妊活中に性欲や気持ちがすれ違うときの夫婦の話し方と、義務感を減らす工夫

妊活中に性欲や気持ちがすれ違うときの夫婦の話し方と、義務感を減らす工夫

妊活を始めてから、触れ合いの気持ちがのらない、義務のように感じてしまう。そんな揺れを、パートナーにどう伝えればよいのか迷っていませんか。この記事では、責め合いにならない切り出し方、自分を主語にした言葉の選び方、義務感を減らす日常の工夫を、今日から試せる形でまとめました。原因の特定や治療ではなく、二人の対話に絞ってお伝えします。

妊活中に気持ちがのらないとき、まず確認したいこと

妊活が始まってから、以前は自然だった触れ合いが急に重く感じられ、そんな自分を責めたり、相手に申し訳なく思ったりしている方もいるかもしれません。気持ちの動き方には個人差があり、すれ違いは誰のご夫婦にも起こりうるものです。まずは原因を探すより先に、今の気持ちを整理するところから始めてみましょう。

妊活中に気持ちがのらないとき、まず確認したいこと

「したくない」と「あなたが嫌い」は別の話

触れ合いに気持ちがのらないとき、「もうこの人を好きではなくなったのでは」と心配になる方がいます。受け取る側も、拒まれた気がして自分に魅力がないのかと落ち込んでしまうことがあります。けれど、「今はその気になれない」という感覚と、パートナーへの愛情は、別々に存在できます。

たとえば、仕事で気を張った一日のあとに「予定された触れ合い」が待っていると、相手への気持ちとは関係なく、気持ちが重くなることがあります。理由はひとつとは限らず、ご本人にもはっきり説明できないことも珍しくありません。説明できないことを無理に言語化しようとしなくても大丈夫です。

大切なのは、「のらない自分はダメだ」と決めつけないことです。同時に、パートナーが同じように感じているかどうかも、聞いてみなければ分かりません。思い込みで相手の気持ちを決めつけず、「分からないから聞いてみよう」という姿勢が、最初の一歩になります。

義務感に気づいたときの小さな振り返り

「義務のように感じる」という感覚に気づいたら、評価や診断ではなく、話し合いの材料集めとして、ご自身のメモに書き出してみてください。ノートでもスマートフォンのメモでも構いません。次のような問いかけを、思いつくままに書いてみましょう。

  • ここ1カ月ほど、疲れが抜けない日はどのくらいあったか
  • 予定が詰まっていて、気持ちに余裕がなかった日はいつか
  • 触れ合いの予定を考えたとき、重く感じた場面はどんなときか
  • 反対に、少し楽に感じた場面や、嬉しかった瞬間はあったか

書き出すときの注意点は、正解を探さないことです。「疲れている」「予定が多い」と書けたら、それだけで十分な材料になります。このメモは相手に見せる必要はなく、話し合いの場で「実はこういうことがあって」と切り出すときの手がかりとして使えます。

パートナーも同じようにメモを作ってくれると理想的ですが、無理にお願いしなくても構いません。まずはご自身の気持ちを知ることを優先してください。

話し合いを切り出すときの場面と言い方

伝えたい気持ちがあっても、「いつ、どう切り出せばいいのか」で止まってしまう方は多いものです。話の中身と同じくらい、場面と言い出し方が、その後の空気を左右します。ここでは、選びやすい場面と、使いやすい一言をご紹介します。

避けたい場面と選びやすい場面

切り出しにくい場面から整理しておきましょう。次のようなタイミングは、気持ちに余裕がなく、相手が責められたと受け取りやすいため、避けるほうが無難です。

  • 排卵が見込まれる日の直前や当日
  • 触れ合いの直前、または直後
  • どちらかが疲れて帰宅した直後
  • 寝る直前で、眠気や疲れが強い時間帯

反対に、選びやすいのは、お互いに予定がなく、急かされない時間です。休日の昼間、散歩やドライブの途中、ゆっくり食事を終えたあとのお茶の時間などが候補になります。向かい合って座ると緊張しやすいので、並んで歩く、同じ方向を向いて座るなど、視線が合いすぎない姿勢のほうが話しやすいという方もいます。

どの場面が合うかはご夫婦によって違います。「この時間なら話しやすそう」と思える場面を、ご自身の感覚で選んでください。

最初の一言の例

最初の一言で大切なのは、「責めたいわけではない」という前置きです。相手が身構えずに聞ける土台をつくれます。次のような言い方を、ご自身の言葉に直して使ってみてください。

  • 「責めたいわけじゃなくて、二人でもう少し楽になれたらいいなと思って、話したいことがあるの」
  • 「最近ちょっと気持ちが揺れていて、聞いてもらえるかな。結論はすぐ出さなくていいから」
  • 「あなたの気持ちも聞きたいから、今度の休みに少しだけ時間をもらえる?」

いきなり本題に入らず、「話したいことがある」と予告してから、相手の都合のよい時間を聞くのも有効です。予告があると、相手は心の準備ができます。

話す長さをあらかじめ決めておく

話し合いが長引くと、疲れてしまい、言うつもりのなかった言葉が出てしまうことがあります。そこで、「今日は10分だけ」と時間を区切る方法がおすすめです。タイマーを使うと、時間の区切りが客観的になり、終わりを意識して話せます。

もうひとつの工夫は、一度に詰め込まず、1回につき1テーマにすることです。「頻度のこと」「疲れている日のこと」「言い方のこと」など、気になることは多くても、今日は「疲れている日の過ごし方」だけ、と決めておくと、話が散らかりません。時間が来たら、結論が出ていなくても、「聞いてくれてありがとう」と言って終わりにして構いません。続きは次の機会にまわせます。

責め合いになりにくい言葉の選び方

同じ内容でも、言い方ひとつで相手の受け取り方は大きく変わります。ここでは、相手を主語にした言い方を、自分の気持ちを主語にした言い方へ置き換える工夫を具体例とともに整理します。

責め合いになりにくい言葉の選び方

「あなたは」より「私は」で始める

「あなたは〜してくれない」という言い方は、事実を伝えているつもりでも、相手には非難として届きやすくなります。「私は〜と感じる」と、自分の気持ちを主語にすると、相手は反論するより先に、耳を傾けやすくなります。これは、相手の行動を評価するのではなく、自分の感覚を共有する言い方だからです。

もちろん、言い換えさえすれば必ずうまくいく、というものではありません。目的は、相手を黙らせることではなく、気持ちを交換することです。次の表を、言い換えの練習用として使ってみてください。

伝わりにくい言い方

言い換え例

ねらい

どうして乗り気じゃないの

最近、私は少し距離を感じて寂しい

相手を問い詰めず、自分の寂しさとして伝える

また今月もダメだったね

今月は私も疲れたから、少し休みたい

結果の評価ではなく、今の自分の状態を共有する

私ばっかり頑張っている

一人で抱えている感じがして、少し心細い

不公平感を責めずに、助けがほしい気持ちを伝える

そんなにしたくないなら、もういい

今日は気持ちが追いつかなくて、ごめんね。別の形で一緒にいたい

断る場面でも、関係を大切にしている姿勢を示す

言いにくい本音を伝えるときの言い換え例

表の例以外にも、言いにくい本音には工夫の余地があります。たとえば、「義務みたいでつらい」という言葉は、そのまま伝えると相手を傷つけることがあります。「最近、予定ばかりが気になってしまって、私も楽に過ごしたい気持ちがあるんだ」と、願いの形に変えると、相手も一緒に考えやすくなります。

「回数を減らしたい」という希望も、「減らしたい」と言う代わりに、「余裕のある日は私から声をかけたいな」と、自分の意思を添える言い方にできます。また、相手の本音を聞きたいときは、「どう思う?」と質問するより、「あなたはどんなふうに感じているか、教えてもらえたら嬉しい」と、聞く姿勢を伝えるほうが答えやすくなります。

言葉を選んでも、気持ちがぶつかってしまう日はあります。そんな日は、無理に続けず、「いったん休憩して、また明日話そう」と話を中断して構いません。中断は逃げではなく、関係を守るための選択です。

義務感を減らすために、今日から試せる日常の工夫

話し合いと並行して、日常の過ごし方を少し変えるだけで、義務感が和らぐことがあります。ここでは、負担の少ない行動を4つご提案します。いずれも効果や妊娠への影響を保証するものではなく、気持ちの余裕をつくるための工夫です。

予定を詰め込まない日を決めておく

  • カレンダーに妊活の予定ばかりを並べず、「何も決めない日」を週に1日つくる
  • その日は、検索や記録、予定の確認もお休みにする

妊活の予定が毎日の視界に入り続けると、気持ちが休まる時間が減ってしまいます。「今日は何も考えなくていい日」と決めておくと、気持ちを切り替えやすくなります。難しければ、半日だけでも構いません。

触れ合いの目的を分けて考える

  • 手をつなぐ、並んでテレビを見るなど、目的を問わない時間を持つ
  • 食事をいつもよりゆっくり、同じテーブルで取る
  • 触れ合いの先に「期待」を置かない時間をつくる

触れ合いが「妊活のため」だけになると、どうしても構えてしまいます。その先に何も求めない触れ合いの時間を意識して持つと、「近くにいて安心できる」という感覚を思い出しやすくなります。うまくいかなくても気にせず、気が向く範囲で試してみてください。

疲れている日の断り方をあらかじめ決める

  • 「今日は無理」だけで終わらせず、「明日の夜なら」「今日は話だけ」と代わりの案を一言添える
  • 断られた側は「分かった、ありがとう教えてくれて」と一言返す
  • この約束事を、気持ちが落ち着いているときに二人で決めておく

断るときに代案があると、断られた側は「拒まれた」と受け取りにくくなります。断る側も、罪悪感が軽くなります。事前にルールを決めておけば、その場で言葉を選ぶ負担も減ります。ルールは、やってみて合わなければ見直して構いません。

二人の時間を妊活以外の話題にも使う

  • 食事中は、妊活の話をしない時間と決める
  • 最近見た映画、行ってみたい場所、仕事の小さな話題など、妊活と関係ない話を意識して選ぶ
  • 二人で楽しめる趣味や散歩の時間を、予定に入れる

会話が妊活の話題ばかりになると、二人の時間そのものが「妊活の作業時間」のように感じられることがあります。意識して妊活以外の話題を使うと、パートナーとしての関係を思い出しやすくなります。また、妊活を夫婦で分担して進める視点については、こちらの記事も参考になります。

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話し合っても平行線になるときの進め方

工夫を重ねても、同じ内容で言い合いになる、話し合い自体が続かない、ということもあるでしょう。そんなときは、「もっと上手に話さなければ」と自分たちを責めず、進め方を軽く変えてみることをおすすめします。

期間を区切って、やり方を見直す

平行線のときは、結論を出そうとするより、お試しの期間を設けるほうが負担が小さくなります。たとえば、「1カ月だけ、この決めごとで試してみよう」と約束します。決めごとは、「疲れた日は代案を添えて断る」「週に1日は何も決めない日をつくる」など、小さなもので構いません。

1カ月たったら、「やってみてどうだった?」と、お互いの感想を言い合います。うまくいったところは続け、合わなかったところは変更します。うまくいかなかったことは失敗ではなく、「このやり方は合わなかった」という情報として受け止められます。期間を決めておくと、「ずっとこのままなのでは」という不安も和らぎます。

第三者に話を聞いてもらう選択肢

二人だけでは感情が高ぶってしまうときは、信頼できる第三者に話を聞いてもらうのも選択肢のひとつです。話す相手は、評価や助言を押しつけず、気持ちを受け止めてくれる人が向いています。

妊娠は、二人で話し合い、支え合いながら進めていくことが大切だとされています。

出典:実は男性にも原因がある?知ってほしい男性不妊とは? - はじめよう プレコンセプションケア - こども家庭庁

また、病院へ行くことに迷う場合は、自治体の相談窓口を利用することもでき、保健師や助産師が相談を受け付けているとされています。

出典:実は男性にも原因がある?知ってほしい男性不妊とは? - はじめよう プレコンセプションケア - こども家庭庁

相談窓口は、お住まいの自治体によって案内が異なります。まずは、お近くの窓口がどこにあるかを調べてみるところから始めてみてください。「相談するほどではないかも」と思う段階でも、話してみることで気持ちが整理されることがあります。

まとめ

妊活中に気持ちがのらないことは、責めなくてよいことです。切り出す場面を選び、自分を主語にして伝え、予定を詰め込まず、疲れた日の代案を決める。この4つを、二人の言葉で少しずつ調整していけば十分です。うまくいかない日があっても、それは話し合いが失敗したのではなく、次に試すやり方が見つかったということです。

一人で抱えきれないと感じたときは、漢方薬房こうのとりでも体質や生活についてのご相談を受け付けています。妊娠や改善をお約束するものではありませんが、ご自身のペースで気持ちを整理する場として、お気軽にご活用ください。

この記事を書いた人

漢方薬房こうのとり編集部

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