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妊活・不妊治療

40歳の妊活について解説。妊娠確率や不妊治療の内容と実際の声

この記事を監修した人

京都薬科大学特命教授 兼 薬剤師
戸口 瑞之
漢方薬房こうのとり 代表

元富山総合薬局代表。現漢方薬房こうのとり代表・管理薬剤師 / 現京都薬科大学特命教授。
飲む量の加減のみ必要で万人に合う現代の中国漢方(中医)に大学病院時代から36年携わる。
漢方薬房こうのとりでは、直近3年で100人以上の方が目標を達成されています。

「40歳で自然妊娠するのは難しいだろうか」「40歳から妊活しても子どもを授かれないかもしれない」と考えて不安に思う方は多いです。

世の中に出回っている情報に振り回されて「子どもを望むのを諦めたほうがよいかもしれない」と考えている方もいるのではないでしょうか。しかし、40歳以上でも妊娠している人は多くいます。

今回は、40歳の自然妊娠の確率や成功率、40歳の妊活で心がけたいことなどを解説します。また、40歳で妊活した人の声も紹介するので、ぜひ参考にしてください。


40歳で自然妊娠することは「奇跡ではない」

「40歳で妊活を始めても妊娠できる確率は低い」「自然妊娠は奇跡」という情報を見聞きした方も多いでしょう。正確な情報を手に入れられないと「40歳から妊娠・出産は望まないほうがよいのか」と諦めてしまいがちです。

結論、40歳からでも自然妊娠することは奇跡ではなく、誰にでも可能性があります。

もちろん、女性の年齢が35歳を超えると不妊症が増加します。しかし令和4年の厚生労働省の調査によると、40代女性からの出生数は約5万人ですから、妊娠を諦める必要はありません

また不妊症の原因には、乱れた食習慣や喫煙習慣など加齢以外にも複数あります。つまり生活習慣を整えて体質を改善していけば、妊娠確率が上がります。

【40歳の妊活】自然妊娠に関すること

40歳の妊活で自然妊娠できる確率はどれほどでしょうか。また、2人目や3人目がほしい場合、1人目の場合と違いはあるのかも気になりますよね。

ここからは、自然妊娠の確率に関する具体的な数値や、初産婦と経産婦の違いを解説します。

40歳での自然妊娠の確率

40歳で1人目を望む場合の自然妊娠の確率は次のとおりです。

避妊解除後の不妊期間(年)6カ月での自然妊娠率12カ月での自然妊娠率
113%22%
222%18%
36%10%

5人に1人は自然妊娠していることがわかります。また、不妊期間が長いほど自然妊娠率は低下するため、早めの不妊治療の検討が推奨されます。

また、高齢になるほど流産率が上昇するため、実際に出産にいたる確率はもう少し低いです。

出典:Age-related natural fertility outcomes in women over 35 years: a systematic review and individual participant data meta-analysis|Human Reproduction

40歳での1周期あたりの妊娠確率

健康な男女が排卵日付近に性交渉をおこなった場合、1回の月経周期あたりの自然妊娠の確率は、40~44歳で約5%です。

それでは、不妊治療において一般的に最初におこなうタイミング法での妊娠確率はどうでしょうか。タイミング法とは、基礎体温から妊娠しやすい日を計算し、その日に性交渉し妊娠を目指す方法のことです。

タイミング法での1周期あたりの妊娠率は1.3~4.1%です。回数を重ねれば確率は上昇しますが、4~6回ほどで頭打ちになります。

2人目・3人目の妊娠確率

40歳女性が2人目・3人目を望む場合の妊娠確率と、1人目を望む40歳女性の妊娠確率の間には差がありません。

海外の研究結果によると、40歳で1人目を望む場合の自然妊娠の確率は22%、40歳で2人目を望む場合は26%と示されています。しかし、それぞれの確率の間には有意な差がみられないと結論づけられています。

また2人目・3人目を望む場合は、これまでの妊娠と比較して子どもを授かるのが難しいケースが多いです。その理由は次のとおりです。

  • 夫婦揃って高齢化している
  • 育児で疲労が蓄積し、ホルモンバランスが乱れている
  • 前回の出産で帝王切開瘢痕症候群(※)が起きた

40歳から2人目・3人目を望むなら、これまでの妊娠よりも体質改善や体力増強を意識して妊活に取り組みましょう。

※手術の際に切開した子宮がうまく癒合せず、子宮壁が薄くなったり、子宮内に粘液が貯留したりする状態

【40歳の妊活】不妊治療に関すること

40歳から妊娠を望む場合は、妊活初期から病院での不妊治療を始めましょう。ここからは、40歳からの不妊治療の妊娠率や出生率などについて紹介します。

40歳からの不妊治療は遅い?

40歳から不妊治療を開始するのは遅いのでしょうか。

確かに35歳以上で1人目を出産する場合は高齢出産と呼ばれ、若いときと比べると妊娠・出産でさまざまなリスクが増加します。

しかし40歳からでも不妊治療で妊娠・出産し、育児に励んでいる人がいるのも事実です。リスクを気にしすぎるあまり妊娠を諦めるのではなく、妊娠しやすい体作りに取り組みましょう

出典:高齢妊娠って何歳からですか?|日本産婦人科医会

40歳での不妊治療の成功率

2021年の臨床実施成績によると、40歳での不妊治療の妊娠率は約20%、出生率は約10%と報告されています。

30歳での妊娠率は約30%、出生率は20~25%であることと比較すると、加齢による妊娠率・出生率の低下は避けられません。また流産率は35歳までは横ばいですが、35歳以降は徐々に上昇します。

出典:2021年体外受精・胚移植等の臨床実施成績|日本産婦人科学会

40歳からの不妊治療で2人目は妊娠できる?

40歳で「2人目がほしい」と不妊治療を始めた場合も、1人目のケースと妊娠率に差はなく、子どもを授かる可能性が十分あります

不妊治療を開始するタイミングは、可能であれば1人目の授乳が終わってからにしましょう。授乳中は排卵を抑制するプロラクチンが分泌されるからです。

また授乳婦はそうでない人と比較して、体重が増加しにくいです。年齢だけでなく母体の栄養状態やホルモンバランスを考えて、妊娠までの計画を立てましょう。

【40歳の妊活】口コミ・体験談

「40歳の妊活でも妊娠は望めるとわかったけれど、実際に成功した人はいるのだろうか」と気になり、妊活ブログやSNSの体験談を探す方も多いでしょう。ここからは、実際に40歳で妊活した人の口コミや体験談を紹介します。

40歳妊活1

顕微授精の末に妊娠した人の口コミです。高齢になると卵子や精子の質が低下するため、体外受精・顕微授精がすすめられるケースも多いです。

40歳妊活2

40歳で不妊治療を開始し、43歳で自然妊娠した人の声です。医師からは自然妊娠の確率は1%といわれていたそうですが、無事妊娠したとのことで希望がもてますよね。

40歳妊活3

40歳で自然妊娠した方の声です。男性側の不妊が原因で体外受精に苦戦したようですね。

「閉経が近いから妊娠は難しい」といわれがちな40歳からでも諦めずに妊活を続ければ、自然妊娠が叶う可能性があるとわかりますね。

【FAQ】40歳の妊活に関してよくある疑問

ここからは、40歳の妊活に関するよくある質問に回答します。

40歳の男性にも妊活は必要?

結論、40歳男性も妊活をおこなうべきです。なぜなら精子数や精液量、精子の運動率は加齢にともない低下するからです。

WHOのレポートによると、男性のみに不妊の原因がある場合が24%、男女ともに原因がある場合が24%で、男性不妊の割合が約半数を占めています。「女性の卵子が原因だと思っていたけれど、精液検査を受けたら男性不妊がわかった」というケースも多いです。

男性が検査や治療をおこない精子の質を改善できれば、自然妊娠の確率は高まります。夫婦二人三脚で妊活をすすめましょう。


出典:
生殖医療Q&A Q25. 男性の加齢は不妊症・流産にどんな影響を与えるのですか?|日本生殖医学会
原因は男性にもある?! 男性不妊治療の今|沢井製薬

40歳女性の子どもに障害がある確率は?

40歳女性から生まれる子どもがダウン症である確率は9.4%、染色体異常をもつ場合は15.2%と報告されています。35歳以降は卵子の質が低下するため、染色体異常のリスクが増加します。

出典:
1.妊娠適齢年令|日本産婦人科医会
「不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会」2013|厚生労働省

40歳の流産率は高い?

40歳での流産率は約30%といわれています。日本産婦人科学会の調査で、流産率は36歳以降から徐々に上昇していることがわかります。なぜなら卵子の老化にともない、染色体異常や受精後の胚発育の悪化が起こるからです。

40歳で妊活するなら、卵子の質を意識した取り組みが必要だとわかりますね。

出典:生殖医療Q&A Q23. 女性の加齢は流産にどんな影響を与えるのですか?|日本生殖医学会

40歳での妊活でできること

40歳で妊娠するためには、卵子の質を高めるとともに着床しやすく流産しにくい体作りが必要です。男性も精子の質を高める習慣を取り入れましょう。

ここからは、不妊治療以外でできる取り組みを紹介します。今不妊治療をおこなっている方でも取り入れられる内容なので、ぜひ参考にしてください。

温活

体の冷えを改善し血行をよくする温活は、自律神経とホルモンバランスを整えてくれます。40歳からの妊活では、体を冷やさない工夫が大切です。

冷えがあると、女性ホルモンの1つであるエストロゲンの分泌が低下し、卵胞の成熟や受精・着床がうまくいかないおそれがあります。また血行不良により全身に十分に栄養が行き届かず、子宮内膜や卵子の質が低下する可能性が高まるのです。

常に手先や足先が冷えている方はとても多いので、1年中温活に取り組むべきです。ただし、乾燥肌や口渇、ほてりが強い場合や、睡眠の質が低下した場合はいったん中止しましょう。

出典:
【漢方医監修】妊活を始めるならまず温活!温めるべきは「下半身」|ロート製薬
女性の健康 : 自律神経と女性ホルモン|日本メディカルハーブ協会
夏こそ温活!夏の冷えを防ぐセルフケア|日清製粉グループ

バランスのよい食事をとる

妊活中はバランスのよい食事を心がけましょう。特に意識して摂取したい栄養素は、次のとおりです。

栄養素効果
タンパク質タンパク質を多く、炭水化物を控えた食生活で妊娠率が上がったという報告がある。
ビタミンD十分に摂取している人とそうでない人を比較したところ、妊娠率や着床率、出生率が高く、流産率が減少傾向にあったと報告されている。
ビタミンE抗酸化作用や、血行を促進する効果、ホルモンバランスを調節する作用がある。

妊娠したいなら、単一の食べ物にこだわるのではなく、バランスのよい健康的な食事を取り入れてください。

また肥満ややせすぎでホルモンバランスが崩れて、不妊につながるケースもあります。妊娠しやすいと言われるBMI(20~24)を目指しましょう。

出典:
高タンパク、低炭水化物で妊娠しやすくなる!?|福田病院
不妊治療に光明!ビタミンDが妊娠率アップ&流産率ダウンに関連あり|大塚製薬
ビタミンEにはどんなはたらきがありますか?|OMRON
妊娠のために知っておきたい知識 妊活中の食生活について|東京都福祉局
妊娠しやすい体づくり|中村記念愛成病院

定期検診を受ける

不妊につながる病気の早期発見・治療のために、定期的に検診を受けましょう。婦人科検診や子宮がん検診に加えて、年に1度の性感染症検査もおこなうべきです。

たとえばクラミジア性感染症は、女性の8割が自覚症状がない・薄いため、感染が放置されてしまいがちですが、感染が長期化すると不妊の原因になります。また妊婦がクラミジア感染に気づかず妊娠すると、流産や早産を引き起こす可能性もあります。

日頃から体の変化を観察し、違和感があればすぐに受診しましょう。

出典:性器クラミジア感染症とは|国立感染症研究所

活性酸素を増やさない

卵子や精子の質を低下させ、妊娠率の低下を引き起こす活性酸素を減らしましょう。活性酸素増加の原因は次のとおりです。

  • 加齢
  • 飲酒
  • 喫煙
  • ストレス
  • 睡眠不足
  • 不規則な生活習慣
  • 過度な運動

活性酸素を増やす習慣を手放せば、40歳からでも妊娠できる可能性が高まります。

漢方を服用する

体質改善の目的で漢方を服用するのも効果的です。漢方に期待できる妊活への効果は次のとおりです。

  • 自律神経やホルモンバランスを整える
  • 月経トラブルを改善する
  • 冷えによる血行不良を取り除く
  • 卵巣機能を向上させる
  • 卵子の老化を抑える
  • 精子濃度や運動率を改善する

漢方は卵子や精子の質の向上や、着床しやすく流産しにくい体作りなどにおすすめです。

妊活によく使用される漢方は次のとおりです。

  • 桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)
  • 温経湯(ウンケイトウ)
  • 加味逍遥散(カミショウヨウサン)
  • 八味地黄丸(ハチミジオウガン)
  • 補中益気湯(ホチュウエッキトウ)

男女問わず体質や症状に合う漢方を服用すれば、妊娠率を高められます。しかし知識がない状態で漢方を選ぶと、効果が出ないだけでなく体調を崩すおそれがあります。漢方の服用を検討するなら、上記以外の漢方も含め、漢方の専門家に選んでもらうのがおすすめです。

監修者コメント

ここで紹介した漢方だけでは、十分な結果が出ない方が多いです。そのため「漢方は効かない」と思い込む方も多いようです。

出典:私に合う漢方薬の見つけ方|ツムラ

40歳の妊活に関するお悩みは、専門家へ相談を◎

40歳からの妊活でも妊娠・出産できる可能性は十分あります。加齢以外にも卵子や精子の質を低下させる原因があるため、それらを改善すれば自然妊娠の確率が上がります。

40歳で子供がほしいと思ったら、すぐに不妊治療を始めましょう。また、治療以外にも食生活の改善やストレス発散などを心がけ、体質や症状に合う漢方を服用するのをおすすめします。

北陸富山の「漢方薬房こうのとり」では、妊活と漢方の専門家が一人ひとりの体質や症状をヒアリングし、その方に合う漢方を選びます

「赤ちゃんが欲しい」と願うすべての方に向けて、「漢方薬房こうのとり」の子宝漢方で実現した数々の成功事例をご紹介いたします。

「漢方薬房こうのとり」では、豊富な経験を基に、80%以上の妊活成功率を誇っています。妊活は漢方の得意分野です。

例えば、体外受精(ART)を3回試しても結果が出ない場合、保険適用回数を無駄にしないためにも、漢方を取り入れて「妊娠しやすい体づくり」を検討していただきたいと思います。

子宝漢方は体外受精と組み合わせるだけでなく、自然妊娠の成功率も高めます。また、西洋医学で後回しにされがちな検査も、漢方の視点から事前に行うことで、最適な治療法(西洋医学と漢方の両方の良さを活かす方法)を丁寧にご説明いたします。

「漢方薬房こうのとり」では、2019年6月1日から2021年5月31日までの2年間において、86.1%の方が目標を達成されています(※71名中65名の報告を基に算出)。

さらに、48歳で妊娠判定陽性となり、50歳で第一子を出産された方、2024年6月には44歳で初産を迎えた方など、多くの高齢出産の実績があります。

したがって、「40歳だから遅いのでは」と悩む必要はまったくありません

対面でのカウンセリングだけでなく、オンラインでの気軽な相談も受け付けています。40歳で妊活に悩んでいる方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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