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不正出血に効く漢方薬は?東洋医学のアプローチについても解説

この記事を監修した人

京都薬科大学特命教授 兼 薬剤師
戸口 瑞之
漢方薬房こうのとり 代表

元富山総合薬局代表。現漢方薬房こうのとり代表・管理薬剤師 / 現京都薬科大学特命教授。
飲む量の加減のみ必要で万人に合う現代の中国漢方(中医)に大学病院時代から36年携わる。
漢方薬房こうのとりでは、直近3年で100人以上の方が目標を達成されています。

ホルモンバランスが乱れると、不正出血が起こる場合があります。不正出血に漢方薬が有効なのか気になりますよね。

そこで今回は、不正出血が起こる原因や不正出血に効く漢方薬について解説します。東洋医学のアプローチや市販薬の有無、副作用や好転反応についても解説しますので、参考にしてくださいね。


東洋医学における不正出血と漢方薬

不正出血とは、生理日ではないのに出血があることです。新しい血液は赤く、古い血液は茶色、わずかな出血では黄色の血液が見られます。排卵期に起こる中間期出血など、病気ではないケースもありますが、重大な病気の症状である場合もあるため、注意が必要です。

東洋医学では、不正出血は「気虚」や「瘀血」といった体質が原因だと考えられています。それぞれ詳しく解説するので確認しましょう。

東洋医学において、人の身体は「気・血・水」で構成されていると考えられています。「気」はエネルギー、「血」は血液、「水」は体液などの血液以外の水分のことです。身体の不調は「気・血・水」のバランスが崩れることによって引き起こされます。

「気虚」はエネルギーが不足した状態のことです。体力や食欲、やる気の低下などが見られます。ストレスや睡眠不足、不規則な食生活、老化などにより、気の消耗が激しくなったり気を作る働きが衰えたりすることが、気虚の原因になるでしょう。

気が不足すると、異常な汗や尿の排泄、出血を抑える働きが弱まります。その結果、不正出血が起こると考えられます。

また、「瘀血」も不正出血の原因の1つです。瘀血は血液が滞り、血の巡りが悪くなった状態をいいます。瘀血の状態では、顔色の悪さ、紫色の唇、冷えやのぼせ、肩こりや腰痛などの症状がよく見られます。

瘀血の原因は食生活の乱れや不規則な生活、ストレスや冷えなどが原因です。瘀血の状態を放置すると不妊にもつながるため、妊娠を希望する方は早めに改善しましょう。

気虚や瘀血といった体質を改善することで、不正出血が治る場合があります。不足した気を補う作用や、血の巡りを良くする作用のある漢方薬が効果的です。

出典:
漢方の基礎知識3「気血水とは」|Kracie
不正出血の原因と対処法をタイプ別に紹介。不正出血が起こるのは体質が原因?|Kracie

【症状別】不正出血の主な原因として考えられること

不正出血の主な原因として、子宮筋腫、更年期、黄体機能不全が挙げられます。それぞれについて詳しく解説します。

子宮筋腫

子宮筋腫は、子宮の筋肉にできる良性の腫瘍です。腫瘍のできる部位によって、粘膜下筋腫(子宮の内側)、筋層内筋腫(子宮の筋肉の中)、漿膜下筋腫(子宮の外側)に分けられます。30代以上の女性の20〜30%に見られます。

子宮筋腫の症状は、不正出血や月経痛、腰痛、頻尿などです。また、不妊や流産を引き起こす可能性もあります。

治療法は手術と薬物療法です。手術では子宮を取る方法と、筋腫だけを取る方法があります。薬物治療では月経を止める治療(偽閉経療法)をおこないますが、子宮筋腫を根本的に治すことはできません。

東洋医学では子宮筋腫は瘀血が原因だと考えられています。瘀血を改善する漢方薬を服用することで、子宮筋腫による不正出血の緩和が期待できるでしょう。

監修者コメント

漢方薬房こうのとりでは、子宮筋腫は消失できるとしています。2023年には、現代中国の大学院の先生と共同で改良した漢方を用い、子宮筋腫を小さくし、最終的に消失した事例も多数あります。

出典:
子宮筋腫|公益社団法人 日本産科婦人科学会
子宮筋腫に対する東洋医学の臨床的研究|全日本鍼灸学会

更年期

更年期になると卵巣の機能が衰えてくるため、エストロゲン、プロゲステロンといったホルモンのバランスが崩れやすくなります。

ホルモンバランスが崩れると、子宮内膜がうまく剥がれず厚くなりすぎてしまい、大量出血や不正出血が起こります。また、更年期周辺では月経の周期が乱れたり経血量が安定しなかったりするでしょう。

西洋医学ではホルモン補充療法をおこないます。ホルモン補充療法は、減少したエストロゲン(卵胞ホルモン)を補充する治療法です。また、プロゲステロン(黄体ホルモン)を一緒に投与する場合もあります。

更年期障害は人によってさまざまな症状が現れます。複数の症状に効果を発揮させる薬として、漢方薬が有用です。血流を良くする漢方薬や、精神的に安定させる効果のある漢方薬が用いられます。

監修者コメント

漢方薬房こうのとりでは、更年期障害の改善をサポートする現代中国漢方を提供しています。月額1万円程度から1万7千円の範囲で利用可能です。

 

出典:更年期障害|ツムラ

黄体機能不全

不正出血の原因の1つが、黄体機能不全です。身体の利用可能エネルギーが不足すると、黄体の機能が低下します。その結果無排卵となり、月経とは異なる少量の出血が2〜3日見られることがあります。

西洋医学における治療には、排卵誘発剤が用いられるでしょう。排卵誘発剤により良好な卵胞を発育させ、ホルモン状態を安定させます。また、高温期における黄体ホルモン補助をおこなう場合もあります。

黄体機能不全は、桂枝茯苓丸や加味逍遙散などの漢方薬を用いることで改善されるでしょう。その人の「証」(体力・体質・抵抗力・症状など)に合った漢方を選択することも重要です。

出典:
月経対策をして コンディションを整えよう!|東京大学医学部附属病院 女性診療科・産科
不妊外来|東大病院
随証漢方療法で生児を獲得した卵巣機能不全不妊症100例の漢方医学的ならびに西洋医学的解析|日本東洋医学会

漢方薬の種類と不正出血の原因に対して期待する効果

具体的にどの漢方薬が不正出血に効果的なのでしょうか。不正出血の原因に合わせて、漢方薬を選んでくださいね。

婦人宝(旧:当帰養血精)

婦人宝(旧:当帰養血精)は、補血・強壮作用のある当帰を主成分として9種類の生薬が配合された漢方薬です。気や血を補う成分が配合されているため、血虚(血が不足している)の方に適しています。

更年期障害による冷え症、貧血、生理不順、生理痛などの、女性特有の症状に効果があります。血の巡りを良くし、不足した血を補うことで、不正出血の改善も見込めるでしょう。

八ツ目製薬株式会社から販売されている当帰養血精Lは、甘くて飲みやすいシロップ剤になっています。顆粒が苦手な方や、漢方が初めての方でも服用しやすいですね。

監修者コメント

漢方薬房こうのとりでは、万人に使用できる安全性の高さから、不正出血の改善を目的とした漢方の第一選択として婦人宝(旧:当帰養血精)を採用しています。

 

出典:当帰養血精L|八ツ目製薬株式会社

※当帰養血精Lは2024年10月の使用期限のものを最後に販売を終了しています。

当帰芍薬散

当帰芍薬散は、婦人科疾患によく用いられる漢方薬です。当帰、芍薬、川芎、茯苓、白朮、沢瀉の6つの生薬で成り立っています。

当帰芍薬散は不足した血を補い、滞った水の巡りを良くする作用があります。血を補って全身に栄養を行き渡らせることで血の巡りも良くなり、瘀血による不正出血の改善が可能です。また、利尿作用により余計な水分を体外に排泄し、むくみを改善する効果もあります。

出典:女性におすすめの当帰芍薬散の効果とは?冷えや生理不順などにお悩みの方、必見!|Kracie

加味逍遙散

加味逍遙散は、身体の上に上がった気を降ろして全身に巡らせたり、溜まった熱を冷やしたり、不足している血を補ったりする効果のある漢方薬です。交感神経の興奮によるイライラ、不眠症などの女性の神経症状によく用いられます。

身体のバランスを整え自律神経を調整することで、神経症状の抑制や月経不順や更年期障害を緩和する効果が期待できます。

また、冷え症、虚弱体質、血の道症(月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴う精神不安やいらだちなど症状)の症状も緩和するでしょう。

出典:加味逍遙散(かみしょうようさん)|Kracie

加味帰脾湯

加味帰脾湯は、消化器の働きを助けながら足りない血を増やしたり、気を巡らせたりする効果のある漢方薬です。血を補い、気の巡りを良くする生薬が配合されており、気持ちを落ち着かせ、精神を安定させます。

精神を安定させることで、更年期障害の症状である不安感、イライラ、不眠などの神経症状を改善します。その結果、更年期障害が原因の不正出血の緩和が見込めるでしょう。また、血色が悪く、貧血気味の方にも効果的です。

出典:加味帰脾湯(かみきひとう)|Kracie

不正出血に効く漢方薬の市販の有無について

前章で紹介した漢方薬は、全て市販薬があります。病院を受診しなくても手に入り、気軽に試せるのはうれしいですね。

当帰芍薬散や加味逍遙散はクラシエやツムラから販売されています。顆粒のタイプだけでなく、錠剤のタイプも販売されているので、飲みやすいほうを選んでくださいね。また、加味帰脾湯はクラシエから販売されています。

市販の漢方薬を飲んでも症状が改善しない場合や、ほかにも気になる症状がある場合は、速やかに受診をしましょう。

漢方の副作用や好転反応で不正出血になるケース

不正出血を改善する漢方がある一方で、漢方を服用したら不正出血が起こったというケースもあります。不正出血の理由として、副作用と好転反応が挙げられます。詳しく解説するので、参考にしてくださいね。

副作用で不正出血が起こる?

一般的に、漢方は副作用が少ないと考えられています。しかし、漢方も薬であるため、副作用が起こる可能性もあります。また、漢方の服用がホルモンバランスに影響を与えることも考えられます。

多く起こる副作用は下痢や便秘などの消化器症状です。滅多にありませんが、不正出血が起こることも考えられます。副作用の症状が続くようであれば、服用を中止したほうがよいでしょう。

出典:漢方薬にも副作用はありますか?|中野区医師会

好転反応で不正出血が起こる?

漢方には自己治癒力を高める効果があるため、治る過程で一時的に症状が悪化したり、思わぬほかの症状が出たりします。これは「好転反応」と呼ばれます。起こりやすい症状は、高熱や下痢、湿疹、不正出血などです。

通常、漢方を服用して2週間以内に起こることが多いでしょう。薬をそのまま継続していれば症状はなくなります。

出典:服用効果の判定、慢性でも通常二ヵ月以内に|北里大学

副作用と好転反応の違いは?

副作用や好転反応による症状は、漢方の服用後2週間以内に発現することが多いです。しかし、副作用と好転反応は判断が付きにくいため、自分で判断するのは難しいでしょう。そのため、体調の変化があれば早めに医師や薬剤師に相談してくださいね。

出典:服用効果の判定、慢性でも通常二ヵ月以内に|北里大学

不正出血に関する漢方薬については、まず専門家へ相談しよう◎

不正出血は、子宮筋腫や更年期障害、黄体機能不全などさまざまな要因で起こり得る症状です。放置すると不妊になるリスクもあるため、早めの治療をおすすめします。

不正出血の改善には漢方薬が効果的です。不足した血や気を補って巡りを良くすることで、症状の改善が見込めます。

不正出血に効果的な漢方薬は、薬局やドラッグストアで手に入れられます。しかし、どの漢方薬が自分に合っているのか、自己判断で選ぶのは難しいでしょう。また、不正出血には重大な病気が隠れている場合もあり、注意が必要です。

漢方薬房こうのとりでは、不正出血や不妊の漢方医学的原因とされる気虚や瘀血を改善し、妊娠しやすい体質へと導いていきます。気虚や瘀血が改善されると、不正出血も自然と収まるケースがほとんどです。

妊娠中に不正出血が起こった場合、必要に応じて婦人宝を使用することもありますが、それ以外の漢方は基本的に使用しません。これは、漢方薬房こうのとりで提供する現代中国の最先端漢方が、従来の処方よりも遥かに優れているためです。

北陸富山の「漢方薬房こうのとり」では、女性特有の疾患や、妊活に詳しい専門家が丁寧にカウンセリングをおこない、アドバイスをします。遠方の方はオンライン相談もできますよ。不正出血でお困りの方はぜひご相談くださいね。

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