39年にわたり漢方相談に携わる中で、こうした体質の見極めを一人ひとり丁寧に行ってきました。同じ「流産を繰り返す」という悩みでも、体質によって合う漢方は大きく異なります。
監修者
漢方で始める稽留流産後の妊娠に向けた体づくり
稽留流産の処置を終えたあと、いつから次の妊娠に向けて動き出せばいいのか、迷う方は多いでしょう。
ここでは漢方を使った体づくりの始めどきと進め方を具体的にお伝えします。
医学的には、流産から次の妊娠までの間隔が短くても流産率が上がるわけではないとされています。ただし子宮内の処置を伴った場合は、出血や生理周期が落ち着くまで数週間から1カ月ほどかかることが一般的です。
漢方を始めるタイミングは、医師の診察で子宮の状態が落ち着いたと確認できたあとが目安です。
出血が完全に止まり、診察で経過に問題がないとわかった段階で、体質に合わせた漢方を取り入れていくと無理がありません。
血の巡りが滞りやすい方は瘀血(おけつ)の改善を意識した漢方から、冷えや貧血傾向が強い当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)で血や水の巡りを整えるところから始める方が多いです。
ただし、当帰芍薬散は色白でふくよかなタイプの人に限定して使用する漢方です。免疫の関わりが疑われる場合は柴苓湯(サイレイトウ)を組み合わせるケースもあります。
焦って結果を求めず、まずは1〜2カ月かけて生理周期と基礎体温を整えることを最初の目標にするのが現実的です。
体づくりと並行して、心のケアも忘れないでください。流産の悲しみは時間をかけて向き合うものです。漢方は体だけでなく気持ちの浮き沈みを和らげる働きも期待できるため、心身両面からゆっくり整えていく姿勢が次の妊娠への準備になります。
不育症の標準治療と漢方を安全に併用する妊娠前後の注意点
病院での標準治療と漢方を一緒に続けてよいのか、妊娠がわかったあとも飲み続けて大丈夫なのか。
ここでは併用の考え方と、妊娠前後で気をつけたいポイントをお伝えします。
不育症の検査や治療の多くは保険適用の範囲でおこなわれ、血液凝固の異常があればヘパリンや低用量アスピリンなどが使われます。これらは血液の状態に直接働きかける薬なので、漢方を併用する場合は自己判断で始めず、主治医と漢方に詳しい専門家の両方に相談することが前提です。作用の仕組みが異なる西洋薬と漢方は、多くのケースで併用が可能です。
ただし、漢方医学では体質に合うかどうかが前提となるため、すべての方に良いものではなく、体質に合わない場合は不調につながることもあります。
妊娠が成立したあとは、生薬の内容を見直す必要があります。瀉下作用や活血作用が強い成分は妊娠中に不向きとされるため、妊娠判定が出たタイミングで処方を切り替えるのが基本です
39年にわたり不育症の相談を受けてきた立場から言えるのは、服用のタイミングと量の調整さえ誤らなければ、漢方は妊娠前後を通じて心身を支える味方になるということです。
監修者
不安な点は独断で判断せず、必ず専門家に確認しながら進めてください。
繰り返す流産にお悩みなら39年の実績をもつ当院へ
流産や死産を繰り返すつらさは、経験した人にしかわからないものですよね。
原因がはっきりしない不育症だからこそ、検査の数値だけでなく、ご自身の体質にじっくり向き合うことが次の妊娠への近道になります。
私たち「富山の漢方薬房こうのとり」は、腎虚や瘀血、気血両虚といった体質を一人ひとり見きわめ、流産を繰り返してきた方の体づくりに長年取り組んできました。
95%以上の相談者が体調の変化を実感したという結果は、体質に合わせた漢方選びと丁寧な経過観察を積み重ねてきたからこそだと考えています。
軽度のものであれば遺伝病の不育症さえ、出産に至ったケースがございます。
監修者
標準治療で結果が出ずに悩んでいる方も、漢方だけでは不安という方も、まずは今の体質と状態を知ることから始めてみましょう。
次の妊娠に向けて何をすればいいかわからない、そんな段階でのご相談も歓迎しています。
ひとりで抱え込まず、漢方薬房こうのとりでの生活習慣の改善と漢方をお飲みになることで体質を整えるという選択肢をぜひ知ってください。















