不妊治療の休職での後悔ポイントは?手当金の条件やキャリアへの影響など解説

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不妊治療の通院は、採卵前後や移植周期になると週に何度も必要になることがあります。
有給休暇を使い切り、体もメンタルも限界なのに「休むのは甘えかも」と自分を責めていませんか。
この記事では、休職の判断材料となる診断書・傷病手当金の条件から、復職後のキャリアへの影響まで、後悔しない選択のために知っておきたいことをまとめています。
不妊治療で休職する・仕事を辞めるのは「甘えではない」
不妊治療と仕事の両立に限界を感じるのは、意志の弱さではありません。治療の身体的・精神的な負担は、外からはほとんど見えないまま、静かに積み重なっていきます。
厚生労働省が令和5年度に実施した調査では、不妊治療と仕事の両立に困難を感じる理由として、通院回数の多さや精神的なつらさが多く挙げられています。体外受精などの高度生殖医療では、採卵前の注射から判定日まで連日の通院が続くこともあり、フルタイムで働きながら治療を継続することが、現実的に難しい局面があります。
出典:「不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査」結果|厚生労働省

また、「甘えだ」と感じてしまうのは、治療の大変さが職場に伝わりにくいからです。
流産やキャンセル周期が続いたとき、ホルモン剤の影響で体調が崩れたとき。そのつらさは、骨折や手術とは違って目に見えません。
だからこそ自分でも「もう少し頑張れるはず」と思いがちです。
でも、メンタルの限界は身体の限界と同じくらいリアルなサインです。それを「甘え」と片づけてしまうのは、あまりにもったいないことです。
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後悔しないためのポイント1)不妊治療で休職するタイミング
「まだ早いかな」と思いながら限界まで働き続け、結局ギリギリで休職を決める。そのパターンはとくに消耗します。
いつ動けばよいか、手続きはどう進めるかを先に知っておくだけで、いざというときの判断がずっと楽になります。
休職を切り出すタイミングの目安
体外受精の採卵・胚移植の周期に入ると、排卵日に合わせた通院が週複数回必要になることがあります。
しかも通院日は排卵周期次第で直前まで確定しないため、急な欠勤が続きやすくなります。
次の状況が重なってきたら、休職を本格的に検討するサインです。
状況 | 具体的なサイン |
|---|---|
体外受精にステップアップした | 採卵・移植周期の通院で有休が底をつきそう、または急な欠勤を説明しきれなくなってきた |
心身の不調が続いている | ホルモン剤の副作用や精神的な疲労で、睡眠・集中力・仕事の質に支障が出ている |
日程調整が毎回綱渡り | 排卵周期に合わせた急な通院が月に複数回あり、職場への対応に限界を感じている |
診断書の取得と休職手続きの流れ
民間企業の休職は法律上の義務ではなく、会社ごとの就業規則にもとづいて運用されます。
一方、国家公務員には人事院が定める病気休暇・休職制度があり、手続き先や条件が異なります。
どちらの場合も、まず主治医への相談からです。
- 産婦人科・婦人科の主治医に休職の必要性を相談し、診断書を発行してもらう(「不妊治療に伴う心身の疲弊」などの記載が一般的)
- 勤務先の就業規則または人事担当者に、休職の要件・期間・給与の扱いを確認する
- 診断書と休職申請書を人事・総務へ提出する
- 休職開始日・復職の見通しを会社と合意し、書面で取り交わす
公務員の場合は、不妊治療を対象とした「出生サポート休暇」も別途利用できます。病気休暇・休職とは制度が異なるため、所属機関の人事担当に選択肢を確認しておくとよいでしょう。
出典:
不妊治療連絡カードをご活用ください!|厚生労働省
出生サポート休暇 職員向けQ&A|人事院
後悔しないためのポイント2)不妊治療の休職中にもらえる傷病手当金
「休んだら収入がゼロになる」という不安は、休職をためらう最大の理由のひとつです。
ただ、メンタル不調などで医師が労務不能と認めれば、傷病手当金を受け取りながら休養できます。
傷病手当金の受給条件
傷病手当金を受け取るには、いくつかの条件をすべて満たす必要があります。
以下の4つが基本的な要件です。
- 会社の健康保険(協会けんぽまたは健保組合)に加入していること
- 業務外の傷病で療養中であること
- 医師から労務不能と判断されること
- 連続3日間仕事を休んだ後(待機期間)、4日目以降も休んでいること。
不妊治療そのものは傷病手当金の対象になりません。
ただ、治療に伴うストレスや睡眠障害などで「適応障害」「うつ状態」と診断された場合は、傷病として認められます。
支給額は標準報酬日額の3分の2、支給期間は支給開始日から通算1年6カ月です。
出典:令和4年1月1日から健康保険の傷病手当金の支給期間が通算化|厚生労働省
健康保険・協会けんぽごとの申請窓口
会社員が加入する健康保険は、大きく以下の2種類です。
- 協会けんぽ(全国健康保険協会)
- 健保組合(企業・業界ごとの健康保険組合)
給与明細や保険証に記載されている保険者名で確認できます。
協会けんぽの場合、申請書は都道府県の支部へ提出します。健保組合の場合は、各組合の定める窓口が提出先です。
どちらも会社の総務・人事部門が手続きをサポートしてくれるのが一般的なので、まず社内の担当部署に相談するのがスムーズです。
申請書は協会けんぽのウェブサイトからダウンロードできます。
傷病手当金申請書の書き方
申請書は以下の3パートで構成されています。
- 被保険者(本人)記入欄
- 事業主記入欄
- 医師記入欄
本人記入欄には氏名・住所・振込口座・療養期間を記入します。
事業主欄は会社の担当者が出勤状況と報酬支払いの有無を記入する欄なので、総務・人事に依頼します。
医師記入欄には、傷病名・労務不能と判断した期間を担当医に記入してもらいます。
申請期間は1カ月単位で区切るのが一般的で、休職が続く間は毎月申請が必要です。提出が遅れると審査に時間がかかるため、月末に提出日の目安を決めておきましょう。
出典:傷病手当金支給申請書の記入の注意点|全国健康保険協会(協会けんぽ)
後悔しないためのポイント3)不妊治療での休職が育休手当・収入に与える影響
「傷病手当金があるなら退職してもいいかも」と考えてしまいがちですが、退職すると将来の育休手当が受け取れなくなるリスクがあります。
休職と退職、どちらが長期的に有利かを確認してから判断しましょう。
退職による収入減リスクと後悔の要因
退職後にまず直面するのが、貯金の減少スピードの速さです。
傷病手当金は一定条件のもとで退職後も継続受給できますが、受給期間(通算18カ月)が終わると収入はゼロになります。
体外受精は1回あたり数十万円かかるケースも多く、治療が長期化するほど家計への影響は無視できません。
また、再就職のタイミングが読めないことも、後悔を深める要因になります。「治療が落ち着いたら戻ればいい」と考えていても、ブランク期間への懸念から希望どおりの職種・待遇での再就職が難しいケースは少なくありません。
失うのはお金だけでなく、積み上げてきたキャリアそのものでもあります。
休職・退職が育休手当の受給資格に与える影響
育児休業給付金(育休手当)を受け取るには、育休開始日の前2年間に雇用保険の被保険者期間が12カ月以上あることが条件です。
休職中は雇用保険の被保険者資格が継続するため、この条件を満たしやすい状態が保たれます。退職してしまうと、再就職しない限り育休手当を受け取る方法がなくなります。
再就職して出産した場合でも、新しい職場での被保険者期間が12カ月未満では受給資格を得られません。
また、休職中に賃金の支払いがない月(無給月)が続くと、その月は被保険者期間の算定から除外されるため、休職が長期化する場合は12カ月の条件を満たせるかどうかをあらかじめハローワークや会社の人事部門に確認しておきましょう。
出典:
Q&A~育児休業等給付 | 厚生労働省
育児休業等給付について | 厚生労働省
【体験談】不妊治療のために休職・退職して後悔した人の声
多く聞かれる後悔は、「正社員を退職して育休・産休の権利を失った」というケースです。数年間勤めた職場を辞めて治療に集中した結果、妊娠できても育休手当を受け取れなくなったという声は少なくありません。
前章で触れたように、育休手当には雇用保険の加入期間という条件があるため、退職のタイミングは特に慎重な判断が求められます。
次に多いのが、「傷病手当金を知らないまま退職してしまった」という後悔です。休職という選択肢に気づかずに退職し、収入がゼロになってから後悔するパターンです。
メンタル不調があれば、医師に相談することで診断書が出るケースも多く、傷病手当金の受給につながる可能性があります。
退職を決める前に、一度主治医に相談してみてください。
https://x.com/OzJ3PRsgu757102/status/1988504976105291808
【体験談】不妊治療のために休職・退職して良かった人の声
一方で「あの決断が正しかった」と振り返る人も多くいます。
休職と退職それぞれの「良かった理由」を知ることで、自分がお金と心身の余裕のどちらをより重視すべきかが見えてきます。
休職して治療に専念したケース
休職を選んで良かったと感じる人が共通して挙げるのは、「通院のたびに仕事のやりくりを考えなくていい」という精神的な解放感です。
採卵や移植のスケジュールは体の状態次第で変わるため、仕事を気にせず動くだけで治療への向き合い方が変わります。
https://x.com/hnu2Oi0saysSC7a/status/2012407732524224845
https://x.com/Fj3mhEXClp78845/status/1820279358747263263
退職して前向きに治療を続けたケース
退職を選んで良かったと感じる人が真っ先に挙げるのは、毎日のストレス源がなくなったこと。
通勤や職場の人間関係から離れることで気持ちが落ち着き、治療に集中できるようになったという声が多くあります。
ただし、後悔なく退職できた人には共通点があります。
十分な貯蓄があり、パートナーと収入面の見通しをしっかり話し合っていた点です。前章で触れた育休手当の受給条件なども含め、制度面を把握したうえで退職を選んでいることが、後悔しない人の特徴といえます。
不妊治療の休職・退職の悩みは一人で抱えず専門家に相談を
休職するかどうか、退職したら収入はどうなるのか。そうした不安は、制度の知識と自分にとって何を優先すべきかを整理することで、見通しが立ちやすくなります。
休職の場合は、条件を満たせば傷病手当金を受給できるケースもあり、出産後には育児休業給付金などの制度を利用できる可能性もあります。
利用できる制度を知ったうえで判断することが大切です。
そしてもう一つ、治療そのものの結果にも目を向けてほしいのです
仕事を休んで通院する時間を確保しても、体の状態が整っていなければ治療の成果はなかなか出ません。西洋医学の治療と並行して漢方で体質から整えることで、妊娠への近道になることがあります。
これは、37年にわたり妊活をサポートしてきた漢方薬房こうのとりが、多くの相談者と向き合う中で実感してきたことです。
漢方薬房こうのとりでは、仕事の忙しさや生活習慣の乱れが妊活に大きく影響していると判断した場合には、無理に仕事を続けるよりも、休職して心身を整えることを提案するケースもあります。一人ひとりの状況に合わせて、仕事と妊活を両立するための現実的な選択肢を一緒に考えています。
監修者
実際、こうのとりに相談した方の90%以上が「体の変化を実感できた」とおっしゃっています。
仕事との両立に疲れ、一人で抱え込んでいた方ほど、相談後に「もっと早く来れば良かった」という言葉を口にされます。
休職・退職の判断に迷う気持ちも、治療への不安も、まずは話してみてください。








