ライフスタイルが変化し、38歳から妊娠・出産を望む方も増えてきました。しかし「35歳以降では自然妊娠は難しい」「不妊治療の成功率も低い」というSNSやブログの投稿を見て、不安に思う方も多いのではないでしょうか。
今回は、38歳の自然妊娠について、妊娠率や妊娠したい場合にできることを解説します。実際に38歳で自然妊娠した人の口コミも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
38歳で自然妊娠は難しい?
「38歳でも自然妊娠できるかな」と悩んでいる方は多いです。SNSのネガティブな情報を取り入れると「やっぱり今の年齢では難しそうだから、諦めたほうがよいかもしれない」と考えるのも無理はありません。
もちろん、女性の年齢が35歳を超えると不妊症が増加するのは事実です。しかし、38歳からの自然妊娠には十分にチャンスがあります。
令和4年の人口動態統計によると、35~39歳で出産した人は全体の約24%を占めるため、38歳では妊娠できないと考える必要はありません。
不妊症の原因は年齢だけでなく、喫煙や飲酒の有無、乱れた日常生活などさまざまです。生活習慣を見直し体質を改善していけば、38歳でも自然妊娠の確率が上がります。
出典:
令和4年(2022)人口動態統計(確定数)の概況|厚生労働省
不妊症Q&A|東京都妊活課
【初産】38歳で自然妊娠する確率
38歳の女性が初産で自然妊娠する確率は、以下のとおりです。
避妊解除後の不妊期間(年) | 6カ月での自然妊娠率 | 12カ月での自然妊娠率 |
---|---|---|
1 | 17% | 28% |
2 | 14% | 23% |
3 | 8% | 13% |
38歳の初産でも、約3人に1人は自然妊娠しているのがわかります。ただし、不妊期間が長いほど自然妊娠率は低下するため、「できるだけ早く妊娠したい」と考えるなら、不妊治療を視野に入れましょう。
また、年齢が上がると流産率も上昇するため、出産率はもう少し低下することも押さえておいてください。
出典:Age-related natural fertility outcomes in women over 35 years: a systematic review and individual participant data meta-analysis|Human Reproduction
38歳の経産婦が自然妊娠する確率
38歳で2人目・3人目を妊娠・出産する人も増えています。
令和4年厚生労働省の調査では、35~39歳で2人目を出産した女性の割合が、2人目を出産した人全体の約27%を占めると報告されています。また、3人目以上を出産した35~39歳の女性は、3人目以上を出産した人全体の37%でした。
ここからは、2人目・3人目の場合の自然妊娠率を紹介します。
2人目の場合
38歳で2人目を自然妊娠できる確率を以下の表にまとめました。
避妊解除後の不妊期間(年) | 6カ月での自然妊娠率 | 12カ月での自然妊娠率 |
---|---|---|
1 | 22% | 34% |
2 | 18% | 28% |
3 | 10% | 16% |
初産と2人目では、自然妊娠率は大きく変わらないと言われています。
海外の研究結果によると、38歳で1人目を望む場合の自然妊娠の確率は28%、40歳で2人目を望む場合は34%でした。しかし、それぞれの確率の間には有意な差がみられないと述べられています。
出典:Age-related natural fertility outcomes in women over 35 years: a systematic review and individual participant data meta-analysis|Human Reproduction
3人目の場合
3人目の自然妊娠の確率も、初産や2人目の自然妊娠率と大きく変わりはありません。しかし、38歳で3人目がほしい場合は今までよりも妊活に力を入れるべきです。
なぜなら2人目・3人目を出産する場合、以下に挙げる理由により、これまでよりも妊娠が難しいケースが多いからです。
- 夫婦ともに当時より年齢を重ねている
- 育児の疲労でホルモンバランスが乱れている可能性がある
38歳で2人目・3人目を自然妊娠するには、これまでよりもいっそう体質改善や体力をつけることを心がけましょう。
38歳で妊娠したい場合にできること・すべきことは?
38歳で自然妊娠を叶えるには、夫婦で妊活に取り組むことが大切です。女性は卵子の質を高めるとともに、着床しやすく流産しにくい体作りをおこないましょう。男性は精子の質や精液量に対するアプローチが必要です。
38歳で妊娠したい場合にできることの例は、以下のとおりです。
- 温活で体の冷えを改善し、血行をよくする
- タンパク質多めで糖質を控えた、バランスのよい食事をとる
- BMIは20~24を目指す
- 定期検診・性感染症検査を受ける
- ストレスを溜めない・こまめに発散する
- 飲酒や喫煙を控える
- 漢方薬を服用する
不妊治療は西洋医学だけでなく、中医学面からのアプローチがおすすめです。漢方薬は不妊に悩む方の体質改善に効果を発揮します。
- 卵子の質を高める
- 子宮内膜を厚くする
- 精子の質を上げる
- 精液量を増やす
- 子宮内膜を柔らかくする
女性だけでなく、男性側に不妊の原因があるケースも多いため、夫婦で漢方薬を服用するとよいでしょう。
北陸富山の「漢方薬房こうのとり」では、妊活と漢方薬の専門家が一人ひとりの体質や症状をヒアリングし、その方に合う漢方薬のアドバイスをおこないます。男性不妊にも精通しているので、ご夫婦でもお気軽にご相談くださいね。
38歳で自然妊娠が難しい理由は、本当に女性側だけにあるのでしょうか。タイミングをとるなどして1年以上妊娠の結果が出ない場合、男性にも問題がある可能性を考えるべきです。不妊原因の48%が男性側にあるという事実と、自然妊娠した場合の精子運動率の平均が77.7%であるというデータがあります。
それにもかかわらず、多くの産婦人科では精子の運動率が40~50%あれば問題ないとされるのが一般的です。しかし、それは本当に妥当なのでしょうか。漢方薬房こうのとりでは、精子の運動率が40%台で妊娠判定陽性になるケースがあるものの、9割以上が流産に至り、出産まで進むケースはほとんどありません。50%台の場合も同様の結果が見られます。
一方、精子の運動率が70%以上になり、奥様側に漢方医学的な問題が解消された場合、排卵時に3回以上タイミングをとるのを3周期(3か月)繰り返すことで、自然妊娠の成功率が80%以上になるというデータがあります。このような結果を10年以上にわたり確認してきた経験からも、男性不妊への対策が不可欠であると考えられます。
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出典:
高タンパク、低炭水化物で妊娠しやすくなる!?|福田病院
妊娠のために知っておきたい知識 妊活中の食生活について|東京都福祉局
38歳からの不妊治療の成功率について
「38歳だと不妊治療しても授からない確率は高いの?実際の成功率はどれくらい?」と気になる方もいるかもしれません。
ここからは、人工授精や体外受精の成功率について解説します。
人工授精の場合
人工授精を4周期以上おこなった累積妊娠率は、40歳未満で約20%です。8割以上の不妊患者では、人工授精では妊娠が難しいと考えられています。3~4周期おこなっても妊娠しない場合は、体外受精へのステップアップが検討されます。
出典:10.人工授精(AIH:Artificial Insemination with Husband’s semen)|日本産婦人科医会
体外受精の場合
2021年の臨床実施成績によると、38歳での体外受精の妊娠率は20~25%、出生率は10~15%と報告されています。
36歳以降妊娠率が低下し、流産率が上昇していくため、体外受精の場合も自然妊娠と同じく、年齢による影響は避けられません。しかし、妊娠しやすい体作りをおこなうことで、不妊治療の成功率も上がりやすいです。
出典:2021年体外受精・胚移植等の臨床実施成績|日本産婦人科学会
【口コミ】38歳で自然妊娠した人の声やブログ
ここまでは、38歳の自然妊娠率や妊活でできること、不妊治療の成功率を紹介しましたが、「本当に妊娠できるのだろうか」と疑問に思う方もいるかもしれません。
ここから紹介する、実際に38歳で自然妊娠した人の口コミを見れば、妊活に前向きに取り組めるでしょう。
「女性が妊娠しやすいのは34歳まで」と言われて自然妊娠を諦めていたところ、37歳で結婚して38歳であっさり妊娠したそうです。年齢の影響で流産率も気にしていたようですが、無事に男の子を出産されたそうですよ。
38歳で双子を自然妊娠した人の口コミです。高齢出産でも問題なく過ごされていることがわかりますね。
結婚13年目にして38歳で自然妊娠したそうです。37歳でも自然妊娠していますが、流産してしまったようですね。流産は悲しいですが、そのあとも諦めなければ自然妊娠できる可能性があると希望がもてますね。
33歳から不妊治療をおこなっていたそうですが、38歳で自然妊娠したとのこと。不妊治療でも妊娠しないと不安になるかもしれませんが、諦める必要はないと思えますね。
38歳の自然妊娠は、若い頃と比べて難しいのは間違いありません。しかし、多くの人が自然妊娠を叶えていることを知って、前向きに取り組んでくださいね。
【FAQ】38歳で自然妊娠を望む方からのよくある質問
ここからは、38歳で自然妊娠を望む方からのよくある質問に回答します。
35歳以降の子どもは諦めるべきと言われるのはなぜ?
35歳以降は妊娠する力が低下し、流産率が上昇するため、子どもを諦めるべきと考える人もいます。
加齢による卵子の質の低下が原因ですが、妊活をおこなえば卵子の質の向上が期待できるため、38歳でも子供を諦める必要はありません。
出典:
生殖医療Q&A Q5. どんな人が不妊症になりやすいのですか?1)女性側 2)男性側|日本生殖医学会
生殖医療Q&A Q22. 女性の加齢は不妊症にどんな影響を与えるのですか?|日本生殖医学会
生殖医療Q&A Q23. 女性の加齢は流産にどんな影響を与えるのですか?|日本生殖医学会
38歳で出産したときのダウン症・障害児の確率は?
40歳女性から生まれる子どもがダウン症である確率は5.7%、染色体異常をもつ場合は9.8%と報告されています。高齢になるにつれて卵子の質が低下すると、受精卵の染色体異常のリスクが上昇します。
出典:「不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会」2013|厚生労働省
38歳で2人目・3人目を出産するのはリスクが高い?
初産よりも2人目・3人目を出産する際のリスクは低いです。
しかし、前の妊娠よりも年齢が上がり体力が低下しているため、体質改善のための妊活を取り入れましょう。
3〜40代で自然妊娠を望む方は漢方薬の適切な服用がおすすめ◎
38歳からの自然妊娠は35歳未満のケースよりも難しいですが、誰でもチャンスはあります。実際に多くの女性が妊娠・出産し、子育てに奮闘しています。
女性が年齢を重ねると、卵子の質が低下し受精卵の染色体異常が発生しやすくなります。また、男性も高齢になるとともに、精子の質が低下し、精液量が減少しやすいことを押さえておきましょう。夫婦二人三脚で妊活に取り組んでくださいね。
漢方薬には、年齢に影響を受ける卵子や精子の質を高める効果が期待できます。自分に合う漢方薬を服用することで、妊娠率を高められますよ。
「漢方薬房こうのとり」は、妊活のサポート実績が豊富です。「サポートのおかげで安心して妊活に取り組めて、無事自然妊娠できた」という声が日々届いています。
対面以外にもオンラインでの気軽な相談も受け付けているので、3〜40代で自然妊娠を望む方はぜひお問い合わせくださいね。